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OculusRiftとFinal IKでVTuberになる

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はじめに

OculusのHMD「Oculus Rift S」とUnityの有料アセット「Final IK」で MMDモデルになりきってアバターを動かす方法と,そのときのポイントや落とし穴について書きました.
Oculus社のHMDなら旧型のRiftやOculus Linkで接続したOculus Questでもまったく同じように動かせると思います.

準備したもの

とりあえずHMDでMMDを動かしてみる

1. Unityで3Dプロジェクトを作成

Unityを起動して新規3Dプロジェクトを作成します.
image01.png

2. PMX形式のMMDをUnityにインポート

好きなMMDを用意してください.個人利用であればニコニ立体BOOTH,企業VTuberの公式サイトなど様々なところで色々配布されているものを使えると思います.この記事では例として「キズナアイのMMD」を利用させていただこうと思います.

kizunaai.png
Kizuna AI ver1.01 © Kizuna AI

配布されている3Dモデルデータは一般に.pmxという形式が多いですが,Unityで読み込むことができるのはFBXという形式なのでPMXFBXに変換する必要があります.MMDを変換するためにNoraさんが公開しているMMD4Mecanimを使用します.MMD4Mecanimをダウンロードしてzipファイルを解凍し,「MMD4Mecanim.unitypackage」をドラッグアンドドロップでUnityにインポートしてください.
image02.png

次にUnityのProjectウィンドウからPMX形式のMMDをまるごとドラッグアンドドロップでAssetsに追加します.MMD4MecanimによってPMXファイルがあるのと同じ階層に自動で.MMD4Mecanim.assetというファイルが生成されると思います.
image03.png

この.MMD4Mecanim.assetをクリックしてInspectorウィンドウからProcessボタンをクリックすると変換が行われます.(その前にMMDの利用規約に同意する必要がある場合があります.)フォルダの同じ階層にFBXファイルができていればUnityへのMMDのインポートは完了です.
image04.png

このPrefabをHierarchyウィンドウにドラックアンドドロップすることでシーンにモデルを配置しておきます.
image05.png

最後にインポートしたモデルをFinal IKで制御するためにAssets下にあるMMDのPrefabを選択してInspectorウィンドウの Rig > Animation Type をHumanoidに変更してApplyを押します.
image08.png

2.5. [余談] 自作MMDを使う

この投稿ではモデルの自作については触れませんが,モデルを自作する方法としてはBlenderなどの無料モデリングソフトでフルスクラッチで作るという高い技術を求められるやり方以外にも,最近はVroid Studioなどの比較的簡単に作れるツールが充実してきていると思います.
ちなみに,Blenderで自作した場合にはFBX形式で出力できるため上述のMMD4Mecanimによる変換は必要ありません.また,Vroid Studioは.vrmで保存することになるため,UniVRMを利用してUnityにインポートする必要があります.

3. Oculus Integrationの導入

UnityでOculusのHMDを使用するためにOculusからUnity Asset Storeで公開されているOculus Integrationを導入します.
今回はUnity 2019内のAsset StoreからOculus IntegrationをImportします(Unity 2020ではインポートの方法が若干変わっています).
image06.png
image07.png

次にインポートしたOculus Integrationの中から Assets > Oculus > VR > Prefabs にあるOVRCameraRigをSceneに配置します.これがHMD用のカメラになります.HMD用のカメラを配置したので元々あったMain Cameraは削除して問題ありません.
image09.png

4. Final IKの導入と設定

Oculus Integrationのときと同様にAsset StoreからFinal IKをダウンロードしてインポートします.
image10.png

Assets > Plugins > RootMotion > FinalIK > IK Components > VRIK.cs をSceneに配置したキズナアイのPrefabにアタッチします.
image11.png

Sceneの OVRCameraRig > Tracking Space の中にあるCenterEyeAnchor,LeftHandAnchor,RightHandAnchorそれぞれの中にEmpty Objectを作成します.トラッキングスペースの中に配置したこのオブジェクトをVRIKでモデルにトラッキングさせることでモデルを動かします.空オブジェクトの名前はHeadTarget,LeftHandTarget,RIghtHandTargetとしました.
image12.png

作成したターゲットの空オブジェクトをモデルにアタッチしたFinal IKのスクリプトにアタッチします.
image13.png

ここまででHMDの頭と両手に追従してMMDを動かすことができます.

いろいろ設定していく

視点を合わせる

HMDを装着した人とアバターの顔の視点を合わせます.
OVRCameraRigのInspectorから OVRManager > Tracking > Tracking Origin Type をEye LevelからFloor Levelに変更します.
HMDはアプリケーション実行時に本体の高さを取得します.その後,Eye LevelではHMDの位置を原点(高さ0)としてSceneを配置します.これは空からVR空間を見下ろす場合など使用者の身長にかかわらず同じ高さにカメラを置きたいときなどにカメラのオフセットを高くするなどしてよく使用します.一方でFloor Levelでは足元を原点(高さ0)にSceneを配置します.これは本記事のようにMMDになりたい場合など使用者が地面に接地している場合によく使用します.
image14.png

身長を合わせる

自分の身長とMMDの身長(腕の長さや腰の高さなど)が大体同じくらいになるようにMMDのInpsectorからScaleを変更します.この辺りは実際にHMDを装着してGame Viewで見ながら合わせるとやりやすいと思います.
image15.png

レンダリング範囲の設定

現在の状態で実行するとMMDの顔の内側まで表示されてしまい,場合によっては結構グロテスクな映像になってしまいます.そこで OVRCameraRig > TrackingSpace > CenterEyeAnchor のInspectorから Camera > Clipping Planes のNearを0.15程度に設定します(MMDによって適当な値に変更してください).これでカメラから0.15以内のオブジェクトは表示されなくなり,MMDの顔を内側から覗くことはなくなります.
image16.png

パラメータ調整

手の角度を調整します.キズナアイのMMDはこのままだと手の角度がおかしいので,左手のターゲットのRotation-Yを90度,右手のターゲットのRotation-Yを-90度に変更します.
image17.png

以上で,Unityからプロジェクトを実行するとHMDでキズナアイを動かせるようになりました.

おまけ

自分の姿を見る

自分の姿を客観的に観測したい場合は,OVRCameraRigの中のCenterEyeAnchorがHMDの視点なので,これを現在のHMDの頭と重なった状態から角度を180度回して少し前に出せば良いです.
image19.png

image18.png

指の制御

OculusFingerというMMDの指にアタッチするだけでコントローラのボタン入力で指を動かせるスクリプトが開発されています.詳細は省きますが,解説付きなので読みながら回転角を調整してあげれば指も動かせるようになりました.

おわりに

Final IKを用いると簡単にMMDの制御ができました.
いろいろなサイトを参考にさせていただいた結果,投稿内容の前半は何番煎じか分からないようなものになってしまいそうになりましたがここからフルトラじゃなくてももっと自然な動きを追求していきたいところです.

参考にさせていただきました

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