コラム
調べものをする時、1次情報と2次情報のどっちから調べるかについては、意見が分かれるところだろう。1次情報とは公式サイトの事で、2次情報とはQiita、はてなブログなど、一般的な投稿記事の事を指している。
先輩エンジニアは新人エンジニアに対して、よく次のようにアドバイスすることが多いようだ。「1次情報から調べろ!、2次情報だけを頼りにしていては成長できないぞ!」
そのアドバイスにはある意味真理が含まれていると思われる。きっと先輩エンジニアは、自身が1次情報を頼りにしてきたためここまで成長できたのだという、自身の経験を通した実感があるから、このようなアドバイスをするのだろう。
さて、自分はといえば、駆け出し頃は調べものはもっぱら2次情報だけであった。それはそれで、それなりの成長はあったとは思っている。駆け出し頃は1次情報に対し抵抗感を感じていた。初学者の段階からいきなり1次情報というのはどうだろうかという思いを抱いていたからだ。
たとえば、話は少し違うかも知れないが、法学の初学者がいきなり六法全書から学ぼうとし始めるだろうか。経済学の初学者がいきなりマルクス経済論を原本から学ぼうとし始めるだろうか。まず最初は次のようなタイトルの本から入って、ざっとでもいいので、簡単な理解から学び始めた方がいいのではないかと思う。
- 「はじめてでもわかる法学入門」
- 「サルでもわかる経済学」
- 「マンガで読む法学入門」
初学者がいきなり1次情報から調べるという事は、結構敷居が高いものです。
初学者が2次情報から入っていけば次のようなメリットがあると考える。2次情報を書いた人は、きっと1情報を元ネタにしているので、1次情報の内容を第三者に分かりやすく咀嚼して記事に落としているため、分かりやすい表現になっている。
1次情報の内容は完全に正しいことが書かれている。1次情報は数学でいえば「公理」であるのに対し、2次情報は「定理」に該当すると言えるだろう。
1次情報を発信する人は1次情報を作るというだけあって、才能に秀ではいるが、文章の表現力に関してはいまいちな場合も応々にしてありうる。
スポーツの世界では、一流の選手だった人が指導者になっても一流の指導者になりうるかといえば、どうもそうとは言い切れないと言われているように、一流のエンジニアは皆一流の表現力を持っているわけではないようだ。
2次情報を発信する人はジャーナリスト的な役割を果たしている。第三者に伝えようとする気持ちが強い分、表現が分かりやすくなっていくのだろう。
2次情報にも当然デメリットはある。2次情報は書いた人のスキルによって嘘になってしまうことが発生しうる。2次情報を元に、3次情報4次情報と次元が上がっていくにつれ、伝言ゲームのように情報が書き換えられることも発生するかも知れない。
自分が考える情報検索の順位は、初学者は2次情報から入ってよろし。ある程度初学者から脱出しつつある段階になってから、1次情報に触れるようにする。