はじめに
2026年6月17日、Cursor 3.7 がリリースされ、Agents Window のクラウドエージェント機能が大幅に強化されました。
これまでのクラウドエージェントは「ローカル環境の代替」程度の位置づけでしたが、3.7 ではローカルとクラウドを使い分けながら並列で開発するという全く新しいワークフローが実現されています。
本記事では、追加された3つの機能を具体的なユースケースと合わせて解説します。
📌 影響を受ける人
- Cursor を使って日常的に開発している方
- 複数タスクを並列処理したい方
- チームで開発環境を統一したい方
- CI修正や長時間タスクでローカルが重くなって困っている方
変更の全体像
Cursor 3.7 の変更は大きく3点です。
| 機能 | severity | 概要 |
|---|---|---|
| クラウド環境セットアップ | 🔴 high | 10分以内にクラウド開発環境を構築・スナップショット保存 |
| クラウドサブエージェント(/in-cloud・/babysit) | 🔴 high | 専用VMで長時間タスクをバックグラウンド実行 |
| ローカル↔クラウドのハンドオフ改善 | 🟡 medium | セッションを双方向に確実に移動・並列実行 |
変更内容
1. クラウド環境セットアップ(10分以内・スナップショット対応)
Agents Window のクラウドエージェントが、依存関係のインストールからテスト環境の立ち上げまでを10分以内で完了し、その状態をスナップショットとして保存します。
動作の流れ
チームへの展開方法
セットアップ内容は .cursor/environment.json にコミットするだけで、チーム全員が同じ環境をすぐに使えるようになります。
// .cursor/environment.json の例(概念)
{
"snapshot": "my-project-env-v1",
"dependencies": ["node@20", "postgresql@16"],
"setup_script": "npm install && npx prisma generate"
}
💡 Tips
environment.jsonは.cursor/ディレクトリ内にコミットします。新メンバーのオンボーディングや、CIと同一環境での動作確認に有効です。
2. クラウドサブエージェント(/in-cloud・/babysit)
/in-cloud コマンドで次に送信するタスクをクラウドサブエージェントとして起動できます。サブエージェントは専用の VM と専用ブランチで動作するため、ローカルのワークスペースは一切汚染されません。
ユースケース比較
\babysit によるPR自律管理
クイックアクションのピルまたは /babysit コマンドを使うと、クラウドサブエージェントに PR のマージ準備を繰り返し任せることができます。レビュー指摘への対応・テスト修正・コンフリクト解消などを、親エージェントやローカル作業を止めることなくバックグラウンドで実行させられます。
/babysit <PR番号>
📌 /babysit が特に有効なシーン
- レビュー指摘が複数あり、修正とCIの繰り返しが必要なとき
- マージ準備を任せて別の実装に集中したいとき
- 夜間や席を外す間に PR を前進させておきたいとき
3. ローカル↔クラウドのハンドオフ改善
Cursor 3.7 では、エージェントセッションをローカルとクラウド間で双方向に移動できる信頼性が向上しました。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
| ローカル→クラウド | 長時間作業をマシンからオフロード。マシンをスリープしても継続 |
| クラウド→ローカル | クラウドの変更を手元に引き戻して自分でテスト確認 |
| 並列実行 | クラウドエージェントは上限なく並列起動可能 |
影響と対応
アクション不要のアップデートですが、ワークフローを意識的に変えることで恩恵が大きい変更群です。以下のチェックリストで現在の開発スタイルを見直してみてください。
開発者が取るべきアクション
-
チームリポジトリへの対応:
.cursor/environment.jsonをプロジェクトに追加してチームに展開する -
長時間タスクの切り出し: CI修正・コードベース全体の調査などは積極的に
/in-cloudへ移行する -
PRレビュー対応: 複数の指摘を抱えるPRには
/babysitを試す
コード例
Before: ローカルで全部やる場合
# ローカル環境で依存関係インストール(時間がかかる)
npm install
# エージェントに調査を依頼(ローカルが重くなる)
> Cursorで: "このバグの原因を調査して修正して"
→ ローカルが占有され、他の作業が止まる
After: クラウドエージェントを活用する場合
# クラウドでセットアップ(10分以内、スナップショット保存)
# Agents Window > クラウドセットアップ
# 長時間タスクはクラウドへ
> Cursorで: /in-cloud "このバグの原因を調査して修正して"
→ 専用VMとブランチで実行、ローカルは引き続き他の作業が可能
# PRはサブエージェントに任せる
> /babysit 1234
→ PR #1234 のマージ準備をバックグラウンドで反復
environment.json でチーム共有
// .cursor/environment.json
{
// 環境のスナップショット名(任意)
"snapshot": "my-app-dev-env",
// セットアップスクリプト(例)
"setup": "npm install && docker compose up -d"
}
.gitignore には追加せず、チームリポジトリに含めることで全員が同じ環境をすぐに使えます。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| クラウド環境セットアップ | 10分以内、スナップショット保存、environment.json でチーム共有 |
/in-cloud |
専用VM・ブランチで長時間タスクをローカルと完全隔離 |
/babysit |
PRのマージ準備をサブエージェントが自律反復 |
| ハンドオフ改善 | ローカル↔クラウドを双方向移動、並列実行に制限なし |
Cursor 3.7 は「AIが補助する」から**「AIが並列で自律的に動く」**への転換点と言えます。environment.json のコミット・/in-cloud の活用・/babysit の導入という3つのアクションから始めてみてください。