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LTE-M概要

Last updated at Posted at 2018-10-03

LTE-Mとは

既存のLTE回線を活用したLPWA(省電力・広域通信を可能とする無線通信技術)の一つ。

LTE-Mは一時は、機械型通信を意味するeMTC(enhanced Machine Type Communication)とも呼ばれており、M2Mで使用されることを想定された通信技術である。
つまり、LTE-Mの「M」は「Machine」を意味する

通信事業者が既に保有しているLTEの基地局をそのまま利用できることから、携帯電話事業者が積極的に取り組んいる。

国内では2018年1月からKDDIがサービスの提供を開始し、2018年10月時点ではドコモ、ソフトバンク、ソラコム(KDDI子会社)もサービスを開始しており、大手3キャリアが足並みを揃える状態になっている。

提供企業 提供開始日 プラン名 月額基本料金
ドコモ 2018/10/1 IoTプラン 400円/月 (2年契約あり)
IoTプランHS® 800円/月 (2年契約なし)
600円/月 (2年契約あり)
1,000円/月 (2年契約なし)
ソフトバンク 2018/4/26 IoT料金プラン(単体プランA) 100円/月
IoT料金プラン(単体プランB) 150円/月
IoT料金プラン(単体プランC) 200円/月
IoT料金プラン(単体プランD) 300円/月
KDDI 2018/1/29 LPWA10 100円/月
LPWA100 150円/月
LPWA500 200円/月
LPWA2000 300円/月
ソラコム 2018/9/26 plan-KM1 100 円/月

※ 2018-09-26時点

LTE-Mはセルラー系(無線免許が必要な通信)に分類される。

lte-m_cate.jpg


LTE-Mのカテゴリーについて

3GPP(3Gに関連する仕様の標準化をするプロジェクト)では、
ユーザーが利用するLTE端末の性能指標について、
LTE-UE(LTE User Equipment)という名称で、分類化している。

LTE-UEにおいて、LTE-Mは、NB-IoTともにLPWA向けのカテゴリーに1つ「LTE CatM1」として分類され、
従来に比べ、低速だが、省電力化されている。

3GPPのRelease 14では、NB-IoTともに、次のバージョン(Cat.M2、Cat.NB2)の検討が
進められている。

Cat.M2は、より拡張されたMTC、feMTC(further enhancement MTC)とも呼ばれ、
省電力化と通信距離がさらに向上することが見込まれている。

LTE Cat.1 LTE Cat.M1 (LTE-M) LTE Cat.NB1 (NB-IoT)
下り最大速度 10Mbps 300kbps 29kbps
上り最大速度 5Mbps 375kbps 63kbps
送信電力 23dBm 20または23dBm 20または23dBm
通信方式 全2重 全/半2重 半2重
モビリティ性能 移動体通信 移動体通信 定点通信

※ 上記はNTTドコモの通信方式の場合のものである


NB-IoTとの違い

NB-IoTとの違いの一つは、モビリティ性能で、利用するのに適しているケースがそれぞれ異なる。

  • LTE-M

デバイスが移動するケースに適している。

※ 例 : ウェアラブル端末など

  • NB-IoT

デバイスを固定するケースに適している

※ 例 : 下水設備や駐車場など


LTE-Mの特徴

上述した通り、LTE-MとNB-IoTはセルラー系に分類される。
セルラー系はライセンスバンド(無線免許が必要な帯域)を利用するので、電波干渉が起きる可能性が低い。
また、既存のLTE回線を使用するので、速度も高速である。
一方で、ライセンスバンドのためか、通信料金は高く、消費電力も高い。

LTE-M、NB-IoT LoRaWAN、Sigfox
電波干渉 低い 高い
通信速度 早い 遅い
通信料金 高い 低い
消費電力 多い 少ない

LTE-Mを構成する技術

eDRX (Extended Discontinuous Reception)

端末側で基地局との通信確認の間隔を引き伸ばすことで、端末の待機状態を長くし、消費電力を減らす技術。

LTE-Mでは上記を拡張したeDRX (拡張DRX) と利用することが可能で、間隔をさらに伸ばし、最大43分間、端末を待機状態にする。

edrx.png

PSM (Power Saving Mode)

端末が待機中に行っている処理をほとんど停止して、
端末を電源OFFに近い状態 (省電力モード) に遷移させることで、電力消費を抑える技術。

省電力モード中は、データの受信はできないが、端末側からのデータの送信はいつでも可能。

Repetition ( 繰り返し送信 )

同じデータを繰り返し、送信することで、通信距離(カバレッジ)を拡張させる技術。

通信距離が長く、一部しかデータを受信できないような場合に、
同じデータを繰り返し送信し、受信時にデータを合成させて、受信成功確率を上げる。

rep.png


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