はじめに
・なぜ電磁界解析は「ブラックボックス」になりやすいのか
・ベクトル解析を理解していると何が“判断”できるのか
・解析が失敗する典型パターン(収束しない/結果が怪しい)
・CAEソフトが内部で何を解いているかの全体像
・PDE → 離散化 → 行列 → ソルバ → 結果、の流れ
・「数式が分かる」と「設計に使える」の間のギャップ
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第1章 電磁界解析で最低限必要なベクトル解析(使う分だけ)
1.1 なぜ grad / div / rot だけ分かればよいのか
・grad:電圧勾配=電界方向を読むため
・div:電荷・磁束の溜まりを見るため
・rot:誘導・渦電流・放射の有無を見るため
1.2 マクスウェル方程式を「解く対象」として読む
・どの式が時間発展を支配しているか
・どの式が制約条件(ガウス則)か
・数値的に破綻しやすい項
1.3 微分形式と積分形式の使い分け(実務的視点)
・差分法はどこを直接近似しているか
・FEM / BEM はどの積分形を使っているか
・境界条件が効いてくる場所
1.4 境界条件が解析結果を決める
・PEC / PMC を間違えると何が起こるか
・媒質境界での誤設定例
・「境界条件ミス」による典型的な誤結果
1.5 ポテンシャルで解く理由(実務向け)
・E, H を直接解かない方が安定なケース
・A–φ 定式化が有利な問題
・ゲージ未固定で行列が壊れる理由
・CAEが自動でやっていること/やっていないこと
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第2章 有限要素法(FEM)を「使える道具」にする
2.1 FEMが選ばれる実務ケース
・鉄芯・磁性体・非線形材料がある
・形状が複雑でFDTDが破綻する
・周波数固定・定常解析
2.2 弱形式を知らないと起きる問題
・境界条件が効かない
・結果がメッシュ依存になる
・エネルギーが保存されない
2.3 エッジ要素を使わないと起きる事故
・スプリアスモードの見分け方
・「解は出るが物理的におかしい」例
・なぜ電磁界だけ特殊要素が必要か
2.4 非線形解析の落とし穴
・磁気飽和で収束しない理由
・初期値依存性
・ステップ制御の考え方
2.5 力・トルク計算の実務
・応力テンソルの使い所
・体積積分 vs 表面積分の選択
・メッシュ粗さが力に与える影響
2.6 FEM結果の妥当性チェック
・エネルギーバランス
・境界フラックス確認
・メッシュ依存性試験
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第3章 FDM / FDTDを「時間領域解析の武器」にする
3.1 FDTDが強い実務分野
・アンテナ・放射・散乱
・広帯域・パルス応答
・EMC・ESD
3.2 格子設計が8割を決める
・λ/10ルールの実務的意味
・不均一格子の使いどころ
・計算時間と精度のトレードオフ
3.3 Yee格子を知らないと起きる不具合
・発散する解
・非物理的な振動
・数値発散の初期兆候
3.4 CFL条件を破ると何が起こるか
・即発散
・静かに壊れるケース
・時間刻み自動制御の注意点
3.5 境界処理の実務
・PMLが効かない典型例
・反射が消えない理由
・開放境界のチェック方法
3.6 FDTD結果の読み方
・時間波形のどこを見るか
・FFT変換の注意点
・ポスト処理での誤解
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第4章 BEM / MoM を「大規模開放問題」に使う
4.1 BEM / MoM を選ぶ判断基準
・開放空間
・薄い導体
・アンテナ・RCS
4.2 表面電流モデルの意味
・何を未知量にしているか
・電流分布の解釈方法
4.3 密行列の現実
・メモリが爆発する理由
・小規模と大規模の分水嶺
4.4 高速化アルゴリズムの実務的理解
・FMM / MLFMM が効く条件
・効かないケース
・近傍・遠方分離の感覚
4.5 精度と計算時間のバランス
・基底関数の選択
・周波数依存性
・数値ノイズの見分け方
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第5章 特殊境界・実務特有のテクニック
5.1 周期境界条件(PBC)
・メタマテリアル
・フェーズドアレイ
・単位セル解析の注意点
5.2 インピーダンス境界条件(IBC)
・薄膜・導電塗料
・フルモデリングしない判断
・有効範囲と限界
5.3 開放境界の扱い
・有限領域で無限空間を再現する
・手法ごとの最適解
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第6章 解析結果を「設計に使う」
6.1 電磁‐熱連成
・損失の取り方
・温度上昇の妥当性
6.2 電磁力と構造設計
・振動・騒音・信頼性
6.3 最適化・パラメータスタディ
・随伴法を使うべき場面
・総当たりが有効な場面
6.4 解析を信じてよいかの最終判断
・再現実験
・簡易モデルとの照合
・設計判断に使うライン