2026年10月16日に開催された、「JSTQB カンファレンス in 2026 Autumn」に参加しました。
イベントページ:JSTQB カンファレンス in 2026 Autumn
参加目的
私はJSTQB FLを取得しており、現在はQAエンジニアを目指して新卒就職活動をしています。今回は、次の3点を学びたくて参加しました。
- 資格認定を運営するJSTQBや現場のエンジニアが、AI時代のQAの役割や品質保証をどう捉えているのか
- AWSのエンジニアによるAI駆動開発の具体的な実践や、国際的なテスト技術の動向
- これからのQA組織のあり方や求められるスキル、開発者との協働について
JSTQB主催の場で、テストのプロセスや職種のあり方まで、かなり踏み込んだ議論が交わされていたのが面白かったです。
人間がボトルネックになる
- AIがコードを速く生成しても、人間の判断やレビュー待ちが長ければ、開発全体の時間短縮は限られます。
- パネルでは、個々の作業の効率化に加えて、チームの意思決定やレビューの進め方も見直す必要がある、という話がありました。
この課題へのアプローチとして紹介されたのが、AWSのAI-DLCです。
AI-DLC(AI駆動開発ライフサイクル)
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AIが開発全体を進め、人間が判断・検証・監督を担う開発手法。
AIが計画を立て、必要な作業を整理し、システムの設計などを提案します。人間はその内容が目的に合っているかを確認し、意思決定に責任を持ちます。 - 従来の作業の一部をAIが手伝う「AI 支援型 (AI-Assisted)」とも、AI が自律的にソフトウェアを作る「AI 管理型 (AI-Managed)」とも異なります。AI-DLC では、AI が開発を主導し、人間が判断・監督する役割分担を重視します。
出典: AI 駆動開発ライフサイクル(AI-Driven Development Lifecycle, AI-DLC) の概要
テストレベルやテストプロセスは再定義されるのでは?
AI駆動開発を前提に、テストレベルやテストプロセスも見直す必要があるのではないか、という問題提起がありました。
- AIが実装や検証を進め、人間が監督する開発に、従来の工程区分をそのまま当てはめる必要があるのか?
- 単体テストや結合テストといったテストレベルを、AI駆動開発でも同じように定義する必要はないのかも?
- もうプロセスからAIに寄せていくという再定義、という時代が来るのかも
- ただ、テストというアクティビティがなくなることは絶対ない。ただ、それをどのようなプロセスとして組み立てるかは変わりうる
品質保証の営みは、未来永劫消えることはない
- 人間にとっての価値を確かめる品質保証の営みは残る。
- 目的は良い製品を届けること。
その重要なファクターとして品質がある。で、その品質は人間にとっての価値であり、それを保証するのは人間にしかできないことだから。
テストエンジニア、QAエンジニアという職種はなくなるのでは?
一方で、「テストエンジニア、QAエンジニアという職種はなくなるのではないか」、という意見もありました。JSTQBカンファレンスでこの話が出ることに、正直驚きました。
背景にあったのは、AIによって職種を越えて関われる仕事が増える、という見方です。
- 開発者もテストができる時代になった。AIでユニットテストやE2Eテストを作りやすくなった。
- 逆もある。QAやテストエンジニアも開発ができる。「テストエンジニアは開発をやっちゃいけない、という空気が今までありませんでしたか? 第三者的な、触れちゃいけない何かみたいな…
→ それは言い訳にすぎず、もう誰でもできちゃう。例えばインフラやったことなくても、AIに聞けば手段としての答えが出るから、知らない、やったことない、でみんな言い訳できない。 - だから、エンジニアというロールが一つあって、そこにテストが得意な人、開発が得意な人がいる形になるのではないか。
- 要は「どう作るかを考える人」と「何を作るかを決める人」の、2種類にしかならないのでは?という話もありました。
普遍的に変わらないことを守るために、どんどん変わっていこう
- 品質保証というロールは、全業種の中でも相当重要な部類になるが、その関わり方を固定する必要はない、というメッセージも印象的でした。
- 例えば、次のような関わり方が挙げられていました。
- 自分でもコードを書いてみる
- ユニットテストを作成したり、レビューしたりする
- ミューテーションを使って、ユニットテストの質を調べてみよう
- そういった普遍的に変わらないことを守るために、テストエンジニアという枠にとらわれず、誰よりも変わっていこう、この時代に追随していこう、とやり方を変えていく姿勢が今後必要になる
エンジニアに大切にしてほしいこと
「デベロッパーと仲良くしてあげてください!!」
特に心に残った、AWSエンジニアの金森さんからQAに向けた言葉です。
モブワークでは、QAがいるとチームの安心感が全然違うそうです。「口の悪い開発者もいるかもしれないけど、怖いと思わず仲良くしてあげて。モブワークに積極的に参加してほしい」と仰っていました。こういった言葉を開発者側から聞けて、QAを目指す私も心強く感じました。
感想
- カンファレンスへの参加は今回が初めてで、長時間の議論に最後までついていけるか少し不安でした。でも、QAに精通した方々の白熱した議論が面白く、あっという間に終わってしまいました。
- SNSで文章として読む議論とはまた違い、その場で意見が交わされ、話が深まっていく様子を聞けたのが新鮮ですごく面白く楽しかったです。次回も参加したい。
- 「QAの技術は廃れない」「QAは未来永劫残る」という言葉に安心しつつ、「QAエンジニアという職種がなくなるのでは」という言葉にはひやっとしました。QAを目指す今、「良い製品を届ける」という目的を持ち続けながら、職能の枠にとらわれず自分が関われる範囲を広げて挑戦していきたいです。
- また、金森さんが紹介されていたAI-DLCにもとても興味が湧きました。AWS Skill Builderで日本語版の学習コースが公開されているなので、受講して理解を深めたいです。学んだ内容は、また記事にまとめようと思います。
- 興味のある方はぜひこちらも見てみてください:)