背景
年末年始は奥さんの実家に帰省していました。
実家では電子機器の修理や設置をお願いされることが多く、これまでも万歩計を修理したり、Wi-fi環境を設置・設定したりしております。
そして今回、依頼されたのは 「コードレス電話機」 の設定でございました。
奥さんの実家は大きめの一軒家でして、2階の隅っこの部屋に設置してあるコードレス電話機の子機が、圏外になってしまうとのことでした。
Wi-fi環境は整備されていますので、こそに載せれば良いのかなと思ったんですが、 そもそもWi-fiを使っている空気を感じません…
意外に知らないコードレス電話機の仕組み
コードレス電話機の子機、Wi-fiを使っていなければ、モバイルネットワークに接続している感じでも無いんです。
これまでネットワークのことは何年もやってきましたが、コードレス電話機の通信のことは全く知らない分野でございました(笑)
DECT準拠方式
公式ホームページに、 「DECT準拠方式」 というものを使っているということが書かれていました。
DECT準拠方式の「通信技術」、「互換性」などについてご紹介します。
<通信技術>
■ 国内新無線方式「DECT準拠方式」とは
DECT準拠方式は、2011年3月に策定された新しいデジタルコードレス電話機の標準規格です。
DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)はETSI(欧州電気通信標準化機>構)の商標で、
世界で広く普及している無線通信方式のひとつです。
当社の製品はARIB(一般社団法人電波産業会)の標準規格「ARIB STD-T101」に準拠しています。
■ 2.4GHzコードレスとの違いはなにか
使用する周波数帯、通信方式が異なります。
■ 使用する周波数、通信方式は
1.9GHz帯の周波数を使用します。通信方式は、TDMA-WB(時分割多元接続方式)です。
<互換性>
■ DECT準拠方式であれば、どのメーカーの商品でも登録して使えるのか
2011年秋以降に発売する当社のDECT準拠方式採用新製品で、指定機種間でのみ登録して使えます。
■ Panasonicの旧機種デジタルコードレス電話の子機は増設できるのか
通信方式と通信手順が異なるため増設できません。
互換性については、下図を参考にしてください。
要は、コードレス電話機は、Wi-fiとは違う帯域を使っているので、Wi-fiとは別に整備する必要がありますよということでした。
中継機
2階の奥に繋ぐには 中継機 での増幅が必要でした。
ところが、DECT通信での中継機は、バッファローとか、IO DATAとか、そういう汎用品のメーカーでは取り扱いがありませんでした。
というのも DECT通信方式の暗号化のアルゴリズムは公開されておらず、各メーカーにしか分からないロジックとなっている ようです。
Wi-fiとはぜんぜん違う世界ですね。
なので、コードレス電話機が指定する中継機を買う必要があるようでした。
めちゃくちゃ高い!!!(笑)
ビックカメラですと多少安かったので、こちらで買って家の真ん中に設置し、解決しました。
まとめ
- コードレス電話機はDECT通信方式を利用して、1.9Hz帯で通信している
- DECT通信方式の暗号化の仕組みは各メーカーで非公開
- 中継機はメーカー指定のものを買う必要がある
年末年始から、役に立つのか立たないのか、面白い知識を知ることができました。