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Desktop Linux のディストリビューション整理

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Last updated at Posted at 2026-02-16

これは何?

  • 手持ちのIntel NUC(7th)がぎりぎり Windows11 に更新できず、宙に浮いていた。
  • LinuxでもSteamのゲームが動く、Windowsのプログラムも動かせる、という話を知ったので、久方ぶりに Desktop Linux をゲーム用として構築してみることとにした。昨今、よくある話である。
  • ディストリビューションはサーバ用だと CentOSの後継か Ubuntu Server か、あるいは費用をかけられるのであれば RHEL を考えるが、Desktop Linux のディストリビューションは百花繚乱の状態にある。
  • Desktop Linux のディストリビューションを選ぶにあたり、個人的に整理した事項を記録しておく。
  • なお、整理の結果として、apt系でゲーム向きである「Pop!_OS 24.04 LTS」を使うことにした。プリインストールPCを販売している、デスクトップ環境COSMICがRustで作り直されており使い勝手が良さそう、というのものプラス要素。

警告
2026年2月時点での、個人的な整理であることに留意ください。

1. DistroWatch

ディストリビューションのウォッチングサイト「DistroWatch」では、以下のように説明、分類されている。

Linux ディストリビューションの選択肢の多さと増え続ける数の多さは、Linux 初心者を混乱させる可能性があります。そのため、このページを作成しました。このページでは、世界中の Linux ユーザーに (直接的または間接的に) 最も広く使用されていると考えられている 10 種類の Linux ディストリビューション (および、 BSD の中で圧倒的に人気がある FreeBSD の名誉ある言及) をリストします。これを裏付ける数字はなく、特定の目的により適した他のディストリビューションも多数ありますが、原則として、これらはすべて人気があり、困ったときに質問できる非常にアクティブなフォーラムやメーリング リストがあります。

ディストリビューション 説明
Ubuntu 、Linux Mint、MX Linux 複雑な操作をすべて習得することなく、できるだけ早く Linux で生産性を高めたいと考えている新しいユーザーにとって最も簡単だと考えられています。
openSUSE、Fedora、Debian GNU/Linux、Red Hat Enterprise Linux 他のディストリビューションのベースとしてよく使用される、優れた「中道」ディストリビューションとして分類できます。
Arch Linux、Gentoo、Slackware Linux 効果的に使用できるようになるまでに多くの学習を必要とするより高度なディストリビューションです。

参考・出典(元が英語の場合は機械翻訳、以下同じ):

2. パッケージマネージャによる分類

オープンソース コミュニティへの支援を提供する「Linux Foundation」の「Introduction to Linux (LFS101)」では、パッケージマネージャを元に Debian/Ubuntu系、Red Hat/Fedora系、SUSE系の3つに分類していたが、現状ではこれに Arch Linux系を加える必要があるだろう。

パッケージマネージャ ディストリビューション
apt (.deb) Debian, Ubuntu, Linux Mint, MX Linux, Zorin OS, Pop!_OS
dnf or yum (.rpm) Fedora, Nobara, Bazzite
zypper(.rpm) openSUZE
pacman Arch Linux, CachyOS

サーバでの利用経験のあるものを選択すれば、学習量を削減できる。簡略化した系譜は以下のとおり。

参考・出典:

ソフトウェアの導入

パッケージマネージャの話ついでに、ソフトウェアの導入について整理しておきたい。導入方法は大きく分けて以下の4つ。

1. パッケージマネージャ経由(最も一般的)
各ディストリビューションが用意したリポジトリから、検証済みのソフトを入れる方法。 システム全体で依存関係を管理してくれる。分類は前項のとおり。 安定性が重要なため、更新は遅れる場合がある。

ディストリビュータが標準で提供してないパッケージでも、PPA(Personal Package Archive)を追加することでインストールできるようになるものもある。

2. ユニバーサルパッケージ(次世代の標準?)
ディストリビューションの垣根を越えて、どのLinuxでも動くように設定されたもの。 更新が早いことから、ネットワーククライアント(Webブラウザやコミュニケーションツール)、DCCツール(Digital Contents Creation Tool)に向くと思われる。
メリット デメリット
・更新が早い
・サンドボックスである分安全である
・ライブラリ等の依存ファイルを含むのでファイルサイズが大きくなる
・パフォーマンスがバイナリパッケージより劣る場合がある
・配布レポジトリの制約を受ける
・ローカルリソースへのアクセスへの制限されている

種類はだいたい以下の3通り。どれが利用しやすいかはディストリビューションにより異なる。Ubuntu は当然 Snap 推しで、Linux Mint は Snap に批判的である。Flatpak は Red Hat 主導の開発だが、多くのディストリビューションで利用可能。AppImage も同様にディストリビューションの垣根はないが、供給は多くない。

  • Flatpak: 現在の主流。多くのデスクトップアプリがこれに移行中。メインとなるレポジトリは Flathub だが、自由に構築可能。
  • Snap: Ubuntuの開発元(Canonical社)が推進。サーバーからデスクトップまで幅広い。1企業の管理下にあることで、一定の質や安全性が確保されているとも、自由が制限されているとも言われる。
  • AppImage: インストール不要。実行ファイルをクリックするだけで動く「ポータブル版」のような形式。

参考・出典:

3. バイナリ配布
コンパイル済みの実行ファイルを.tar.gzとして圧縮して配布する。ダウンロードして解凍すればそのまま実行できる。自由な配置が可能だが、更新管理は自前でやらないといけなくなる。
4. ソースからビルド
git clone したり .tar.gz を落としてきて、自分でコンパイルする方法。 最新の機能を使いたい場合や、パッケージ化されていないツールを導入する際に使われる。

サーバ分野では「自分の環境に合わせてソースからビルドするのがプロ」→「野良ビルドは不安定、ディストリビュータが提供するバイナリパッケージを利用するのがプロ」→「サーバサービスはいろいろ前提を要するので、それらをまとめてコンテナ化」の流れがあるが、デスクトップ分野でも「バイナリパッケージ」→「ユニバーサルパッケージ」の流れがあるようだ。

3. ターゲット傾向による分類

「DistroWatch」では学習曲線で「Linux Foundation」ではパッケージマネージャで分類していたが、最速・最新を求めるか安定性を求めるか、汎用かゲーム用途(GPU対応が容易か)か、の2軸、4象限で分けることもできる。
個人的な印象で分類すると以下のようになる。ただし、基本自由であり、不安定版を選択する、パッケージソースを切り替える等でいかようにもできることに留意して欲しい。

カテゴリ 安定性重視 (LTS系) 最新版重視 (Rolling系/最新)
汎用 Debian, Ubuntu, Linux Mint, MX Linux, Zorin OS Fedora, Arch Linux, CachyOS, openSUSE Tumbleweed
ゲーム用途 Pop!_OS Nobara, Bazzite

やりたいこととマッチするかを知るには、各ディストリビューションの公式サイトを眺めるのがてっとり早い。インストールイメージのラインナップでも傾向をある程度把握できる。Bazzite は選択した環境に応じたイメージを取得できる。

Distro Home Install Image
Debian GNU/Linux https://www.debian.org/ ・small installation image
・complete installation image
Ubuntu https://www.ubuntu.com/ ・Ubuntu Desktop 24.04.3 LTS
・Ubuntu Desktop 25.10
Linux Mint https://linuxmint.com/ ・Cinnamon Edition
・Xfce Edition
・MATE Edition
MX Linux https://mxlinux.org/ ・xfce、xfce ahs(Advanced Hardware Support)
・KDE
・Fluxbox
Zorin OS https://zorin.com/os/ ・Pro(有償 ¥8,888)
・Core
・Education
Fedora https://fedoraproject.org/ ・WORKSTATION
・KDE PLASMA DESKTOP
Arch Linux https://archlinux.org/ ・archlinux-2026.02.01-x86_64.iso
CachyOS https://cachyos.org/ ・Desktop Edition
openSUSE https://www.opensuse.org/ ・Tumbleweed(Rolling release)
・Leap(Stable release)
Pop!_OS https://system76.com/pop/ ・Pop!_OS 24.04 LTS
・Pop!_OS 24.04 LTS with NVIDIA
Nobara Linux https://nobaraproject.org/ ・Official
・GNOME
・KDE
・Official-NV(NVはNVIDIA用)
・GNOME-NV
・KDE-NV
Bazzite https://bazzite.gg/ Select your hardware, primary GPU, desktop environment, etc
・bazzite-gnome
・bazzite-gnome Legacy

4. ハードウェア互換性

利用しようとしている機器が認識されるかどうかがまずもって大きな問題である。
問題となることが多いのは、GPUとWiFiチップのようだ。

基本的に対応しているドライバの関係から、古いハードウェアは安定性重視のディストリビューションが、新しいハードウェアは最新版重視のディストリビューションが向いていると思われる。

WindowsとLinuxではドライバの設計思想が異なることにも留意。Windowsは安定した Application Binary Interface(ABI)を提供しており、サードパーティがソースコードを公開しない「プロプライエタリなドライバ」が一般的。対してLinuxは、ABIを固定しない方針を採り、デバイスドライバはオープンソースとしてカーネル本体に統合されるのが一般的。

GPU(Graphic Processing Unit)

画面表示に必要なGPU。3大メーカーは AMD, Intel, NVIDIA である。

AMD (Radeon) / Intel (Arc, iGPU)
ドライバがカーネルに標準搭載されているため、今時のPCであれば基本的に「どのディストリビューションでも動く」。なお、携帯ゲーム機にはAMDが用いられることが多い。
NVIDIA (GeForce)
最適化を求めるとプロプライエタリドライバをインストールする必要があったりするため、「ドライバの導入のしやすさ」が課題となる。ゲーム用ディストリビューションでは、ドライバをプリインストールしたインストーラが提供されていることが多い。

参考・出典:

ちなみに、NVIDIAがかつては Linux に協力的でなかったが、現状は方針が変更されているようだという話は技評の記事が分かりやすい。

その他の機器

WiFiチップ、Blutooth周辺機器は、そのディストリビューションが提供するインストーラで認識されなければ、諦めてカーネルのバージョンが異なる別のディストリビューションを試した方が話が早いだろう。別途ドライバをロードする方法もあったりするようだが、そんな面倒なことはしないのでここでは割愛。

ディストリビューションによってはストレージにインストールせずとも LiveBoot(CDやUSBメモリからの起動)できるので、挙動や周辺機器の動作を確認できる場合がある。

5. リリースサイクル

Desktop Linux としてメジャーな Ubuntu は、サポート期間の短い6ヶ月ごとのリリースと、長期サポート(Long Term Support,LTS)の2年ごとのリリースがある。各バージョンごとにサポート期限が定義されており、LTSの通常利用でのサポート期限はリリースから5年後の「標準サポート終了」までと考えておく。Ubuntu派生のディストリビューションも同様のサポートサイクルを持っている。

Version Code name リリース 標準サポート終了
Ubuntu 25.10 Questing Quokka 2025-10-09 2026-07
Ubuntu 24.04 Noble Numbat (LTS) 2024-04-25 2029-05
Ubuntu 22.04 Jammy Jellyfish (LTS) 2022-04-21 2027-06

ローリングリリース

これに対して、Arch Linux の系統は常に最新の環境を提供するローリングリリースといわれるスタイルである。一度、PCにOSをインストールすれば、比較的小さなアップデートを繰り返すことで、サポート期間中であることが保持される。

Arch Linux は、ローリング リリース モデルに従うことでほとんどのソフトウェアの最新の安定したバージョンを提供することを目指した、独立して開発されたx86-64汎用GNU/Linuxディストリビューションです。

参考・出典:

余談: Steam でのディストリビューションの利用状況

Steamがどういったディストリビューションで利用されているかは「Steamハードウェア&ソフトウェア 調査」で閲覧可能である。下記は「January 2026」のもの。Arch Linux が多いのは、Steam Deck(SteamOS)の影響と考えられる。とすると、実質的には、Linux Mint と Ubuntu がほとんどだろうか。

steam_hwsurvey_202601.png

参考・出典:

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