はじめに
Anthropic は Claude Code v2.1.268 をリリースしました。今回の目玉は、タスク管理ツール(TodoWrite / TaskCreate 等)がClaude 5世代でデフォルト無効化されたことと、Artifact ツールの権限モデルが変更されたことの2点です。いずれも既存の CLAUDE.md やカスタム agent/skill、settings.json の権限設定を前提にした運用に直接影響するため、更新前に必ず確認しておく必要があります。
さらに、第三者の Anthropic 互換エンドポイントで全リクエストが HTTP 400 になる回帰バグの修正や、シンボリックリンク経由で deny/ask ルールが効かなくなるセキュリティ修正など、すぐに対応すべき高severityの変更が複数含まれています。
📌 影響を受ける人
- Claude 5 世代(Fable 5.1 / Opus 5 / Sonnet 5 など)に移行予定、または移行済みのユーザー
settings.jsonでWebFetchのdeny/askルールを設定している組織ANTHROPIC_BASE_URLで自社ゲートウェイやプロキシ経由の互換エンドポイントを利用しているユーザー- macOS/Linux でシンボリックリンクされたディレクトリ(
/etc,/tmp,/bin等)への権限制御を行っている環境
変更の全体像
今回のリリースに含まれる変更を、影響範囲別に整理すると以下のようになります。
特に B(破壊的変更) と C(セキュリティ修正) は severity が high であり、Claude 5世代へ移行するチームや、権限ルールでセキュリティ境界を引いている組織は対応が必須です。
変更内容
1. TodoWrite / TaskCreate 系ツールのデフォルト無効化(severity: high)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象ツール |
TaskCreate / TaskGet / TaskUpdate / TaskList / TodoWrite
|
| 提供継続モデル | Claude 3.x、Opus 4.0–4.7、Sonnet 4.0–4.6、Haiku 4.5 |
| 無効化されるモデル | Claude 5 family(Fable 5.1 / Opus 5 / Sonnet 5 など) |
| 回避方法 | 環境変数 CLAUDE_CODE_ENABLE_TODO_TOOLS=1 を設定 |
CLAUDE.md や自作の agent/skill が「タスクは TodoWrite で管理する」といった指示を前提にしている場合、Claude 5 世代ではそのツールがツール一覧に存在せず、指示が無視されるか失敗します。
2. Artifact ツールの権限モデル変更(severity: high)
| 変更点 | 旧挙動 | 新挙動 |
|---|---|---|
| 権限ルールの適用範囲 |
WebFetch の deny/ask で Artifact の読み書きも制御可能 |
WebFetch ルールは Artifact に非適用。Artifact 専用ルールか WebFetch(domain:claude.ai) が必要 |
| Cowork(全承認スキップ)セッション | セッション外・シンボリックリンク先のローカルファイルも読める場合があった | セッション外・シンボリックリンク経由のファイル読み取りを拒否 |
| 権限プロンプトUI | ターミナルでの編集確認が簡易表示 | ドキュメント数・閲覧可能者を表示するカード形式に変更 |
⚠️ Breaking Change
settings.jsonでWebFetchの deny/ask のみで Artifact 操作を制限していた場合、v2.1.268 以降は制限が効かなくなります。Artifact ルールの追加が必須です。
3. その他の high severity 修正
| ID | タイトル | 概要 |
|---|---|---|
| change-003 | 互換エンドポイントの HTTP 400 回帰修正 |
ANTHROPIC_BASE_URL 利用時、Artifact ツールの input schema 内 regex が拒否され全リクエストが失敗していた問題を修正 |
| change-004 | 権限ルールのバイパス修正 | シンボリックリンク経由のパス、env -C/eval を含む行、未信頼folderのagentファイルなど、deny/askルールが無効化されるケースを複数修正 |
| change-005 | シークレット漏洩の修正 | git ソースURLのトークン・パスワード、MCP設定の ${VAR} 解決値がエラーメッセージや /mcp・/plugin 詳細表示に出ていた問題を修正 |
影響と対応
以下の観点でチェックしてください。
-
Claude 5 世代を使う/使う予定がある場合
-
CLAUDE.mdや agent/skill の記述にTodoWrite/TaskCreate前提の指示がないか確認 - 必要なら
CLAUDE_CODE_ENABLE_TODO_TOOLS=1を設定、または記述を削除・注記に変更
-
-
settings.jsonで Artifact/WebFetch を制御している場合-
WebFetchの deny/ask ルールのみで Artifact を制限していないか確認 - Artifact専用ルール、または
WebFetch(domain:claude.ai)を追加
-
-
ANTHROPIC_BASE_URLで自社ゲートウェイ/プロキシを利用している場合- v2.1.268 へ更新すれば HTTP 400 の回帰は解消される
-
macOS/Linux でシンボリックリンクされたディレクトリを権限制御している場合
-
/etc,/tmp,/var(macOS)、/bin(Linux)等のシンボリックリンク先への deny/ask ルールが正しく適用されるか、v2.1.268 更新後に再確認
-
💡 Tips
移行のタイミングでは、まずCLAUDE_CODE_ENABLE_TODO_TOOLS=1を一時的にセットして動作確認しつつ、CLAUDE.md 側の記述をモデル世代に依存しない形に書き換えるのがおすすめです。
コード例
CLAUDE.md の書き換え例
Before(Claude 5世代では機能しない):
## タスク管理方針
複数ステップの作業では必ず TodoWrite でタスクを分割し、
進捗を都度更新すること。
After(世代に依存しない記述 + 環境変数の案内):
## タスク管理方針
複数ステップの作業ではタスクを分割し、進捗を都度共有すること。
Claude 3.x / Opus・Sonnet 4系 / Haiku 4.5 では TodoWrite を使用する。
Claude 5世代でTodoWriteを使う場合は環境変数
`CLAUDE_CODE_ENABLE_TODO_TOOLS=1` を設定すること。
settings.json の Artifact ルール追加例
Before(Artifactも制御できていたつもりの設定):
{
"permissions": {
"deny": [
"WebFetch(domain:example-internal.com)"
]
}
}
After(Artifact専用ルールを明示):
{
"permissions": {
"deny": [
"WebFetch(domain:example-internal.com)",
"Artifact"
],
"ask": [
"WebFetch(domain:claude.ai)"
]
}
}
まとめ
- Claude 5 世代では
TodoWrite/TaskCreate系ツールがデフォルトで使えなくなる。CLAUDE_CODE_ENABLE_TODO_TOOLS=1か記述見直しで対応。 - Artifact ツールの権限は
WebFetchルールから独立した。既存のsettings.jsonを見直し、Artifact専用ルールを追加する必要がある。 -
ANTHROPIC_BASE_URL利用者を直撃していた HTTP 400 回帰と、シンボリックリンク経由の権限バイパス、シークレット漏洩といったセキュリティ修正も含まれており、更新の優先度は高い。 - その他、gateway の料金同期機能やVS Code/Slack/Code Reviewの多数の修正も含まれる大型リリースとなっている。
Claude 5世代への移行を検討しているチームは、今回の2つの破壊的変更を必ず事前にチェックした上でアップデートすることをおすすめします。