はじめに
AWSを学び始めて、VPCやサブネット、インターネットゲートウェイの基礎を理解した上で、さらに深堀りし、AWSの他のサービスであるロードバランサーやS3、CDNなどについても学習しました。これらのサービスは、冗長化し負荷分散が可能です。本記事では、これらの内容を詳しく説明し、AWSのインフラ構築における役割を紹介します。
ロードバランサー (Load Balancer)
ロードバランサーは、トラフィックを複数のサーバー(インスタンス)に分散させ、システム全体の負荷を均等にする役割を持つサービスです。これにより、1つのサーバーに負荷が集中することを防ぎ、システムの可用性とスケーラビリティを高めます。
ロードバランサーの役割
- 負荷分散:ユーザーからのリクエストを複数のインスタンスに分散し、システム全体のパフォーマンスを向上させます。
- 冗長化と高可用性:複数のアベイラビリティゾーンにまたがって配置されたインスタンスにトラフィックをルーティングすることで、1つのゾーンに障害が発生しても他のゾーンでサービスを維持できます。
- スケーラビリティ:自動的にトラフィックを処理するインスタンスを追加・削除することで、リクエストの増減に応じて柔軟にスケールします。
- 名前解決:ロードバランサーはリクエストを適切なターゲットに振り分ける際にDNSを活用し、リソースの名前解決を行います。
- SSL/TLS終端:HTTPS通信の暗号化と復号をロードバランサー側で処理し、インスタンス側の負荷を軽減します。
S3 (Simple Storage Service)
S3は、AWSが提供するオブジェクトストレージサービスで、データの保存と管理に使用されます。大量のデータを冗長化された環境に格納し、可用性と耐久性を備えています。
S3の特徴
- 高耐久性:99.999999999%(11 9’s)の耐久性を提供し、データの喪失をほぼ防ぎます。
- バケットとオブジェクト:データは「バケット」という単位で管理され、その中に「オブジェクト」として格納されます。
- アクセス管理:IAMポリシーやバケットポリシーでアクセス権限を制御可能です。
使用例
- 静的ウェブホスティング:HTMLやJavaScriptファイルをS3に格納し、静的なウェブサイトとして公開できます。
- バックアップとアーカイブ:重要なデータのバックアップや長期間の保存に利用されます。
CDN (Content Delivery Network)
CDNは、コンテンツ配信ネットワークを指し、ウェブコンテンツをユーザーに迅速に届けるための分散型ネットワークです。AWSでは「CloudFront」が代表的なCDNサービスとして提供されています。
CDNの役割
- キャッシュ機能:エッジロケーションにコンテンツをキャッシュし、ユーザーの地理的な位置に応じて最も近いサーバーから配信します。
- 遅延削減:データの転送距離を短縮することで、ページロード時間を減少させます。
- 負荷分散:リクエストを複数のエッジロケーションで処理することで、オリジンサーバーの負荷を軽減します。
使用例
- 動画ストリーミング:動画コンテンツを高速で配信し、バッファリングを減らします。
- 静的ファイルの配信:ウェブサイトの画像やCSS、JavaScriptファイルを効率的に配信します。
冗長化と高可用性
冗長化は、システムの一部に障害が発生しても、他の部分がその役割を引き継ぎ、システム全体が稼働し続けるようにする設計です。ロードバランサーとCDNを組み合わせることで、以下のような利点があります:
- 障害時の自動フェイルオーバー:片方のAZが停止しても、他のAZにあるリソースが自動的にトラフィックを受け入れます。
- アクセスの高速化:CDNにより、ユーザーに近いロケーションからコンテンツが提供されるため、遅延を減らすことができます。
まとめ
AWSのロードバランサー、S3、CDNなどは、冗長化し負荷分散、高可用性を実現するための重要な要素です。これらを組み合わせて利用することで、セキュアかつスケーラブルなシステムを構築することができます。これからのプロジェクトや個人開発でも、これらの知識を生かし、より効率的で信頼性の高いインフラを構築していきたいと思います。
この記事がAWSのインフラ設計を学ぶきっかけになれば幸いです。