概要
最近、仕事でM5Stack社のTAB5を利用しています。
RTCは内蔵されているのですがバックアップ用バッテリーがEDLCのため
5日間程度しか持ちません。駆動用バッテリーとして「2S NP-F550
互換バッテリー」を利用すればよいのですが、できれば
リチウムイオンバッテリーを利用せずに運用をしたいと考えています。
そこで、TAB5のバッテリースペースに内蔵できる薄型のRTCモジュールを
探してみましたがなかなか見つからず、思い切って自作モジュールを作る
ことにしました。
私は簡単な回路図を書いたことがあるくらいでPCB設計は素人ですが、
AI(Codex)を利用してなんとか完成しました。
基板の作成と部品実装まで含めてJLCPCBへ依頼しました。
基板発注方法も全てAIとやり取りしながら進めました。
開発環境
PC:Windows11
AIモデル:OpenAI Codex GPT5.6 Terra 中(Plusプラン、アプリ版)
回路図CAD:KiCad 10.0
使用部品と完成品
モジュールサイズ:基板外形:16.5(W) × 37.8(D) mm、実装高さ:4.15(H) mm
RTC型番:SD3078
コインセルホルダー:CR1616用
コネクター:JST-SH 4pin(GND、VDD3.3V、SDA、SCL)
基板厚み:1.0mm
SDA、SCLプルアップ抵抗:4.7kΩ(半田ブリッジで有効化)
VDD–GND間 デカップリングコンデンサ:100nF、10μF
RTCをSD3078に決めた理由
・温度補償水晶発振器タイプ(TCXO)で高精度であること
±3.8ppm@25℃
・バックアップ用コインセルの電圧測定可能⇒交換時期が分かる
・比較的安価、消費電流も少なめ
・SD3078はレジスタ設定で充電にも対応できる点で将来的に
バックアップセルを二次電池(VLシリーズ等)も利用可能
部品選定にあたってはJLCPCBで調達、実装可能なもので決定しました。
<時刻保持可能期間について>
SD3078バックアップ時消費電流:0.8μA
CR1616容量:55mAh
⇒理論値で7.8年となります。
実際には自己放電等もあるかもしれませんので5-6年かもしれません。
<費用について@5セット分>
合計:$74.78 + 1,000円(消費税)
基板作製費:$3.04
実装費用:$61.71(部品代込み)
輸送費:$9.03
PayPal利用費:$1.0
商品到着時に消費税の支払いが必要でした。今回は1,000円。
基板作製だけであればかなり安いですね。
<JLCPCB発注から届くまでの期間>
日曜日の12時に発注完了し、次の土曜日には届きました。
1週間掛からず届きました。すごい!!
<KiCadのPCBデータ>
部品選定は事前に調査、データシートを準備しましたが、
約半日でこの状態まで完成しました。
プロンプトへの指示だけでここまでできたのは驚きでした。

TAB5への組み込み
バッテリースペースへ薄手の両面テープで固定し、蓋も問題無く取付できました。
電源供給(3.3V)はSTAMP用に準備されたんだパッドを利用し、
SDA:G46、SCL:G6に接続。
感想、反省点など
以前から自作基板作りたいと考えていましたがKiCadや発注のハードルが高くて
出来ていませんでした。しかしながら、AIを活用してここまで出来たことは
驚きと、届いた基板を見たときはとても嬉しかったです。
途中トラブルもありましたが最終的に目的を達成できたので良かったです。
<反省点>
①コインセルホルダーが薄型を追求したためかセル固定爪部分がすぐ折れます。
セル交換時にホルダー交換も必要かもしれません。Amazonで同等品購入しました。
②最初、PCB完成した嬉しさでチェックを怠りICが90度回転した状態に気付かず発注を
してしまいました。製造前であったため、オペレータとのやり取りで一度キャンセル
して再発注で事なきを得ました。
③TAB5への組み込み前の動作テスト(AtomS3利用)において、配線を途中で半田付け
中継していました。このときうまく通信が成立せずI2Cアドレス発見できず、
IC故障?接触不良?等々悩んでいました。
最終的に分かったことはSDA,SCLの半田付けした配線同士の距離が近いと
不要な容量結合が発生し、波形が乱れていたことが原因でした。
配線同士を離すことで何の問題も無く通信ができるようになりました。
高速な通信ではこのようなことが起こり得ると知り、とても勉強になりました。
本番の配線では中継点も無いので特に問題は発生していません。




