この文章について
ある経緯で、アマチュア無線を始めることにしました。経緯については気が向いたら書くかもしれません。
本記事は以下の内容を含みます。
- 免許の種類と取り方、おすすめの免許
他に、気が向いたら書こうかなと思っている内容もありますが、これはまた後日。
- 周波数帯(いわゆるバンド)ごとの特徴
- 初めての機材選び
- 無線機以外に必要なもの
- JARLという組織について
- アマチュア無線の楽しみ方
なお、筆者は本記事執筆時点で従免(後述)の申請中段階のため、電波を発射できません。開局準備を進めている途中ですが、その過程にもおそらくこれからアマチュア無線を始める方にとって役に立つ情報があるはずだと思い、記事化します。と言いつつ半分自分用の備忘録です。
では早速本題へ進みます。
免許の種類と取り方、おすすめの免許
アマチュア無線局として電波を発射するためには免許が必要です。免許なく電波を発射すると法律により罰せられます。理由は、免許試験を取られる方ならその過程で勉強するはずなので割愛します。
2種類の免許
アマチュア無線使用に関係する免許には大きくわけて以下の2種類あり、開局(電波を出す)には両方必要です。
- 無線従事者免許(従免)
いわゆる「従免」と呼ばれる免許資格で、4級アマチュア無線技士〜1級アマチュア無線技士の4種別があります。免許されると、「免許証」が発行されるので、無線局運用時は必ず携帯しましょう。ただし、従免だけではまだ電波の発射はできません。 - 無線局免許(局免)
いわゆる「局免」と呼ばれる免許で、「従免」を持っている技士が「無線設備」を用意の上総務省に申請して得ます。無線設備の仕様等の情報を記載して申請し、開局基準を満たしている場合免許されます。免許されると「免許状」が発行されるので、無線設備の設置場所もしくは常置場所に保管しましょう。免許状にはコールサイン(無線局ごとに割り当てられる呼出符号)が記載されています。
なお、免許の取得順序は現時点で「従免」→「局免」と順番に取る必要があり、それぞれ申請から1ヶ月程度のリードタイムがあります。そのため開局にはトータルで最低2ヶ月程度のリードタイムが必要です。ただし、2023年9月25日以降は制度が変更になり、「従免」と「局免」の申請を同時にできるようになるとのことです(ソース)。
アマチュア無線技士資格の4種別
「従免」には4つの種別があり、以下のようにそれぞれ許可される操作範囲、難易度、受験方法が異なります。
※ 免責事項: 初心者向けに概略を解説することを趣旨とする本記事では操作範囲の詳細や正確性を保証しないので、正確な情報が必要な場合は必ず総務省の公開情報及び電波法令を参照してください。
種別 | 操作範囲の概略 |
---|---|
第一級アマチュア無線技士(略称: 1アマ) | アマチュア無線局としてのすべての操作 |
第二級アマチュア無線技士(略称: 2アマ) | 送信出力上限200W |
第三級アマチュア無線技士(略称: 3アマ) | 送信出力50W(ただし8〜18MHzは使用NG) |
第四級アマチュア無線技士(略称: 4アマ) | 〜8MHz, 21MHz〜30MHzは上限10W, 30MHz〜は上限20W, モールス信号はNG |
要は、大出力(=他の人に迷惑かけやすい)の操作をするには、より高度な技師資格を取得する必要があります。
3級、4級あたりは操作範囲が細かくてややこしいんですが、(技適マークのある)「4アマ用の市販無線機」とか「3アマ用の市販無線機」を買えばそもそもNG操作ができない仕様になっているのでご安心ください。
これから資格を取る初心者におすすめなのは3アマ
アマチュア無線技士資格は、ステップを踏まなくても飛び級的に受験できます。極端な話、いきなり1級受験も可能なのですが、これから資格を取る方におすすめなのは4級を飛ばして3級の受験です。
理由は、以下のとおりです。
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受験方法の気軽さ
4級と3級は地域のCBTテストセンター(パソコン教室みたいな施設)でサクッと受験して帰ってこれます。申込みもオンラインですぐできるので、受験の手続きがとても簡単です。 -
試験難易度の差があまりない
4級になくて3級にある試験範囲の差分は、国際法規とモールス符号だけです。これらもそんなに難しいものではないので、後述するメリットを享受するためにほんの少しだけ頑張って飛び級してしまうのが吉。 -
操作範囲の拡大により選べる無線機が増えるメリット
残念ながら、今はこれから始めるアマチュア無線家にとってさほど良い時代ではありません。簡単に言うと、初心者におすすめできる無線機がとても少ないです(個人の見解です)。これが4級となると、元々少ない無線機の選択肢が送信出力の制限により更に狭まってしまうため、機材選びが難しくなってしまいます。少しでも制限を緩和するために、50W機まで選択可能な3級の取得がおすすめです。機材選びについてはまた後日気が向いたら記事を書こうと思っています。
受験方法
1級と2級については、受験方法が3級以下と異なる上にあまり調査していないのでここでは説明しません。
一般人が3級, 4級の従免を取るには大きく分けて2つの方法があるようです。1つ目は1〜2日の期間の「養成課程を修了する」方法、2つめは国家試験に合格する方法です。自動車運転免許の「自動車学校通い」と「一発試験」の違いみたいなものですね。
アマチュア無線の場合、国家試験(一発試験)に合格するのは難しくないので、こちらがおすすめです。試験内容も、常識的なモラルと高校物理程度の工学の知識があればさほど苦労しないです。ひたすら過去問を解くだけで合格できると思います。国家試験と言っても、実際には「Webで受験予約」し、地域のテストセンターでパソコンに向かって「CBT方式のテストを受ける」ぐらいの気軽さです。私はこの方法で受験しました。受験当日以外はすべてオンラインで予約→結果通知まで完結します。
「養成課程を修了する」方法は経験がないのでわからないのですが、おそらく「重要なポイント」をしっかりと教えてくれるので事前知識が少なくても取りやすい方法なのではないかと想像しています。ただ、この方法だと飛び級受験ができないとかだったと思うので注意が必要です。
まとめ
読んでくださってありがとうございます。Web系の人(筆者自身もそう)がほしいようなアマチュア無線の入門情報が乏しいなと思ったのでとりあえず書いてみました。気が向いたら他のトピックについても書きます。