はじめに
RubyKaigi2026に参加しました。
引き続き3日目のセッションレポートです。
1日目、2日目のレポートも公開していますのでこちらもよろしくお願いします![]()
参加したセッション
Ruby Committers and the World
Rubyコミッターによるパネルディスカッションです。
「AIの利用頻度と使い方」に関しては去年のRubyKaigiでは活用されている方は少ない印象をうけた記憶がありますが、コミッターや聴衆でもAIを何かしらの形で使っている方が多数派のようでした。とはいえ、「AIにコード書かせたとしてもコードの品質を担保するのは自分自身である」という意見には大いに同意でした。
また「Matzが引退した後のコミュニティ体制」についても話題に上がっていましたが、Matzから「AI Matzを作って後を継がせてもいいかも」と冗談めかして言っていたのが印象的でした![]()
The Less-Told Story of Socket Timeouts
https://rubykaigi.org/2026/presentations/coe401_
Socket.tcpとTCPSocket.newにおけるタイムアウト設定に関するパラメータ(connect_timeout、resolv_timeout、open_timeout)の変遷を過去のチケットやPRを追いながら解説していく内容でした。
正直これらパラメータの違いについては自分自身あまりよくわかっていなかったのですが、4.0のリリースまでにそのときの必要に応じて順次追加されていったであろう様子がひしひしと伝わってきました。
そういった経緯のためか「SocketクラスとTCPSocketクラスで挙動の異なるパラメータが存在していた」というのが目から鱗でした。もちろん意図的にこうなったものではないとは思いますが、自分のプロダクトでやらかさないようにしたいですね![]()
Smalruby: Visualizing Ruby with Bidirectional Transpiration
ScratchをベースにブロックとRubyコードへの相互変換機能を搭載したビジュアルプログラミング言語Smalrubyに関してのお話でした。
「自由度の高いRubyコードをScratchのブロックにどのように落とし込むのか」、「再変換したときに元々のコードを維持されているか」についての解決手法は興味深かったです。
またRubyコードに日本語のふりがな(ルビ)を振る機能や共通一次試験で用いられるDNCL(共通テスト手順記述標準言語)への変換機能も備えており、次世代のRubyistを生み出す地盤としてより発展していってほしいな、と思いました。
Ruby on NES - how to make the smallest ruby ever
NES(ファミコン)でrubyプログラムを動かそうとする取り組みについてのお話でした。
RAMが2KBしかなくmruby/cも動かせない環境であるため「mrubyのバイトコードを実行するVMを作って動かす」というアプローチで実装しており、デモとして動いているのをみた時には感動すら覚えました。
・・・しかしセガマスターシステム上でRubyを動かしてみたり、DoomをRuby環境で動かしてみたりと限られた環境下で動かそうとする取り組みってRubyに限らず色んなコミュニティでありますよね・・・個人的には非常に興味ある分野なので面白そうだと思っていますが![]()
Matz Keynote(MeetSpinel)
RubyのAOTコンパイラとして開発中のSpinel1についてのお話でした。
基本的なプログラムやベンチマークプログラムをコンパイル・実行するデモを見て、ついにrubyもセルフホスティング言語になるのか、というある種の感慨を覚えました。まだrequireなど未実装な部分もあるとのことなので今後の展望にも期待したいですね。
またSpinelはClaudeCodeを利用して開発を進めており1ヶ月ちょっとでここまでのものができた、とのこと。それぐらいの短期間である程度形にできるとなると、AIによって良くも悪くも開発体験が大きく変わってきているんだなと改めて気付かされますね💦
来年のRubyKaigi2027は宮崎開催!
おわりに
移動日には飛行機の欠航が相次ぎ、その前日には地震もあり・・・と先行き不安な部分もありましたが無事にイベントも終わって一安心です。今年もdrinkupや企業ブースなどで色んな会社さんのエンジニアとお話できたのは非常に良い経験でした。
去年と比べて大きく変わったと思うのはやはりAIを使った開発がより一般的になってきた、というところでしょうか。Day1のセッションレポートでも同じようなことは言いましたが、パネルディスカッションの内容を見てもAIを使っていないエンジニアの方が少数派になってきているようです2。
ここ1年はAIが実務に耐えられるレベルにまで進歩しており、AIとエンジニアの関係も「主従」の関係というよりは「お互いを支え合うパートナー同士」になってきたなとしみじみ思います。ただAIに書いてもらったコードをコミットする際は自らがそのコードに責任を持たなければならない、ということは忘れないようにしたいです。
来年の宮崎開催も是非参加したいと思いますので、よろしくお願いします!

