#はじめに
夏ぼっちカレンダー(仮)の二日目の記事です。
AレコードとCNAMEレコードを整理します。
記事の中に間違いなどあれば指摘していただけると幸いです。
#リソースレコードとは
ネームサーバが目的のIPを探しに行くにあたって、
必要な情報が入っている対応表の中にある一つ一つのレコードのこと
リソースレコード一つは以下の情報からできています。
ラベル | TTL | クラス | タイプ | リソースデータ |
---|---|---|---|---|
ドメインの名前など(タイプによって何を入れるか異なる) | キャッシュする時間(単位は秒) | いくつか種類はあるが基本的にINしか使われない | リソースレコードの種類 | 値(タイプによって何を入れるか異なる) |
例えば、タイプをAとすると以下のようになります。
ラベル | TTL | クラス | タイプ | リソースデータ |
---|---|---|---|---|
example.co.jp | 60 | IN | A | 192.168.0.1 |
#リソースレコードの種類
リソースレコードには種類があり、
それぞれどのような対応をしているかが違います。
以下、リソースレコードの例です。1
種類 | 意味 |
---|---|
Aレコード | ドメインに紐づくIPアドレス |
NSレコード | ドメインのゾーンを管理するネームサーバ |
MXレコード | ドメインに紐づくメール受信サーバ |
TXT(SPF) | このドメインのメール送信元サーバ |
SOA | ドメインのゾーンの管理情報 |
CNAME | このドメインの別名でリソースの参照先 |
この中からAレコードとCNAMEレコードについて抜き出します。
#Aレコード(Adress)
・ドメインとIPアドレスの対応表
ドメインとIPアドレスの対応は
場所の名前と住所によく例えられます。
名前 | 住所 |
---|---|
東京駅 | 東京都千代田区丸の内1丁目 |
東京国際展示場 | 東京都江東区有明3丁目 |
これがドメインとIPアドレスだと以下のようになります。
ドメイン | IPアドレス |
---|---|
example.co.jp | 192.168.0.1 |
example.jp | 192.168.1.1 |
このように、
Aレコードは
ドメインとIPアドレスが対応するレコードの種類です。
Aレコードは一つのIPアドレスに対して、
いくつも作成することができます。
##Aレコードをなぜ設定するのか
・IPアドレスだと分かりにくく、ホスト名を付けたほうが人間が扱いやすいから
先ほどの例で言えば、
「東京都千代田区丸の内1丁目」と言っても何を指しているのかよく分かりませんが、
「東京駅」と言えばすぐに分かります。
IPアドレスの数字の羅列より
ドメインの方が覚えやすく、分かり易いです。
#CNAMEレコード(Canonical Name)
・ドメイン名の別ドメイン名を決める
CNAMEレコードはドメイン名の別ドメイン名を決めることができます。
先ほどの例に、
名前 | 住所 |
---|---|
東京国際展示場 | 東京都江東区有明3丁目 |
がありましたが
これをCNAMEレコードにすると以下のようになります。
愛称(別名) | 名前 |
---|---|
東京ビックサイト | 東京国際展示場 |
これがドメイン名と別ドメイン名だと以下のようになります。
ドメイン | 参照先ドメイン |
---|---|
www.example.co.jp | example.co.jp |
このように、
CNAMEレコードは
ドメインの別名をつけることができます。
ドメインに対する別名をつけるので、
ドメインのIPを設定したAレコードが必ず必要になります。
中の流れとして以下のようなことが行われます。
1「東京ビッグサイトの住所を教えて」と言う
2「東京ビッグサイトは東京国際展示場」というCANMEレコードが返ってくる
3「東京国際展示場の住所を教えて」と言う
4「東京国際展示場は東京都江東区有明3丁目」というAレコードが返ってくる
このように応答を繰り返して辿っていき
最終的に目的のものにたどり着きます。
また、CNAMEレコードは一つのドメインに対して、
いくつも作成することができます。
##CNAMEレコードをなぜ設定するのか
CNAMEレコードを設定する理由はいくつかあります。
以下はその中の1例です。
・IPアドレスを変更したときの手間を省きたい
例えば、CNAMEレコードではなく
Aレコードで以下のように設定することもできます。
ドメイン | IPアドレス |
---|---|
example.co.jp | 192.168.0.1 |
www.example.co.jp | 192.168.0.1 |
しかし、これだと
IPアドレスの変更があった際に
二つのレコードのIPアドレスを書き換えなければいけないです。
これを、片方をCNAMEで設定しておけば
書き換えるIPアドレスは一つで済みます。
ドメイン | IPアドレス |
---|---|
example.co.jp | 192.168.0.1 |
ドメイン | 参照先ドメイン |
---|---|
www.example.co.jp | example.co.jp |
#参考
mochikoAsTech『【ダウンロード版】DNSをはじめよう ~基礎からトラブルシューティングまで~』2018年
TCP/IP - DNS 2
DNSレコードタイプの一覧
【ドメイン】DNSレコード設定の各レコードの意味を教えてください。
【勉強会】IPアドレス、ホスト名、ドメインを正しく説明できますか?
【図解】ドメインとは?をわかりやすく解説します
IPアドレスとは?をわかりやすく解説します
DNSの勉強ノート【その2】A/CNAME/NS/MXレコード
Aレコードってなんだっけ? よく使うDNSレコードの種類と書き方
AレコードとCNAMEレコードの違い
DNSとは? 全体像とDNSレコードの種類
めも:DNS設定・AレコードとCNAMEレコードの違い
第64回DNS(3) リソースレコードタイプ
CNAMEレコードとはなんですか?
DNSレコードの種類について【A,CNAME,MX,TXT】
DNSとかネームサーバとかRoute53とかAレコードとかCNAMEとかがわからない人のためのまとめ
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mochikoAsTech『【ダウンロード版】DNSをはじめよう ~基礎からトラブルシューティングまで~』2018年、67ページ ↩