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肥大化・老朽化したプロダクトをリプレイス無しの運用保守だけでカイゼンしているお話。

Last updated at Posted at 2025-06-17

はじめに

事業部MVPを取った優秀な後輩から「イベントだし、おまえも記事書くよな?」的な圧を感じたので久しぶりに記事を書いてみます。

私はだれ?

社会人歴も四捨五入したら20年。
プログラマーからキャリアが始まり、創業期ベンチャーで様々な職種を兼務して、エンジニアリングマネージャーを長い事つとめてきました。
現在は、なぜかプロダクトマネージャーをやっていたりします。

何の話を書いているの?

EMやPdMをやってきた私が、肥大化・老朽化した 自身のカラダ というプロダクトを運用保守だけでカイゼン活動しているお話を書きます。

肥大化・老朽化したプロダクトをリプレイス無しの運用保守だけでカイゼンしているお話。

前述のとおり、肥大化・老朽化したプロダクトは、 自身のカラダ です。
40年以上、このプロダクトを圧倒的当事者として運営してきました。
私は、このプロダクトのプログラマであり、EMであり、PdMであり、なんだったらCEOです。
(ちなみに、Founderは父ちゃん母ちゃんです。ありがとう父ちゃん・母ちゃん)
そして、もっというとこのプロダクトを通じて価値体験を行っているので、最大の顧客も私です。
一人称をペルソナに呼び替えたいぐらい、自分自身が顧客です。
 
様々なプロダクトの新規開発やグロース、リプレイスを経験してきましたが、 自身のカラダ というプロダクトはさすがにリプレイスのしようがありません。
「ここまで複雑化したプロダクトなら、思い切ってイチから作り直したほうが早くないですか?」
そんなことを言った経験は数知れずですが、カラダというプロダクトをリプレイスすると、もはや別プロダクト・別事業になってしまいます。
心や魂と、カラダの一体性みたいな哲学的な話は脇において、実態としてはリプレイスは不可能です。

以降は、カッコの中を無視して読んでも意味が通り、普段の開発でも活かせるように意識して書いてます。
意識しただけで、完璧ではないですが、念の為、補足まで、、、

なぜカイゼンに取り組み始めたか

プロダクトも肥大化(太った)・老朽化(年を取った)してきました。
このプロダクトは、(人生100年時代とは言っても、)プロダクトライフサイクルと照らし合わせた時、導入期・成長期・成熟期を終え衰退期に入っています。
将来的に運用保守をアウトソーシングする(介護を受ける)ことは避けられませんが、可能な限り手を煩わせないようにソフトランディングをしていかなければいけないな〜と感じたためです。

そもそも運用保守に時間使わなすぎじゃない?

このプロダクトは、 生涯0→1フェーズ で常にプロダクトアウトを目指してきていました。
マーケット(周囲の人達)の声も時には聞きますが、根本的にマーケットイン(どう見られているか)の考え方よりもプロダクトアウト(どうありたいか)を優先してきたプロダクトです。
機能開発(新しい経験・楽しい時間)を優先して、運用保守の時間を蔑ろにしてきた結果、プロダクトは肥大化(増量)し、UIは劣化(お肌ボロボロ)し、UXは最悪(体力・筋力ゼロ)になりました。

機能開発に割く時間が優先されがちだけど、運用保守も大事ですね。

何をやっているの?

ここ数年でいろいろ取り組んでいますが、いくつか紹介しようと思います。

1. UIのメンテナンス

運用保守なので、今更アーティスティックなUI(イケメン)にはなれません。
ただ、無駄で不要なタグ(ムダ毛)を削減(医療脱毛)することで、運用保守の範囲内でUIのメンテナンスをしています。
Webサービスから不要なタグを除去することとの大きな違いは、痛みがある点です。

加えてこまめにパッチ(化粧水)をあてるようにしました。
今まで、不具合(日焼け)が起きた時しかパッチ当ててなかったので、小さいけど大きな進歩です。

2. 型定義とデータ量の可視化

データ(食事)の流入は、型が定まっていません(何も意識しない食事)でした。
とりあえずデータ投入(最低限の食事)できればいいでしょ。でした。
anyでした。

広く知れ渡った一般的に使われる(PFCという)型定義を採用し、データ量(摂取量)を可視化できる外部サービス(あすけん)を導入しました。

毎日、外部サービス(あすけん)から、データ量(食事量)が足りませんと言われて、「今日のプロダクト55点な!」とお小言を言われても頑張ってデータ流入量の増加を目指しています。

3. 対象を絞って集中的なリファクタリング

サイトパフォーマンス(動きのスピード)も、処理能力(一度に動かせる量)も最悪です。
機能単位(部位)を絞って、日々リファクタリング(筋トレ)を行っています。
リファクタリングにも知識やテクニックが必要です。
良かれと思って行ったリファクタリングで大きなバグ(怪我)を産まないように、専門家として外部顧問(パーソナルトレーナー)に入っていただき、ほぼペアプロ(マンツーマン)のリファクタリング(トレーニング)を行っています。

全体的にリファクタを取り組んでいくこと(全身法)もできますが、効果が見えにくいことや多くのリファクタ手法(トレーニング方法)をためしてみたいため、対象を絞り集中的な(分割法を取り入れた)リファクタリングを行っています。

どうやっているの?

やることが決まっていても、なかなか続かないですよね。
思う通りにいかないですよね。
そんなもんですよね。

振り返ってみても、完璧にうまく言った!って言い切れるプロジェクトって少なくないですか?

でも、取り組まなきゃいけないんですよね。
プロダクト(自身のカラダ)が肥大化・老朽化していて、事業(生活)は続いていくんですもの。

1. 習慣化

この習慣化が曲者です。
大体の人が長期の取り組みを失敗する源泉がこれです。
諸悪の根源です。

とりあえずシステムは動いている(とりあえず生きられている)ので、取り組みをやめても影響はなさそうに見えますもの。
なので、外部の力を効果的に使うと良いと思います。

  • 定期的なリマインドを行う(ジムの予定を毎朝LINE通知する)
  • ペアプロの予定を抑えちゃう(ジムを先に予約しちゃう)
  • ついで作業を行う(食事とったら、毎食あすけんに入力する)
  • 取り組みを周囲に伝えておくことで、進捗聞かれた時に答えられるようにしたい!と自分にプレッシャーを与える(「今日はどの部位の日ですか?」って聞いてくれる仲間がいます)
  • リクエストのレートリミットを調整して、それを周囲に話しておく。(飲み会を月に2回までにしてると伝えると、お誘いが「今月、余ってます?」になります。)
  • それを終えないと次の行動ができないようにする(風呂上がりの着替えの上に化粧水を置いておく)

なんとか試行錯誤しながら仕組み化に取り組むと自然と習慣化できるようになってきました。
いつまで経っても完璧なものはないので、試行錯誤していこうと思います。

2. ゆるめに指標を絞って、ゆるめに可視化する

何か新しい機能開発(新しい挑戦や経験)をしているわけではないので、目に見える効果って少ないです。
見える効果も本当に少しずつです。
細かくウォッチすると上がり下がりで一喜一憂しがちなので、取り組みが嫌にならないように、指標と実績値を見られるようにすると、俯瞰してみた時にニヤニヤできます。

KLOC(体重)は重要視せず、目安程度に考えています。
取り入れてウォッチしている指標としては、

  • 循環的複雑度(体脂肪量)
  • インデント(腹囲の減少や腕周りの拡大)
  • 特定の型の流入数(摂取カロリーとタンパク質量)

あたりです。

全部をウォッチしようとするとイヤになってしまうことが分かっているので、指標をゆるく絞って、ゆるくウォッチしています。

まとめ

数年前から、この歳にしてようやく最低限のお肌のケアをするようになりました。
(「美容」というほどではなく、あくまでも最低限の「ケア」レベルです。)
そして、今年に入って年始休暇のタイミングからジムに通い始めました。
ジムの継続率は、3ヶ月で40%以下、半年で30%以下、1年間になると約4%以下らしいです。
もうすぐ30%に生き残れる節目であったので、個人のブログでジムの話でも書こうかな?と思っていました。
 
タイミング良く、社内表彰でMVPを受賞しちゃうような優秀な後輩が「Qiitaのイベント(Qiita Tech Festa)あるからみんなで記事書こうよ!」と呼びかけていたのを聞いたことと、「カラダってリプレイスができないプロダクトみたいだよな〜」とぼんやり思っていたこともあって、掛け合わせの記事を書いてみました。

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