AlacrittyはRust製のターミナルエミュレータで、GPUを利用することで高速なレンダリングを実現しています。macOS、Linux、Windows、BSDなどの主要なOSで使用できます。
環境
- macOS Catalina 19.15.7
- Rust 1.47.0(stable)
インストール
macOSにAlacrittyをインストールする方法は3つあります。
- ソースコードからビルドする
-
Homebrew
でインストール -
cargo
でインストール
Homebrew
やcargo
でインストールする場合、 terminfo fileやdesktop entry、manual page、 シェル補完を利用できなくなりますが、Rustの環境を構築する必要がなく(cargoを利用する場合は必要)、簡単にAlacrittyをインストールできます。
詳しくはマニュアルインストールを確認してください。
ソースコードからビルド
1. Rustの環境を構築する
curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh
2. リポジトリからソースコードをクローンする
git clone https://github.com/alacritty/alacritty.git
cd alacritty
3. AlacrittyをコンパイルするRustのバージョンを指定する
rustup override set stable
rustup update stable
4. Alacrittyのビルドとインストール
make app
cp -r target/release/osx/Alacritty.app /Applications/
Homebrewでインストール
HomebrewでAlacrittyをインストールする
brew cask install alacritty
cargoでインストール
1. Rustの環境を構築する
curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh
2. cargoでAlacrittyをインストールする
cargo install alacritty
設定
設定ファイルの優先順位
$XDG_CONFIG_HOME/alacritty/alacritty.yml
$XDG_CONFIG_HOME/alacritty.yml
$HOME/.config/alacritty/alacritty.yml
$HOME/.alacritty.yml
Alacrityは上記の順番で設定ファイルが読み込まれます。
macOSの場合、デフォルトでは$XDG_CONFIG_HOME
は設定されていないので$HOME/.config/alacritty/alacritty.yml
と$HOME/.alacritty.yml
が読み込まれるでしょう。
今回は$HOME/.config/alacritty/alacritty.yml
に設定を記述します。
設定ファイル
shell:
program: /usr/local/bin/fish
args:
- --login
- --command
- "tmux attach || tmux"
# テーマ
colors:
primary:
background: '#32302f'
foreground: '#ebdbb2'
normal:
black: '#282828'
red: '#cc241d'
green: '#98971a'
yellow: '#d79921'
blue: '#458588'
magenta: '#b16286'
cyan: '#689d6a'
white: '#a89984'
bright:
black: '#928374'
red: '#fb4934'
green: '#b8bb26'
yellow: '#fabd2f'
blue: '#83a598'
magenta: '#d3869b'
cyan: '#8ec07c'
white: '#ebdbb2'
# フォント
font:
size: 12 # フォントサイズ
normal:
family: 'Source Code Pro'
style: Regular
bold:
family: 'Source Code Pro'
style: Bold
italic:
family: 'Source Code Pro'
style: Italic
bold_italic:
family: 'Source Code Pro'
style: Bold Italic
window:
decorations: full # ボーダーとタイトルバーを表示する
startup_mode: Fullscreen # フルスクリーンで起動する
background_opacity: 0.95 # 背景を透過させる
fish shellとtmuxを使用しているので、shell
でAlacritty起動時にfish shellを使用して、tmuxのセッションが残っていた場合セッションにアタッチし、残っていなかった場合tmuxを実行するように指定しています。
colors
ではAlacrittyのテーマを指定できます。上記の設定ファイルではGruvbox
のカラースキームを指定していますが、Color schemes · alacritty/alacritty WikiでAlacritty用のカラースキームが公開されています。
font
では、フォントサイズと使用するフォントを指定しています。Souce Code Pro
はAdobeが開発したプログラミング用フォントでPowerlineフォントとしても利用できます。
window
とbackground_opacity
では、Alacrittyの見た目を変えています。
その他の設定はconfig-alacritty/alacritty.yml at master · tmcdonell/config-alacrittyを参考にすると良いでしょう。
tmux, NeovimでTrue colorを有効にする
Alacrittyで、tmux、NeovimのTrue colorを有効にするにはAlacrittyとtmuxの設定が必要です。以下の設定をそれぞれの設定ファイルに追加しましょう。
env:
TERM: alacritty
set -g default-terminal "screen-256color"
set-option -sa terminal-overrides ',alacritty:RGB'
Support "True" (24-bit) color · Issue #109 · alacritty/alacritty
参考サイト