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M5Stackにせっかく赤外線がついているんだから、互いに送受信し合おう

Last updated at Posted at 2022-03-22

M5Stackには、WiFiやBluetoothがついているので、無線でやりとりすることができます。
ですが、通信するためのHTTPの実装やら、BLEの実装やらで、面倒です。
慣れてしまえばよいのですが、メモリもたくさん食うし、ちょっとしたデータの交換だけの場合は大げさに見えてきます。

一方で、たくさんあるM5Stackモジュールには、意外と赤外線送信機がついているものです。
ちょっと挙げただけでも、M5StickC、M5StickC Plus、M5Atom Matrix、M5Atom Lite、M5Echoなど。
一方で、赤外受信機は、あまりついていないですが、M5Unitとして赤外線送受信ユニットがあります。

ということで、今回は、お手軽に赤外線で送受信してデータを交換してみます。

ちなみに、最近技術書を書きまして、それの拡張として実装しましたので、それも説明します。こちらもぜひ見てみてください!実装が非常に楽になります!

M5StackとJavascriptではじめるIoTデバイス制御

利用するライブラリ

利用するのは、「IRremoteESP8266」です。PlatformIOのLibraryで検索に引っ掛かります。
platformio.iniに以下を追加するのでもよいです。

platformio.ini
lib_deps = 
	crankyoldgit/IRremoteESP8266@^2.8.2

送信側

宣言

#include <IRsend.h>
static IRsend *g_irsend = NULL;

初期化
pinに赤外線送信端子があるPIN番号を指定します。

  g_irsend = new IRsend(pin);
  g_irsend->begin();

送信

  g_irsend->sendNEC(data, 32, repeat);

上記は、NEC方式の送信で、送信データは任意の32ビット長の値です。ほんとは64ビットも大丈夫なのですが、簡略化のため32ビットで。
repeatには、再送回数を指定します。まあ、間に障害物がなければ、0回でも大丈夫でしょう。

受信側

宣言

#include <IRrecv.h>
static IRrecv *g_irrecv = NULL;
static decode_results results;

初期化
pinに赤外線受信端子があるPIN番号を指定します。

  g_irrecv = new IRrecv(pin, kRawBuf, kTimeoutMs, true);

受信待ち開始

  g_irrecv->enableIRIn();
  g_irrecv->resume();

受信チェック

uint32_t checkRecv(void){
  if( g_irrecv->decode(&results) ){
    g_irrecv->resume();
    if( results.decode_type != NEC_LIKE )
      return 0;

    return results.value;
  }
  return 0;
}

上記関数は、0以外が返ってきたら、それが受信データという仕様です。簡略化のため、NEC方式しか受け付けません。

これだけで、32ビット(4バイト長)のデータを送り合いっこができます。

Javascriptで実装

以下の技術書で紹介している、ESP32内部で動作するJavascript環境で動作させる場合のJavascriptコード例です。

M5StackとJavascriptではじめるIoTデバイス制御

以下のコードを、サンプルWebページから、それぞれのM5Stackモジュールにダウンロードするだけです。

まずは、送信側。PIN番号9に、赤外線送信端子がついている想定です。

import * as ir from "Ir";
import * as input from "Input";

ir.sendBegin(9);
console.log("setup finished");

setInterval( () =>{
    esp32.update();

	if( input.wasPressed(input.BUTTON_A) ){
		console.log('ir.send');
		ir.send(12345678);
	}
}, 1);

次は受信側。PIN番号32に、赤外線受信端子がついている想定です。

import * as ir from "Ir";

ir.recvBegin(32);
ir.recvStart();

setInterval(() =>{
	var data = ir.checkRecv();
	if( data ){
		console.log('ir.received: ' + data );
	}
}, 1);

以上

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