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EKSとGKEを徹底比較!内部構造から運用コストまで

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Last updated at Posted at 2026-07-13

はじめに

クラウドネイティブなアプリケーション開発において、Kubernetesはデファクトスタンダードとなっています。そのマネージドサービスとして、AWSのAmazon Elastic Kubernetes Service (EKS) とGoogle CloudのGoogle Kubernetes Engine (GKE) は、それぞれ強力な選択肢です。

本記事では、これら二つのサービスを、その内部構造、運用工数、そしてサーバーレスなKubernetes実行環境(EKS on FargateとGKE Autopilot)の比較を通じて深く掘り下げ、どちらがあなたのプロジェクトに適しているかを考察します。

EKSとGKEの概要

Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS)

AWSが提供するマネージドKubernetesサービスです。コントロールプレーンの管理はAWSが行い、ユーザーはEC2インスタンスまたはAWS Fargate上でワーカーノードを実行できます。AWSの広範なサービスエコシステムとの連携が強みです。

Google Kubernetes Engine (GKE)

Google Cloudが提供するマネージドKubernetesサービスであり、Kubernetes開発元であるGoogleの豊富なノウハウが凝縮されています。コントロールプレーンの管理はGoogleが行い、ユーザーはCompute Engineインスタンス上でワーカーノードを実行するか、Autopilotモードを利用できます。

Kubernetesの内部構造:コントロールプレーンとデータプレーン

EKSとGKEは、どちらもKubernetesのコアコンポーネントであるコントロールプレーンとデータプレーンを管理しますが、そのアプローチにはいくつか違いがあります。

コントロールプレーン

コントロールプレーンは、Kubernetesクラスターの「脳」にあたる部分で、APIサーバー、etcd、スケジューラ、コントローラマネージャなどのコンポーネントが含まれます。

特徴 EKS GKE
管理主体 AWSが完全に管理 Googleが完全に管理
高可用性 デフォルトで複数AZにまたがるHA構成 デフォルトでHA構成 (Control Plane HA)
ユーザー操作 Kubeconfigを通じてAPIサーバーにアクセス gcloud CLIまたはKubeconfigを通じてAPIサーバーにアクセス
課金 クラスターあたり$0.10/時間(リージョンによって異なる場合あり) 1 GKE Standardではコントロールプレーンの課金なし (ノード課金のみ) 2
GKE AutopilotではPodのリソース利用量と合算 3

データプレーン(ワーカーノード)

データプレーンは、実際にPodが動作するワーカーノード群を指します。

EKSのデータプレーン

  1. EKS on EC2:
    • Managed Node Groups: AWSがノードのプロビジョニング、更新、スケールなどを支援。AMIのパッチ適用などもAWSが提供する。
    • Self-Managed Node Groups: ユーザーがEC2インスタンスを完全に管理。AMIの選択、OSのパッチ適用、スケーリンググループの設定などを自身で行う。高いカスタマイズ性が必要な場合に選択される。
  2. EKS on Fargate:
    • ワーカーノード(EC2インスタンス)の管理が不要な、サーバーレスな実行環境です。PodごとにFargate環境が起動し、OSのパッチ適用や基盤のスケーリングはAWSが自動的に行います。ユーザーはPodの定義とデプロイに集中できます。

GKEのデータプレーン

  1. GKE Standard (on Compute Engine):
    • Compute Engineインスタンスをワーカーノードとして利用します。ノードプールを使ってインスタンスタイプ、OSイメージ、オートスケーリング設定などを構成します。EKS on EC2のManaged Node Groupsに近い概念です。
  2. GKE Autopilot:
    • EKS on Fargateに相当する、サーバーレスなGKEモードです。ノード(Compute Engineインスタンス)のプロビジョニング、管理、スケーリング、パッチ適用などをGoogleが完全に自動化します。ユーザーはコンテナイメージとKubernetesのマニフェストを用意するだけで、Podをデプロイできます。

EKS on FargateとGKE Autopilotの比較

両者とも「サーバーレスKubernetes」というコンセプトで、基盤インフラの管理を大幅に削減しますが、いくつか違いがあります。

特徴 EKS on Fargate GKE Autopilot
ノード管理 基盤のOS/ランタイム管理はAWSが実施。ユーザーはPodをFargateプロファイルで指定。 ノードのプロビジョニング、OS/ランタイム管理、パッチ適用、スケーリングをGoogleが完全に実施。
リソース管理 Pod単位でCPU/メモリをリクエスト。オーバープロビジョニングによる無駄が発生しうる。 Podの最小要件をGoogleが最適化。リソース要件の自動調整やベストプラクティス適用。
課金単位 Podが消費するCPUとメモリ(秒単位) 4 PodのCPU/メモリ/ストレージ、およびコントロールプレーンの追加料金 3
ユースケース VM管理の手間を削減し、Podデプロイに集中したい場合に最適。 Kubernetesの運用負荷を極限まで減らし、アプリケーション開発に集中したい場合に最適。

GKE Autopilotは、単にノード管理を肩代わりするだけでなく、Kubernetesのベストプラクティスを自動的に適用し、リソースの最適化まで踏み込む点で、EKS on Fargateよりも「よりマネージド」であると言えます。

運用工数とコスト

運用工数は、利用するデータプレーンのタイプによって大きく変動します。

運用工数比較

項目 EKS (EC2) / GKE Standard (Compute Engine) EKS on Fargate / GKE Autopilot
コントロールプレーン 低(両サービスともマネージド) 低(両サービスともマネージド)
ワーカーノード管理 中〜高(インスタンスタイプ、OSパッチ、スケーリング設定など) 低(ほぼゼロ。基盤の管理はクラウドプロバイダーが担当)
Kubernetesバージョンアップ アップデートのテスト、ノードへの適用計画・実施が必要。 クラウドプロバイダーが自動または半自動で実施。Autopilotはより自動化。
セキュリティパッチ OSレベルのパッチはユーザー(Managed Node Groupである程度軽減) クラウドプロバイダーが自動的に適用
リソース最適化 ユーザーがPodのリソースを適切に設定する必要がある。 GKE Autopilotは自動的にリソースを最適化。Fargateはユーザー設定依存。

一般的に、EKS on FargateやGKE Autopilotのようなサーバーレスなモードを利用するほど、インフラ管理に関する運用工数は大幅に削減されます。GKE Autopilotは、リソース最適化やセキュリティの自動適用まで踏み込むため、運用工数を最も低く抑えられる選択肢と言えるでしょう。

コスト比較

コストは多くの要因に依存するため一概には言えませんが、考慮すべきポイントを挙げます。

  • コントロールプレーン: EKSはクラスターごとの時間料金が発生しますが、GKE Standardは無料です。GKE AutopilotはPodの利用料にコントロールプレーン料金が含まれます。
  • ワーカーノード:
    • EKS on EC2 / GKE Standard: EC2/Compute Engineのインスタンス料金。リザーブドインスタンスやSavings Plansで割引可能。
    • EKS on Fargate / GKE Autopilot: Podが消費するCPU/メモリ/ストレージのリソース量に応じた従量課金。
  • データ転送、ストレージ、ネットワーク: 各クラウドプロバイダーの周辺サービスの料金が適用されます。
  • 課金粒度: Fargate/Autopilotはより細かいPod単位での課金となり、リソースの無駄を削減しやすい可能性があります。

利用シーンと最適な選択

  • 既存のクラウド環境がAWSである場合: AWSのサービスエコシステムとの連携がスムーズなEKSが自然な選択肢となります。既存のIAMロール、VPC、S3、RDSなどとの連携はEKSで最も最適化されています。
  • 既存のクラウド環境がGCPである場合: Googleのデータ分析系サービス(BigQuery, Dataflowなど)や機械学習サービス(Vertex AIなど)との連携がスムーズなGKEが有利です。
  • 運用工数を極限まで減らしたい、Kubernetesの専門知識が少ない: GKE Autopilotが最も運用負荷が低い選択肢です。EKS on Fargateも非常に有効ですが、Autopilotはさらなる自動化を提供します。
  • 高いカスタマイズ性や特定のOS/インスタンスタイプを求める: EKS on EC2のSelf-Managed Node GroupsやGKE Standardが適しています。
  • コスト最適化を優先する: EKS on EC2やGKE Standardでリザーブドインスタンスなどを活用し、ノード数を手動でチューニングする方が、従量課金のFargate/Autopilotよりも安くなるケースもあります。ただし、運用工数とのトレードオフになります。

まとめ

EKSとGKEは、いずれも強力なマネージドKubernetesサービスであり、Kubernetesのコア機能においては大きな差はありません。しかし、その内部構造、特にワーカーノードの管理と、それらが運用工数とコストにどう影響するかに違いが見られます。

特徴 EKS GKE
コントロールプレーン AWSが管理。クラスター料金あり。 Googleが管理。Standardは無料、AutopilotはPod利用料に含む。
データプレーン EC2 (Managed/Self-Managed) または Fargate Compute Engine (Standard) または Autopilot
サーバーレス相当 EKS on Fargate GKE Autopilot
運用工数 Fargate利用で低減。EC2利用時はノード管理の手間あり。 Autopilot利用で極限まで低減。Standard利用時はノード管理の手間あり。
特徴 AWSエコシステムとの連携、豊富な設定オプション。 Kubernetes開発元、Autopilotによる高度なマネージド体験。

最終的な選択は、既存のインフラ環境、チームのスキルセット、アプリケーションの要件、そして求める運用負荷のレベルによって異なります。それぞれの特徴を理解し、プロジェクトに最適なサービスを選択しましょう。

出典

  1. Amazon EKS 料金 - AWS

  2. Google Kubernetes Engine の料金 | Google Cloud

  3. Google Kubernetes Engine の料金 | Google Cloud 2

  4. AWS Fargate の料金 - Amazon ECS / Amazon EKS 向けサーバレスコンテナ - AWS

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