はじめに
Qiitaイベント用に1つメモがてら下書きを用意していましたが、日の目を浴びずにイベントが終了しました。
今日は 運用保守 の筋肉痛でのんびりしていたのですが、せっかくなので下書きを仕上げて供養することにしました。
世界で一番キライな11文字は ブルガリアンスクワット です。
でもやってます。カイゼンです。
その“効率化”、本当に効率化? 〜みんなが幸せになる業務改善とは〜
効率化って、なんでしょう?
「業務効率化しました!」
そう言われてワクワクしたのに、蓋をあけると仕事が増えている気がする・・・
「業務効率化しました!」
そう伝えてニコニコしていた人が、説明をするうちにみるみる顔が曇っていった・・・
そんな経験、ありませんか?
ここ数年、「DX」「自動化」「ノーコード」「生成AI」など、便利なツールなどが増えた反面、
“本当に効率化になっているのか?” という問いが置き去りになっているケースも見受けられます。
今回は、「業務効率化」という言葉に潜む落とし穴と、
関わるみんながハッピーになる改善のあり方について、
例を交えながら考えてみたいと思います。
その効率化、誰かの非効率になっていませんか?
「業務効率化」とは、聞こえが良く取り組みが称賛されがちですが、
それが 「自分だけの効率化」 になっていないか?という視点が抜けていると、
関係者の負担が増えてしまうこともあります。
よくある例
-
例1:スプレッドシートへの自動出力ツールを用意したけど・・・
→ メンテナンスが属人化して、担当者がいなくなった瞬間に誰も触れなくなった -
例2:Slackで完結する申請フローに変えたら・・・
→ 申請者は楽になったけど、証跡管理が煩雑になり対応漏れが増えた -
例3:有償の便利なドキュメント管理ツールを導入してみたけど・・・
→ 自部署しかライセンスがなくて、他部署との情報共有にタイムラグが発生するようになった
チェックポイント
- 自部署の業務が効率化ができたけど、他の誰かがしわ寄せを受けていないか?
- 非効率が自分以外の誰かに移転しただけ になってないか?
- 業務の一部だけを見て「最適化」していないか?
- 全体を見ると逆に 業務非効率化 を推進してしまっていないか?
なぜ“良かれと思っての業務効率化”が失敗してしまうのか?
振り返ってみると、業務効率化を推進する人は 誰かを苦しめたいと思っていたわけではない はず。
でも、こういった失敗例が生まれてきてしまう。
その要因を読み解いてみます。
要因1: 全体像が見えない状態での業務効率化を行ってしまう(部分最適)
業務フローの一部分しか見えていないまま、ツール導入や自動化を進めてしまうと、
前工程・後工程が破綻する可能性があります。
自分たちの業務の前後に、他の人のどのような業務があるか?を知ることが大切です。
要因2. 関係者の声を聞いていない
起点として「自分が困ってるからこれを改善したい」は正しいですが、
その変更で誰かが困るかもしれない という視点が抜けてしまいがちです。
関係者との対話や連携、調整をしながら検討する必要があります。
要因3. 維持・運用の視点がない
何かを始めるときって熱量が高い状態なので、サクサク進みます。
自分が中心になって進める場合などは特に顕著です。
ただ、作って終わりではなく、「誰が面倒見る?」「どうやって続ける?」など、
持続可能性 を考える必要があります。
ほら、気合い入れてランニングを始めたりジムに通っても
挫折する人って多いじゃないですか?
そういうことですよ。たぶん。
みんながハッピーになる業務効率化とは?
業務効率化に対してネガティブなことだけを言いたいわけではありません。
対案を出さない批判なんて、ただのノイズですから。
みんなで 幸せをつかみとろう!
「みんなが幸せになる効率化」を目指すには、失敗しがちな要因を潰せばいいだけです。
ポイント1:全体フローを理解する
組織が大きくなればなるほど、日頃から全体像を把握するなんて難易度高すぎです。
ただ、業務効率化を進めようとするのであれば、関係する部分をヒアリングしましょう。
聞けばいいんです。
- 自身の業務だけでなく、「前後のつながり」まで確認する
- ざっくりと業務フローを図示して可視化してみるのも効果的です
可視化すると、 非効率の移転 をしないで業務効率化をする方法が見えるかもしれません。
そして、全体を見ると意外と今のままが効率的だったりなんてケースもあったりします。
ポイント2:関係者と会話する
現状把握し、対策を考えたら実行前に意見を聞いてみましょう。
設計レビューみたいな感じです。
- 関連する部署・担当者と早めに相談する
- 「この効率化で困ることないですか?」と素直に聞くことが大事
「ついでに、〇〇もしてくれると嬉しい!」みたいな声が聞こえたりします。
せっかく取り組むなら、一緒にハッピーになっちゃいたいですよね。
ポイント3:作って/始めて終わりにしない
「よし、業務効率化できた!終了!」
・・・では、ないです。ここからがスタートです。
業務の流れなんて変わっていきます。異動や退職で関わる担当者が変わることも往々にしてあります。
- マニュアル・引き継ぎ・運用の仕組み化まで含めて“改善”と考えて動く
- 作った人/始めた人が異動・退職しても、機能し続ける仕組みにしよう
始めることも大切ですが、続けることも大切です。
何かを掲げたのに三日坊主とか、悲しいじゃないですか。
おわりに:効率化を通じて、みんなでハッピーになりたくない?
自分の効率化が、誰かの非効率の上に成り立っている。
これを知ったら、ちょっと気が引けてしまいますよね。
何なら、最初から気付けていればほとんどの人がやらない気がします。
でも、これまでの社会人経験で 意図せずそうなってしまっている 状況を見てきましたし、
自分がそうしてしまっていたことにあとから気づいたことも少なくない回数あります。
A:ツールを入れて担当業務の90%業務効率化できた!!
例えば、業務効率化した結果、自分の業務が50分→5分に短縮できたとします。
効率化の効果は90%削減です。
これだけ見ると、めちゃくちゃ効果が高いですよね!踊りくるちゃいますよね。
でも、それによって関係者の業務が50分→55分になってしまうと、負担が10%増です。
部署 | 人数 | 効率化前 | 効率化後 |
---|---|---|---|
自分 | 1人 | 50分 | 5分 |
関係者 | 20人 | 50分 | 55分 |
関係者が20人いれば、自分の45分を削るために全体としては100分の業務非効率化が発生しています。
なんか、悲しいですよね?
B:ツールを入れて担当業務の50%業務効率化できた!!
事前に全体像を把握して、関係者へのヒアリングや対話を通じて、
方針を考えた結果、90%の業務削減の施策をやめて50%の業務削減に切り替えてみる。
そんな事をすると、ちょっとだけ損した気分になりますよね。
部署 | 人数 | 効率化前 | 効率化後 |
---|---|---|---|
自分 | 1人 | 50分 | 25分 |
関係者 | 20人 | 50分 | 45分 |
一見すると、自分が損をしたように感じるかもしれません。
でも、関係者の業務も少し改善することができたので、全体を見ると125分の業務効率化ができています。
全体観 を持ってみるとBの方が効果的です。
みんなでハッピーになれると嬉しいですよね。
あなたの“効率化”、
本当にみんなを幸せにしていますか?
自分自身、何かの効率化に取り組むとき、この問いを自分に問い続けようと思います。