目次
- はじめに
- 開発過程
- 謝辞
はじめに
近年の自作小型ペンプロッタブームに乗っかってみたく、今年のはじめに製作させていただいたゲーミングモバイル3DプリンタFraxinus00Wをオマージュしてペンプロッタを作成してみました。
本資料は、これまでにXで公開した開発過程のまとめ資料の前半(Part 1)になります。
Fraxinus00pen仕様概要
- 方式
CoreXY - 造形エリア
縦170mmx横120mm はがき印刷を想定 - 移動速度
最大500mm/sぐらい - 描画速度
最大300mm/sぐらい - 加速度 20000mm/s^2
- 制御ソフトウェア
Klipper - 使用マイコンおよびコントローラ
Raspberry Pi 4相当 + BigTreeTech SKR Pico - 使用ペン
三菱SXR-200-07 4C規格 - Z軸駆動機構
秋月ソレノイド5V ZHO-0420S-05A4.5 プッシュ型(4Vで駆動) - サイズ
A4サイズ(底面積) - 電源
USB Type-C PD 12V
開発過程(Part 1)
その1 11月30日 開発着手
アリエクからリニアガイドレール(150mmx1、200mmx2)等が届いたので試作開始。
XY軸の設計は、Fraxinus00wをスケールアップして流用。
リニアガイドレールや、プーリーの取り付け部分は3Dプリンタで製作。3mmのネジ穴は3Dプリンタでネジ穴まで再現した。(Fraxinus00wで苦労した地獄のタップ切りが不要なので非常に楽ちん)
その2 12月2日 XY軸動作確認
とりあえず、そのへんに転がっているRaspberry Pi 4にMainsail OSを焼いて、コントローラボード(SKR Pico)を接続してステッピングモーターを動かしてみた。
ワイヤ駆動用のリールは、Fraxinus00w用に作った予備のものを流用。
リール径が15mmと小さいため、駆動エリアをカバーするためには7巻程度必要となり(余裕を見て8巻きとした)リールの拡大が必要そう。
この状態で、速度500mm/s、加速度20000mm/s^2でX, Y軸を駆動できた。
その3 12月5日 Z軸作成と動作確認
Z軸は、通常はサーボモータでペンを上下するところを、高速動作を狙ってソレノイドを使用してみたところ10Hz程度では動かせそうだ。ソレノイドの発熱がかなり大きいため、定格の5Vを4Vで使用することにした。(発熱40%減)
リターンはとりあえずスプリング(100均のボールペンから流用)を使用したが、戻りも別のソレノイドを使う強制開閉式とすることもチャレンジしてみたい。
リニアガイドレールは、小型のMGN7を使用。2mmのネジ穴も3Dプリンタで加工した。
ペンは、剛性を考慮して金属軸の4C規格のものを使用した。インクは低粘度の三菱製ジェットストリームを採用してみた。
その4 12月6日 記念すべきファーストプリント
とりあえず、手書きのGコードで50mm角の正方形を書いてみた。
GコードファイルをPCのブラウザからMailsail画面にドロップすることで、ファイルをアップロードし描画することができた。
高速に動かすと、90度コーナーの立ち上がりで振動が見られる。3Dプリンタでいうリンギングやゴーストと呼ばれる現象がペンプロッタでは顕著に現れた。あとでInput Shaperを設定してこれを打ち消してみることにする。
その5 12月6日 Inkscapeからの印刷
画像からGコードを生成するには、フリーのInkscapeにLasertoolsというレーザー加工機用のプラグインを入れることで、ペンプロッタ用のGコードを作成した。どうもバグなのか使い方の問題なのか、思った座標になかなか出力できず苦戦。
その6 12月7日 Inkscape完全理解
なんとか、ほぼ思い通りのGコードが吐き出せる用になった。
週末にスタックチャンのもくもく会があるので、それ用の絵を作成した。
後半に続く。。。。
謝辞
本PenPlotterのベースとなったFraxinusを設計された、福馬 洋平@fukumay1さんや3Dプリンタの沼人たち、およびいつも展示会などで自作PenPlotterの素晴らしさを教えていただいている、いしかわきょーすけ@kyosuke_ishikawやその沼人たちに貴重なご指導と温かいご支援を賜りました。ここに深く感謝の意を表します。