【免責事項】
この記事に記載の内容は公開されているライセンスから著者が独自に調査した物であり、各製品の公式見解ではありません。本記事の内容について一切の保証はできません。本記事の内容により被った損害及び損失について、著者および記事記載のサイト運営者は一切の責任を負いません。必ず、ライセンスを確認の上、自身の責任の下にご判断ください。不明な点については開発元へ直接お問い合わせください。
最近は無償で利用できるソフトウェアが増えてきました。OSSはもちろんの事ですが、プロプライエタリな有償商品であっても、一定の条件下では無償で使用できる場合があります。しかし、無償で利用できると無償で利用しても良いは異なります。状況によってはライセンス違反を行っており、後ほど高額のライセンス費用を請求される場合があります。
この記事は、特に注意が必要な製品に記載し、ライセンスの遵守を促す事が目的で作成されました。
バージョンアップ等でライセンスが変更される場合があります。常に最新の情報を確認してください。
無償利用に制限があるソフトウェア
無期限に利用可能であり、機能に制限が無いもの、また、無償利用のための登録等に審査がないもののみあげています。
【表の項目の注意事項】
- 個人での学術的調査・研究は対価を貰わないことを前提としています。
- 組織内の個人が個人的に組織のPCへインストールし使用した場合は、組織内での利用と見なしています。
Visual Studio Community
ホームページ: https://www.microsoft.com/ja-jp/dev/products/community.aspx
ライセンス情報: Visual StudioとMSDNのライセンス ホワイトペーパー Visual Studio Community FAQ
Microsoft社の統合開発環境(IDE)です。C#、F#、Visual Basicと言った.NET開発から、C/C++やTypeScript、Python等が開発可能です。
※ Visual Studio 2017 Communityがリリースされていますが、ライセンスについては整理状態のようですので、ご注意ください。
利用者\目的 | 評価 | 自己学習・ 教育・研修 |
学術的 調査・研究 |
開発 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
OSS | プロプライエタリ | |||||
個人 | ※1 | |||||
組織 | 官公庁 |
エンタープライズ組織※2: それ以外: 5ユーザーまで※3 |
||||
教育機関 | ||||||
非営利団体 | ||||||
企業 |
※1 登録を行う為の評価期間として30日間が設けられていますが、ライセンス上は評価期間は設けられていません。Professionalであれば期限付きの評価は可能です。
※2 エンタープライズ組織は「PC台数250台以上または年商100万ドル以上」の組織を指します。
※3 エンタープライズ組織からの請負の場合は、一切使用することができません。
無償利用の条件にあてはまらない場合は、有償のVisual Studio Professionalを購入する必要があります。Visual Studioファミリーの内、Visual Studio ExpressとVisual Studio Codeには制限はありません。Visual Studio for Macは現在プレビュー版のため、正式版のライセンスは不明です。
Delphi Starter Edition / C++Builder Starter Edition
Delphi ホームページ: https://www.embarcadero.com/jp/products/delphi/starter
C++Builder ホームページ: https://www.embarcadero.com/jp/products/cbuilder/starter
ライセンス情報: Delphi / C++Builder Starter - Q&A
embarcadero社の統合開発環境(IDE)です。それぞれDelphiとC++が開発可能です。
利用者\目的 | 評価 | 自己学習・ 教育・研修 |
学術的 調査・研究 |
開発 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
OSS | プロプライエタリ | |||||
個人 | ※1 |
売上げ5,000US\$/年 未満: 売上げ5,000US\$/年 以上: |
||||
組織 | 官公庁 | 5ユーザーまで |
売上げ5,000US\$/年 未満: 5ユーザーまで 売上げ5,000US\$/年 以上: |
|||
教育機関 | ||||||
非営利団体 | ||||||
企業 |
※1 Architectエディションであれば期限付きの評価は可能です。
商用利用はそのソフトウェアによる年間売り上げにより制限があります。この場合の売り上げは開発したソフトウェアに関連した事業全体の売り上げであり、そのソフトウェア自体の売り上げではありません。たとえば、社内で配布して利用した場合は、会社全体の売り上げが対象になります。なお、個人の場合もこの制限は適用されます。
5ユーザーの制限は教育機関であっても適用されます。小規模なゼミでない限り教室等では使用できません。
上記とは別にFree C++ Compilerがありますが、商用ライセンスが個人利用のみと言うこと以外は詳細は不明です。詳細が書かれたページをご存知の方はコメントをください。
Sublime Text
ホームページ: https://www.sublimetext.com/
ライセンス情報: Sublime Text - Download
プログラミング向けのマルチプラットフォーム高機能テキストエディタです。
利用者\目的 | 評価 | 自己学習・ 教育・研修 |
学術的 調査・研究 |
開発 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
OSS | プロプライエタリ | |||||
個人 | ※1 | |||||
組織 | 官公庁 | |||||
教育機関 | ||||||
非営利団体 | ||||||
企業 |
※1 期限はありません。
評価のみ無償です。評価期限はありませんが、評価以外の目的で使用を続ける場合はライセンスの購入が必要です。
VMware Workstation Player
ホームページ: http://www.vmware.com/jp/products/workstation.html
ライセンス情報: Workstation Player の FAQ
VMware社のパソコン用の仮想環境ソフトウェアです。さらに高機能なVMware Workstation Proがあります。
利用者\目的 | 評価 | 自己学習・ 教育・研修 |
学術的 調査・研究 |
開発 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
OSS | プロプライエタリ | |||||
個人 | ※1 | 非商用: 商用:※2 |
||||
組織 | 官公庁 | |||||
教育機関 | ※3 | |||||
非営利団体 | ||||||
企業 |
※1 商用目的以外に限ります。
※2 個人であっても、商用目的、例えば対価を貰ったOSS開発などはと思われます。
※3 VMware Academic Programのメンバーである学生や教職員は無償利用可能です。
無償利用の条件にあてはまらない場合は、有償ライセンスが必要です。商用目的とみなされる条件が広く、営利非営利に関係無くどのような組織であっても商用目的と見なされます。また、メンバーが組織内で個人的に使う場合でも商用目的とされるようですのでご注意ください。
Oracle VM VirtualBox Extension Pack
ホームページ: https://www.virtualbox.org/
ライセンス情報: VirtualBox Personal Use and Evaluation License (PUEL)
Orcale社のパソコン用の仮想環境ソフトウェアであるOracle VM VirtualBoxの拡張パックです。Oracle VM VirtualBox自体はOSSであり無償で使用できますが、拡張パックはプロプライエタリであり無償利用には制限があります。
利用者\目的 | 評価 | 自己学習・ 教育・研修 |
学術的 調査・研究 |
開発 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
OSS | プロプライエタリ | |||||
個人 | 30日間 | ※1 | ||||
組織 | 官公庁 | |||||
教育機関 | ||||||
非営利団体 | ||||||
企業 |
※1 ダウンロードした本人が単一のコンピューター上でのみ使用できます。他人がダウンロードした物や、リモートからの使用できません。
それぞれ「個人使用」「教育的使用」「評価」のみが無償です。「教育的使用」は教育機関での授業等のみ想定しています。それ以外の場合は有償ライセンスの購入が必要です。
astah* community
ホームページ: http://astah.change-vision.com/ja/product/astah-community.html
ライセンス情報: astah*使用許諾契約書 astah* community 重要なお知らせ
チェンジビジョン社のUMLツールです。旧バージョンでは制限がありませんでしたが、バージョン7.0から商用利用に制限が加わりました。
利用者\目的 | 評価 | 自己学習・ 教育・研修 |
学術的 調査・研究 |
開発 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
OSS | プロプライエタリ | |||||
個人 | 非商用: 商用:※1 |
|||||
組織 | 官公庁 | |||||
教育機関 | ||||||
非営利団体 | ||||||
企業 |
※1 対価を貰うかどうかです。個人請負でも対価を貰えば商用目的と見なされます。
非商用に限定されています。私的な立場、つまり、個人使用が前提です。授業や研修であっても、組織内での使用はできません。商用利用の場合は、astash* UMLまたはastash* professionalの購入が必要です。
VNC Connect
ホームページ: https://www.realvnc.com/products/vnc/
ライセンス情報: Activate a Home subscription
RealVNC社のVNCサーバーです。無償で利用できるのはHomeのみで、機能が限定されています。VNCクライアントであるVNC Viewerは無償です。
利用者\目的 | 評価 | 自己学習・ 教育・研修 |
学術的 調査・研究 |
開発 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
OSS | プロプライエタリ | |||||
個人 | 30日間※1 | 非商用: 商用: |
||||
組織 | 官公庁 | |||||
教育機関 | ||||||
非営利団体 | ||||||
企業 |
※1 ProfessionalまたはEnterpriseに対しての評価になります。
Homeは非商用に限定されています。なお、個人使用といっても、「友人及び家族向けに」リモートアクセスを提供することは問題ありません。具体例が書いていませんでしたが、組織内での利用はいかなる場合もできないと思われます。商用利用の場合は、ProfessionalまたはEnterpriseの購入が必要です。
Docker Desktop
2021年8月31日から商用利用等が有料化。ただし、2022年1月31日までは猶予期間。
詳細は2月1日以降に書こうと思います。
まとめ
注意して欲しいのは、各ライセンスで「個人使用」や「商用目的」などの意味合いが異なる場合があると言うことです。各サイトの情報を確認してください。
上記ソフトについて、いくつかのサイトで「無償で利用できる」とのみ書かれている場合があります。しかし、実際は無償利用には制限があります。そのようなサイトはいい加減な情報を記載していると考えられるため、信頼性が低いサイトと見なした方がいいかと思われます。
その他、リストに追加して欲しいソフトウェアがあれば、コメントをいただけると幸いです。