目次
初めに
2026年2月に開催されたE資格に合格しました。
この記事は合格体験記...だけでなく
「過去の統計データ」と「試験本番の体感」を掛け合わせ、ブラックボックスである『合格最低点』を統計学的に推測しています。
E資格は各科目の平均点こそ公開されますが、以下の情報は非公開という「不親切な試験」でもあります。
- 合格ボーダーは何点なのか?
- 各分野の配点比率はどうなっているのか?
「AIの専門家になりたい」という方はもちろん、「転職や社内評価のために、多忙な中で最短ルートの合格を掴み取りたい」 という方にとっても、指標となるデータを提供できると考えています。
統計的なアプローチによるボーダーの算出に加え、効率的な学習スケジュールや教材についても詳しく記載します。皆様の受験戦略の一助となれば幸いです。
結論
- ボーダーは得点率56%~58%が有力
- 出題傾向は『数学 : ML : DL : 開発 = 2.5 : 2 : 5 : 0.5』
- 各教材にて8割を安定して取れるようになると本試で7割取れるため安定して合格できそう
本試を受けた感想
E資格の本番は120分で104問。1問あたり約70秒というスピード感が求められます。
試験終了ボタンを押す直前、私は自分の手応えを冷静に振り返るため、「見直しフラグ」 の数を数えました。
- フラグなし(自信あり): 62問
- フラグあり(自信なし): 42問
直感的な手応えは「7割前後、最悪でも6割は固いか?」というライン。
しかし、高額な受験料とこれまでの努力を考えると、その「直感」だけでは不安で夜も眠れません。
そこで、試験後に「正解数の期待値」を以下のロジックで算出しました。
| 回答状況 | 数 | 正解率予想 | 正解数期待値 |
|---|---|---|---|
| フラグなし | 62問 | 90% | 55.8問 |
| フラグあり・2択まで絞った | 20問 | 50% | 10問 |
| フラグあり・自信なし | 22問 | 25% | 5.5問 |
| 合計 | 104問 | - | 71.3問(得点率68.6%) |
算出された期待値は 68.6%。
「ボーダーが7割だったら落ちる…」という恐怖に震えながら結果を待ちましたが、蓋を開けてみれば得点率約75%で合格。期待値よりも上振れてくれたおかげで、無事に生還することができました。
出題傾向:数学の重みが「命運」を分ける
実際に受けてみて感じた科目ごとの体感ウェイトは以下の通りです。
『数学:ML:DL:開発 = 2.5:2:5:0.5』
深層学習(DL)が配点の柱であることは予想通りでしたが、「思った以上に数学が重い」 というのが正直な感想です。
「DLさえ固めればなんとかなる」と高を括っていると、数学が原因で試験に落ちる可能性が高いです。
これから受験される方は、応用数学を「捨て科目」にせず、確実に得点源にすることをおすすめします。
勉強方法と勉強時間
次は勉強方法と勉強時間の共有です。
使用教材は下記3つ
-
深層学習教科書 ディープラーニング E資格(エンジニア)精選問題集
- いわゆる白本。メイン教材。
-
徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版 (徹底攻略シリーズ)
- いわゆる黒本。最初メインに据えようとしたがシラバス変更に追いついていないという口コミを見て白本に切り替えた。
-
Python×数学×演習で本質から理解し、現場で活きるAI・深層学習スキルを深めるE資格対策講座
- 受験資格を獲得できるUdemy講座。安く受験資格を取得できる。
メインは白本で、模擬試験として黒本、Udemyの模試を利用していました。
勉強順と期間の目安は下記のようになります。
- Udemy講座視聴(4か月)
- Udemy試験受験(半日)
- 白本1周目(2週間)
- 白本2週目(2週間)
- 白本模試(1週間)
- Udemy模試(2日)
- 白本模試(1日)
- 黒本模試(半日)
- Udemy模試(半日)
- 白本分からない章復習(1週間)
- 白本模試(半日)
E資格を受験しようと決めてから半年前後勉強していた形となります。
おそらく総勉強時間は200時間から300時間程度。
Udemyは動画形式で各単元ごとに説明してくれる講義スタイルで、合計28時間くらいの講座です。
4カ月もかかったのはAIエージェント開発やAWSの資格勉強と並行していたのと、
動画内容をすべて覚えようとしていたからです。
結果この期間はなくていいなと思っているので、効率的な勉強方法をまとめていきます。
効果的な勉強方法
やることは1つ。
『白本の各単元において安定して8割を取れるまで理解すること』

各単元を3周すれば8割程度取れる理解度になっていくので、集中して回せば1カ月で合格できると感じています。
動画教材に関しては、出題範囲の全体像を把握するために使うのがいいと考えています。
細かい理解は問題を解く中で培えるので、倍速で動画を回しざっくり試験の範囲を把握してください。
問題を解いていて何も分からない、となった場合に動画を細かく見る、という使い方で問題ないと思っています。
あとは白本、Udemyの模試を2週ずつ回せば合格できると思います。
黒本は細かい数式を問われることが多く蛇足かなと感じていますが、本試では数式を問う問題もあったため、余裕がある場合に手を出せばいい程度にとどまると感じています。
この方法をとると、2カ月前後で試験合格が達成可能と考えていますが、
出題範囲の広さ、要求される理解度の深さ、各問題の難易度の高さなどを考慮すると3~6カ月前から準備することをオススメします。
ボーダーの推定
ここからが本記事の主題です。
E資格は平均点こそ公開されるものの、合格最低点は毎回異なり、相対評価を経て出されるため非公開です。
一般的な試験と違いボーダーが不透明なため、どこまで勉強すればいいかの基準がわかりづらく、不確実性が高いまま試験に臨む必要があります。
そこで、過去の平均点と合格最低点、出題傾向を踏まえて合格最低点を予測して見ました。
算出の流れは下記のようになります。
- 平均点に出題傾向を重みとしてかけることで全体の平均得点率を算出
- 合格最低点を用いて平均点から何パーセント下がボーダーか算出
全体平均得点率の算出
別になくても問題ないのですが、E資格らしいかなと思ったので数式を考えてみました。
それが下記。
$$
S_total = 0.25S_数 + 0.2S_機 + 0.5S_深 + 0.05S_開
$$
体感として『数学:ML:DL:開発 = 2.5:2:5:0.5』の割合で出題されていたので、
過去平均点に重みとしてかけて平均得点率を算出しています。
こちらで公表されている分野別平均得点率を参照して出した推測値が下記のようになります。
| 開催回 | 応用数学 | 機械学習 | 深層学習 | 開発環境 | 加重平均(推定) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026 #1 | 60.48% | 59.91% | 60.74% | 79.46% | 61.44% |
| 2025 #2 | 53.52% | 69.23% | 61.50% | 79.62% | 61.96% |
| 2025 #1 | 61.14% | 62.15% | 57.71% | 68.74% | 60.01% |
| 2024 #2 | 59.89% | 58.07% | 56.03% | 68.50% | 58.03% |
| 2024 #1 | 58.90% | 66.16% | 61.17% | 63.26% | 61.70% |
| 2023 #2 | 67.79% | 61.56% | 61.21% | 49.66% | 62.35% |
| 2023 #1 | 67.15% | 65.79% | 62.31% | 59.90% | 64.10% |
| 2022 #2 | 61.67% | 66.72% | 59.92% | 64.55% | 61.95% |
| 2022 #1 | 63.41% | 67.59% | 63.97% | 66.68% | 64.69% |
| 2021 #2 | 67.16% | 73.49% | 63.84% | 66.54% | 66.73% |
平均点は大まかに60%~65%程度という結果になりました。
シラバス変更や毎年の出題率が異なるため正確な数値でないものの、傾向として6割超えるか超えないかを平均点にするよう作られていそうです。
合格最低点の算出
ここから合格最低点を推測していきます。
算出方法は合格率からE資格の出題範囲でもあるガウス分布を使用して計算します。
利用式は下記。
$$
x = μ + (Z × σ)
$$
xが最低得点率、μが平均得点率、ZがZスコア、σが標準偏差。
Zスコアとは平均からどれくらい離れていいかを図る物差しです。
もちろん標準偏差なんて公開されていないものの、一般的な得点分布では10~15%程度に収まることが多いです。
受験条件として講座受験があるE資格では、受験者の質が高いことを考慮して10%と仮定しています。
公表されている合格率を利用して計算することによってボーダーが割り出せて、その結果が下記のようになります。
| 開催回 | 加重平均 (μ) | 合格率 (p) | Zスコア | 推定ボーダー (x) |
|---|---|---|---|---|
| 2026 #1 | 61.45% | 69.17% | -0.501 | 56.44% |
| 2025 #2 | 61.96% | 70.26% | -0.532 | 56.64% |
| 2025 #1 | 60.01% | 68.26% | -0.475 | 55.26% |
| 2024 #2 | 58.03% | 66.23% | -0.419 | 53.84% |
| 2024 #1 | 61.71% | 72.61% | -0.601 | 55.70% |
| 2023 #2 | 62.35% | 68.45% | -0.480 | 57.55% |
| 2023 #1 | 64.10% | 72.57% | -0.600 | 58.10% |
| 2022 #2 | 61.95% | 71.79% | -0.577 | 56.18% |
| 2022 #1 | 64.69% | 74.00% | -0.643 | 58.26% |
| 2021 #2 | 66.74% | 74.53% | -0.660 | 60.14% |
以上より、E資格の合格最低得点率は56%~58%前後といえるでしょう。
合格率は7割前後をキープするように作られているため、出来が悪いと思っても合格する確率は割と高い試験だと考察できます。
Xで調べてみると下記のように正答率56%台で合格している人がいるため、一定妥当な推論なのではないかと考えています。
https://x.com/kuiiex0euuhmpeo/status/2032295446333575497?s=43&t=D2ITkd_GWC8IUMz2FwbJtw
得点率56.1%の合格者
https://x.com/neighbour_y4/status/2032315841673560383?s=43&t=D2ITkd_GWC8IUMz2FwbJtw
得点率56.25%の合格者
とはいえ、最低点が平均点によって上下する設計なため、他人の点数に左右されず絶対に合格できる点を取ることを目指したほうがいいと思うので、7割を取れるよう勉強することをオススメします。
まとめ
E資格はAI系資格の中で最も難しい資格です。
(AI検定S級のほうが難しいとAI検定側は言っていますがA級受けた感じそんなことは全くないと個人的には思っています。)
合格率は非常に高いので簡単に受かると思いがちですが、受験するには指定有料講座を受験しなければならないこともあり、受験する人はみな優秀な方です。
ちゃんと勉強した人の中で3割も落ちる試験、と考えると非常に厳しい試験といえるので、しっかりと準備して望んでいただければと思います。
その際にこの記事を思い出し、勉強方法やボーダーを参考にしていただけますと幸いです。
