AIが小説を書く時代が来た。九段理恵さんが95%をAIで執筆したニュースが記憶に新しいところである。
とはいえ、実際にやってみないと分からないことが多い。
昔からアニメ、漫画、ラノベが大好きな筆者は「いつか自分でも物語を書いてみたいな」と思っていた。
そこで一念発起し、執筆活動を始めてみたのである。
ここからは、ChatGPTと一緒に、小説(なろう系)を実際に制作してみた体験をもとに感じた AI小説の現実 をまとめてみた。
1. 時系列を理解してくれない
朝のシーンを書いているのに、途中で昼になっていたり、日没していたりする。
AIは文脈をつなぐのが得意でも、「時間の流れ」 を自然に保つのはまだ難しいようだ。
朝焼けの風景を描いても、次の段落ではなぜか星空になっていたりする。
一文一文は上手でも、「地続きの一日」 を描くには人間の修正が欠かせなかった。
2. 数を理解しない
登場人物が3人いても、AIの頭の中では時々2人になったり、4人になったりする。
傘を1本しか持っていないのに、全員が濡れずに帰る――そんな奇跡が平然と起きる。
論理的な整合性より 「雰囲気」 を優先してくるあたり、かなりのご都合主義である。
3. 場所を理解しない
登校シーンのはずが、いつの間にか帰宅している。昇降口にいたはずが、次の瞬間には自宅のリビング。
AIは 「場所を固定して描く」 という意識が弱く、物語の “地理” を管理するのが苦手なようだ。
人間がシーンの位置関係を常に監督しないと、読者が迷子になる。
4. 長文が出力できない
AIには 「一度に出せる文字数の上限」 がある。
ChatGPTの場合、おおよそ1,000文字前後で一度の生成が途切れるため、大作をいきなり書かせるよりも “短く正確に書かせて、あとでつなげる” のが成功の鍵だった。
(※)推論モードに入るとかなりの長文を出力したりします。
「原稿の誤字脱字を確認して、修正版を全文出力して」とコピペしても、出力の上限に引っかかって重要なシーンがカットされたりする。
この点にはかなり苦労させられた。
対策としては、「修正箇所だけピックアップして」と指示したり、プロジェクトファイルに記事をアップして読ませる、2回に分けて出力させるなど、1,000文字を意識した運用 が必要だった。
5. スレッドが長くなると文章が適当になる
何度も校正を繰り返し指示していると、スレッドがあっという間に長くなる。
AIはスレッド全体を参照して回答を生成するため、スレッドが肥大化すると自己矛盾を起こし、ユーザーの指示を適当に加えて「はい、直しましたよ」とドヤ顔で出力してくるようになる。
こうなった場合は、一度仕切り直すのが賢明だ。
原稿をプロジェクトファイルにアップし、新しいチャットを開いて「○○のファイルの校正を始めます」と宣言すると、見違えるほどまともな文章を出してくれる。
「1チャット=1シーン」 くらいのペースで進めるのが現実的だ。
まとめ
AIは完璧ではない。けれど、人間が苦手とする「アイデアの広げ方」「文章の勢い」「語彙の引き出し」では、圧倒的な力を見せる。
何より、AIと一緒に物語を育てていく時間は、不思議なくらい楽しかった。
そして今、実際にAIと人間で作成中の物語がこちらだ。
『神をも魅了する少年は神様に愛されたいようです』
どうせ書くなら人気ジャンルを、と思い「ハーレム物」と考えたが、ありきたりすぎて埋もれそうだったので「ハーレムが行き過ぎるとどうなるだろうか?」という発想から “愛されすぎる少年” というテーマにたどり着いた。
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これで人類みなが小説家になれる時代が来た。
Sora2 の勢いも止まらない。音楽界では Suno が凄い。コンテンツ産業は新たな時代を迎えようとしている。
1年後、世界はどうなっているのだろうか。
産業革命の真っただ中にいると感じる、今日この頃である。
