プロジェクトマネジメントの行う上でプロジェクトの進捗を管理する1番取っつきやすい方法が進捗率で管理する方法です。
進捗率とは?
成果物に対し作業がどれだけ進んでいるかを%(パーセント)で表現する指標です。
例えばある成果物に対して4つの作業が必要とする場合、
1つ終わったなら25%、
2つ終わったなら50%
…
4つすべて終わったら100%
といった形で進み具合を定量化する方法です。
実際はそれぞれで設計まで終わったら25%、テストの準備まで45%、レビューで90%というような形で柔軟に重み付けで運用している所も多いでしょう。
プロジェクトマネジメントの観点で言えば数値そのものの意味というより進み具合を見ています。
例えば50%で作業が停滞していればそこに課題があるのではと仮説を立て、人員追加といった対策を行うなど監視、対応できます。
実際多くのプロジェクト管理ツールでは進捗率が標準的に実装されており、プロジェクトの状況の可視化する指標として広く使われています。
このように、一見便利に見える指標進捗率ですが私自身のプロジェクトでは過去も現在もあまり積極的に使ってません。
なぜなら実際運用すると課題が見えてきたからです。
進捗率90%から終わらない問題
その代表的な例が、「進捗率が90%になっているにもかかわらず、作業がなかなか終わらない」というケースです。
例えば以下のような状況です。
毎日進捗を報告する会があり、そこでは進捗率で報告し合っていました。
エンジニアがとある作業の進捗率90%と報告しました。
今まで問題なく25%、50%と進んで90%まできたので
おそらくすぐ終わるだろうとプロジェクトマネジャーは考えました。しかしそれから数日経っても90%からなかなか完了しません。聞いても92%,95%というように一桁を刻みながら進んでいきます…結局レビューで大きな課題が見つかりさらに一週間かかることになりました…
これはあくまで仮の話です。しかしよくあることだろうと思います。
これでは
プロジェクトマネジャーとしては90%終わっており今まで特に何も課題がなかったようにみえたから
プロジェクト遅延の種を見過ごしてしまい
またエンジニアとしても90%本来終わっていたし、そして実際サボったわけでもないのに進捗報告で無駄なプレッシャー、ストレスがかかってしまうという
双方にとってよくない状況になってしまいます。
何故このようなことが起きてしまうのか
それは進捗率がまるで線形的に進むものだと無意識に勘違いしているからだと考えています
おおよそ資料でも設計でもそうですが作業というのは
最初はまず全体の建付けからスタートしそれから細部のところまで詰めていくはずです。
ここで全体の建付けやコンセプト、方針決めは大事ですしここで間違っていればその作業は無駄になります。つまり全体の仕事としてはウェイトが高いです。
そのためそれだけでも決めれば作業として進捗として大きく進むことになります。
決まってしまえばテストなどは方針さえあれば早いです。
なのでそこは線形的に進捗が進むように感じてしまうのではと考えています。
しかし最後の完成させるまでの詰めという作業も大事です。資料の文言、設計ではしっかりルールや公差は考慮した上で作られているかレビューといったところです。
これが地味であり、一見して作業として少なく見えるのですが時間がかかるものなのです。
ですが前述のとおり大まかには終わっているので全体としては90%とは完了しています。
ここまでの90%と残りの10%の中身が違う
そのギャップがいつまで経っても90%から進まなくなる
現象の原因だと考えています。
# 進捗率主観が入ってしまう課題
また進捗率はどうしても主観が入ってしまいます。
人によって見積もり方が違うのです。
もちろんチームでルールを決めてしまうのもありですが
様々な作業で進捗率を定義するのはかなり大変です。
また本来もっと掛かるはずのところを%で進捗を表現してしまうことで遅延になる可能性をみすみす見逃してしまう可能性もあります。
50%進んだと報告すれば簡略化できていいように思いますが先ほどいった通りどこまでを進捗率で表現するのかそれは人によってまちまちです。
数値で表現してしまうことで本来共有すべき気づくべき情報が抜け落ちてしまう。
という進捗管理するうえで本末転倒な状態になってしまいます。
進捗率をやめた理由と対策
私は上記の理由で進捗率で管理はやめました。
もちろん定義をするというのも手ですがそこまで細かくルールを決めると柔軟性が失われるし、
やはり自身としては
早めにプロジェクトの停滞を発見したい、そのためには進捗率は必要な情報が落ちてしまうのが懸念でした。
今は進捗率ではなくしっかり成果物に対して
どういった作業があるかまずエンジニアに計画していただきそれで進めています。
ここでお願いしているルールはその作業を粒度を揃えることだけです
例えば3日程度単位に作業として落とし込んでいただいてそれを進捗を見ていくといった形です。
そうすることでプロジェクトマネジャーとしては
それより遅れそうなら早めにプロジェクトの遅延を検知できますし、
エンジニア側としても
こういった作業があるというのが分かるため成果物(ゴール)への道筋をイメージしやすくなります。
また報告ではどういった作業を行ったか次は何をするかといったところをチームで共有することで
他のメンバーからのアドバイスをもらえたりすることもできますし、
連携を高めることができていると実感しております。
最後に
進捗率は分かりやすく、導入しやすい指標です。
しかし、作業の性質や人の主観を無視して使ってしまうと、かえってプロジェクトの実態を見えにくくしてしまいます。
特に「90%から終わらない」という現象は、
進捗率管理の限界を象徴していると感じています。
進捗を管理する目的は、
数字を揃えることではなく、問題を早く見つけ、適切な手を打つことです。
その目的に照らしたとき、本当に必要な指標や管理方法は何なのか。
進捗率を使う・使わないに関わらず、一度立ち止まって考えてみる価値はあるのではないでしょうか。