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VTuber黎明期に「スマホ一台でLive2D/VRMを動かすアプリ」を作っていた話

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これは、2019〜2022年頃に開発・提供していた「2DR」というアプリについて、
技術選定・運用・判断などを振り返るための記録(ポエム)です。

当時は必死で、何が正しかったのかもよく分からないまま進めていました。
時間が経って、ようやく落ち着いた視点で話せるようになったので、まとめようと思いました。

2DR というアプリについて

2DR は、スマホ一台で Live2D / VRM モデルを動かせるアプリでした。

提供していた3年間、最終的には 約97,000DL。 (10万ダウンロード!って言いたかったですね)
当時は数字を追いかける余裕もなく、実感も薄かったのですが、
今思えば「個人が設計したアプリとしては十分すぎる結果」だったのだと思います。

自分の役割は以下のとおりです。

  • アプリの企画・仕様策定
  • 技術選定
  • 商用ライセンス周りの調整
  • 資金提供
  • 全体ディレクション

実装は外部の方々にお願いしていましたが、
アプリの方向性やコア思想は自分で決めていました。
(当時お手伝いいただいた各所の皆様本当にありがとうございました)

当時はVTuberもLive2Dもまだ「形がなかった時代」

2025年から振り返ると、サービスを開始した2019年頃は本当に特別な時期でした。

  • Live2D商用ライセンスは今ほど明確ではない
  • スマホでVTuberになれるアプリはほぼ存在しない
  • 顔トラッキング技術は過渡期
  • ARKitが少し話題になり始めた頃
  • Mediapipeはまだ登場前
  • Android端末の性能差が大きく、最適化が難しい
  • サブスク文化も完全には普及していない

いまの「最適解」が当時は存在せず、
どの選択肢も“まだ誰も通っていない道”のような状況でした。

目的はシンプル:「どこでもスマホ一台で、なりたい自分になれる」

当時、自分が一番大事にしていたのは技術そのものではなく、

誰でも、どこでも、スマホだけでモデルを動かせること

でした。

  • 高性能PCがなくても
  • 最新端末でなくても
  • 海外のユーザーでも
  • 初心者でも

「何かになってみたい」という気持ちに技術的なハードルを置きたくなかった。
これは今も変わらず大事にしている価値観です。

技術選定:あえて “前時代的” な Dlib を選んだ理由

「なぜ前代的なDlib?」という質問について。

当時の前提を整理すると、この選択は必然でした。

  • ARKit → 対応端末が限られる
  • 機械学習ベースの最新手法 → スマホには荷が重い
  • Mediapipe → まだ公開前
  • Android → 性能差が大きすぎて最新技術を前提にしづらい

その中で「古い端末でも確実に動く」技術が必要でした。
結果、枯れていても信頼できるDlibを採用しています。

今の視点で見ると地味な選択肢ですが、
当時の環境では“実際にユーザーが使える選択”として妥当だったと思います。

配信機能について(公開には至っていません)

内部的には「配信機能」のプロトタイプが存在していました。

外部の詳しい方に協力いただき、テスト段階までは動いていましたが、

  • 継続的なメンテ体制
  • 端末性能・ネットワーク事情
  • 品質保証
  • 運営リスク
  • 機能の不足(コメントを拾う等)
  • 操作の難しさ

などを考えると、公開するのは危険だと判断しました。

今になっても、公開できなかった悔しさはありますが、
プロダクトの安全性を優先したのは正しかったと思っています。

最も重かったのは「メンテナンス」と「ライセンス費」

2DRは完全スタンドアロンでした。
そのためサーバー代はかかりませんが、そのぶんアプリ側の負荷が大きくなります。

  • iOS / Android アップデートで挙動が変わる
  • Live2D SDKの更新対応
  • 端末依存バグ
  • 新機種対応
  • ストア審査
  • 外注費
  • 商用ライセンス費

「無料で届けたい」という理想と、
「現実的なコスト」が衝突していく感覚がありました。

サブスク導入を試みたときの話

2020年夏頃、継続のためにサブスクを導入しようと考えました。

  • 無料で届けたい
  • でも維持には資金が必要
  • 一部のユーザーに支えてもらえる形にできるのではないかと考えた

という背景です。

しかし当時はサブスク文化も成熟しておらず、
審査基準も現在ほど整っていませんでした。

結果として、

“詐欺の可能性がある”という理由でリジェクトされました。

もちろん詐欺などしていません。
今なら「基準の未成熟による文脈のズレ」だと理解できます。

ただ、このときはかなり落ち込みました。
「このジャンルのアプリでのマネタイズはまだ難しい」と感じた瞬間でもあります。

それでも支えてくれた人たちがいた

クラウドファンディングで支援してくれた方、
レビューを書いてくれたユーザー、
海外でチュートリアル動画を作ってくれた人。

当時は余裕がなく気づけませんでしたが、
確かに応援してくれる人たちがいました。

後になってその声を見つけたとき、
静かに救われるような気持ちになりました。

得られた経験は今に強く活きている

2DRの経験は、その後の自分の仕事にふんわり関連しています。

  • 技術選定の基準
  • ライセンスリスクの見極め
  • 外部開発との進め方
  • プロダクト寿命の判断
  • メンテナンスコストの見積もり
  • “抱えすぎない”という感覚

プロダクト自体は2022年の秋に終了しましたが、
経験としては今も強く残っています。

最後に

最近配信業界が盛り上がっていて、
アバターやトラッキング技術に興味を持つ企業も増えてきている印象があります。

もし、

  • モバイル向けアバター機能
  • 配信サービスへのVTuber的要素の追加
  • 技術選定・ライセンス周りの相談

といった場面があれば、
当時の経験がお役に立てるかもしれません。

必要であれば、気軽に声をかけてください。


結局当時の主要なプレイヤーの方たちと交流することもなく、ちょっとだけ孤独でした
本当に気軽に誘っていただけると嬉しいです!(思い出したくもない赤字の額とかざっくりなら答えますよ)

次は何しようかな?と思って数年経ってしまいました!でわまた!

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