【2026年2月最新】OpenClaw を WSL2 にインストールする完全ガイド(トラブルシューティング付き)
はじめに
OpenClaw は、LLM(大規模言語モデル)をローカル環境に接続し、Telegram・WhatsApp・Discord などのメッセージングプラットフォームと連携できるセルフホスト型AIエージェントです。
Windows ではネイティブ実行は非推奨であり、WSL2(Ubuntu)が唯一の公式サポートパスです。
本記事では、WSL2 環境へのインストールから、よくあるエラーの解決まで、実際に動作確認済みの手順をまとめます。
動作要件
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| OS | Windows 10 / 11 |
| RAM | 4GB以上推奨(最低1GB) |
| Node.js | 22 以上(必須) |
| WSL | バージョン 2(必須) |
Step 1:WSL2 を有効化する
PowerShell を管理者として起動し、以下を実行します。
wsl --install
デフォルトで Ubuntu 24.04 がインストールされます。完了後、PCを再起動してください。
再起動後、スタートメニューから「Ubuntu」を起動し、ユーザー名とパスワードを設定します。
WSL バージョンの確認
wsl --list --verbose
VERSION が 1 の場合はアップグレードが必要です:
wsl --set-version Ubuntu 2
Step 2:Node.js 22 をインストールする(WSL Ubuntu 内)
以降のコマンドはすべて WSL Ubuntu のターミナル内で実行してください。
プロンプトが username@...:~$ であることを確認してください(PS C:\... は PowerShell なので NG)。
nvm(Node Version Manager)を使うのが推奨です:
# nvm をインストール
curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.40.1/install.sh | bash
source ~/.bashrc
# Node.js 22 をインストール
nvm install 22
nvm use 22
# バージョン確認(v22.x.x であればOK)
node --version
Step 3:OpenClaw をインストールする
npm install -g openclaw@latest
バージョンを確認:
openclaw --version
Step 4:オンボーディング(初期設定)
openclaw onboard --install-daemon
--install-daemon フラグにより、OpenClaw が systemd のバックグラウンドサービスとして登録され、OS再起動後も常駐します。
ウィザードでは以下を設定します:
- セキュリティ警告の確認
-
Config handling →
Update valuesを選択 - Model/auth provider → 使いたい LLM プロバイダーを選択
- API キーの入力
- Gateway サービスの選択
主要な LLM プロバイダーと API キー取得先
| プロバイダー | API キー取得先 |
|---|---|
| Anthropic(Claude) | https://console.anthropic.com/ |
| OpenAI(GPT) | https://platform.openai.com/api-keys |
| Google(Gemini) | https://aistudio.google.com/apikey |
API キーには課金が必要なプロバイダーもあります。残高不足だとメッセージを送っても応答がありません。
Step 5:API キーが正しいか確認する
モデル設定の確認:
openclaw models status
設定ファイル内のモデル情報を確認:
cat ~/.openclaw/openclaw.json | grep -A 5 -i model
何も表示されない場合、モデルが未設定です。 Step 4 のオンボーディングをやり直してください。
curl で直接 API キーをテストする
Anthropic(Claude)の場合:
curl https://api.anthropic.com/v1/messages \
-H "x-api-key: ここにAPIキーを貼る" \
-H "anthropic-version: 2023-06-01" \
-H "content-type: application/json" \
-d '{"model":"claude-sonnet-4-20250514","max_tokens":10,"messages":[{"role":"user","content":"hi"}]}'
OpenAI(GPT)の場合:
curl https://api.openai.com/v1/chat/completions \
-H "Authorization: Bearer ここにAPIキーを貼る" \
-H "content-type: application/json" \
-d '{"model":"gpt-4o-mini","max_tokens":10,"messages":[{"role":"user","content":"hi"}]}'
結果の見方:
| レスポンス | 意味 |
|---|---|
| JSON で応答が返る | ✅ 正常 |
401 Unauthorized |
❌ API キーが無効 |
429 Rate limit |
⚠️ 利用制限に到達 |
insufficient_quota |
❌ 残高不足(課金が必要) |
Step 6:ダッシュボード(Web UI)にアクセスする
ここが最もハマりやすいポイントです。
❌ よくある失敗
ブラウザで http://127.0.0.1:18789 を開くと、以下のエラーが表示されます:
disconnected (1008): unauthorized: gateway token missing
(open the dashboard URL and paste the token in Control UI settings)
✅ 正しいアクセス方法
トークン付きの URL でアクセスする必要があります。
openclaw dashboard --no-open
このコマンドで、トークンが付与された URL が出力されます:
http://127.0.0.1:18789/?token=xxxxxxxxxxxxxxxx
この URL をそのまま Windows 側のブラウザ(Chrome 等)にコピー&ペーストしてアクセスしてください。
トークンを手動で確認する方法
grep -i token ~/.openclaw/openclaw.json
出力されたトークンを使って、以下の形式でブラウザにアクセスします:
http://127.0.0.1:18789/?token=ここにトークンを貼る
トークンの再生成
それでもダメな場合:
openclaw doctor --generate-gateway-token
エラーメッセージ内の「Control UI settings」は実際には存在しません(GitHub Issue #2032)。トークン入力欄は Overview → Gateway Access にあります。
Step 7:動作確認
ダッシュボードにアクセスできたら、チャット欄にメッセージを入力して送信します。
応答がない場合は、以下をチェックしてください:
① Gateway のログを確認
openclaw logs --follow
この状態でメッセージを送り、エラーが出るか確認します。Ctrl+C で終了。
② 全体の状態を確認
openclaw status --all
③ 診断を実行
openclaw doctor
④ モデル設定をやり直す
openclaw onboard
→ Update values を選択 → プロバイダーと API キーを再設定 → Gateway 再起動:
openclaw gateway restart
ターミナル UI で動作確認する(ブラウザ不要)
ブラウザに依存せず、ターミナル上で直接対話もできます:
openclaw tui
Gateway 自体が正常に動いているかの切り分けに便利です。
トラブルシューティングまとめ
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
1008: gateway token missing |
トークンなしで URL にアクセス |
openclaw dashboard --no-open で取得した URL を使う |
| メッセージに応答がない | モデル/API キー未設定 |
openclaw models status で確認 → openclaw onboard で再設定 |
401 Unauthorized(ログ内) |
API キーが無効 | curl で直接テスト → キーを再取得 |
insufficient_quota |
プロバイダーの残高不足 | プロバイダーサイトで課金 |
| Gateway が起動しない | ポート競合 |
sudo lsof -i :18789 で確認 → 古いプロセスを停止 |
| コマンドが見つからない | PowerShell で実行している | WSL Ubuntu ターミナル内で実行する |
注意事項
OpenClaw はまだベータ段階のプロジェクトです。ツールを有効にするとファイルの読み書きやシェルコマンドの実行が可能になります。セキュリティリスクを理解した上で使用してください。
- Bun は WSL2 では非推奨です。WhatsApp・Telegram との互換性問題があるため、Node.js を使ってください。
- Tailscale がオフであれば、ネットワーク関連の問題は基本的に発生しません。Tailscale がオンの場合、Gateway が
127.0.0.1ではなく Tailscale の IP にバインドされる既知の問題があります。 - 設定ファイルは
~/.openclaw/openclaw.jsonに保存されています。
<重要>
OpenClawでAnthropicモデルを使う:setup-tokenの設定方法
概要
OpenClawでAnthropicのモデル(Claude Opus、Sonnet等)を利用する場合、通常のAPIキー(sk-ant-api03-*)ではなく、セットアップトークン(sk-ant-oat01-*)が必要です。
これはClaude Pro/Maxサブスクリプションの認証トークンで、claude CLI(Claude Code)を使って発行します。
前提条件
- Claude Pro または Max のサブスクリプションに加入していること
- Node.js(v18以上)がインストール済みであること
手順
1. Claude Code(claude CLI)のインストール
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
2. セットアップトークンの発行
claude setup-token
ブラウザが開いて認証を求められます。ログイン後、sk-ant-oat01-* 形式のトークンが発行されます。
3. OpenClawにトークンを設定
以下のいずれかのコマンドでトークンをOpenClawに登録します。
# 対話形式で設定
openclaw models auth setup-token --provider anthropic
# または、トークンを直接貼り付け
openclaw models auth paste-token --provider anthropic
4. 設定の確認
openclaw models status
正常に設定されていれば、Anthropicモデルが利用可能として表示されます。
なぜAPIキー(sk-ant-api03-*)ではだめなのか?
OpenClawはAnthropicのサブスクリプション認証(OAuth系)を使用しており、通常のAPI課金用キー(sk-ant-api03-*)とは認証方式が異なります。
| キー形式 | 用途 | OpenClawで使えるか |
|---|---|---|
sk-ant-api03-* |
API直接利用(従量課金) | ❌ |
sk-ant-oat01-* |
サブスクリプション認証トークン | ✅ |
トークンの有効期限
セットアップトークンには有効期限があります。期限切れの場合は、再度 claude setup-token を実行してトークンを再発行し、OpenClawに再登録してください。
トラブルシューティング
claude コマンドが見つからない
# Node.jsのパスを確認
which node
# グローバルインストールを再実行
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
トークン設定後もモデルが使えない
# OpenClawを再起動
openclaw gateway restart
# ステータスを再確認
openclaw models status
複数アカウントを使い分けたい場合
OpenClawは複数の認証プロファイルに対応しています。詳細はOpenClaw公式ドキュメントを参照してください。