はじめに
2026年6月22日、Google は Gemini Interactions API の一般提供(GA: Generally Available)を正式に発表しました。
これまでベータ版・パブリックプレビューとして提供されていたこの API が正式版となり、Google は「最新の全機能・全モデルへアクセスするには Interactions API を使うことを推奨する」と明言しています。
Gemini API を使ったアプリケーション開発者・AI エージェント構築者にとって、今後の標準的なアクセス経路が確定したという重要な節目です。既存の実装を見直すタイミングとして捉えましょう。
📌 影響を受ける人
- Gemini API を使ってアプリケーションを開発している方
- AI エージェントや自動化パイプラインを Gemini モデルで構築している方
- Google AI Studio や Vertex AI 経由で Gemini を利用している開発者
- MCP(Model Context Protocol)を活用したエージェント構成を検討している方
変更の全体像
今回の変更は「Interactions API の GA」を中心に、関連する告知・履歴の整理がまとめて行われました。
変更内容
1. Interactions API の GA(一般提供)開始
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 変更種別 | 機能アナウンス(高重要度) |
| 対象 API | Interactions API |
| ステータス変更 | Beta / Public Preview → Generally Available(GA) |
| 推奨度 | Google が最新機能・モデルへのアクセスに推奨と明言 |
| 対応の緊急度 | 要チェック(既存実装の見直しを推奨) |
Interactions API は、Gemini モデルおよびエージェントと対話するための統一インターフェースを提供します。複数の Gemini モデルやエージェントを扱う際に、個別 API を叩き分ける必要がなくなり、一貫した方法でアクセスできるようになります。
2. Gemini Deep Research プレビュー告知の差し替え
トップに掲載されていた以下の告知が削除されました。
"Gemini Deep Research is now available in preview with collaborative planning, visualization, MCP support, and more."
これは Interactions API GA 告知への**差し替え(ローテーション)**によるもので、Deep Research 機能そのものが廃止されたわけではありません。MCP サポートや協調的プランニング・可視化といった機能は引き続き利用可能と考えられます。
3. 変更履歴の文言整理
GA 化に伴い、過去の変更履歴エントリが更新されました。
| 日付 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 2025年12月19日 | "Introduced a breaking change to the Interactions API public preview in v1beta" | "Introduced a breaking change to the Interactions API in v1beta" |
| 2025年12月11日 | "Launched the Interactions API in Beta." | "Launched the Interactions API." |
「Beta」「public preview」という語が削除され、正式版を前提とした表現に統一されています。なお、total_reasoning_tokens フィールドのリネームを含む破壊的変更の記録自体は維持されています。
影響と対応
移行判断フロー
開発者が取るべきアクション
すぐに確認すべき事項:
-
total_reasoning_tokensフィールドを使用している場合
2025年12月19日の破壊的変更でフィールド名がリネームされています。GA 版では変更後の名称が正式となるため、コードを確認・修正してください。 -
Gemini API を独自エンドポイントで呼び出している場合
Interactions API への移行を検討してください。Google が最新機能・モデルへのアクセス経路として推奨しています。 -
AI エージェントを構築している場合
Interactions API はエージェントとの対話にも対応した統一インターフェースです。エージェント連携の実装を見直す機会として活用できます。
コード例
Before: 個別モデル API での呼び出し(旧来パターン)
import google.generativeai as genai
genai.configure(api_key="YOUR_API_KEY")
# 個別モデルを指定して直接呼び出す
model = genai.GenerativeModel("gemini-pro")
response = model.generate_content("Explain how AI works")
print(response.text)
After: Interactions API 経由での呼び出し(推奨パターン)
from google import genai
client = genai.Client(api_key="YOUR_API_KEY")
# Interactions API を使った統一インターフェースでの呼び出し
response = client.models.generate_content(
model="gemini-2.0-flash",
contents="Explain how AI works"
)
print(response.text)
💡 Tips
google-genaiSDK(from google import genai)が Interactions API に対応した新しいクライアントです。従来のgoogle-generativeai(import google.generativeai as genai)から移行する際はパッケージも更新してください。
AI エージェントとの対話例(Interactions API)
from google import genai
from google.genai import types
client = genai.Client(api_key="YOUR_API_KEY")
# エージェントとの対話セッションを開始
response = client.models.generate_content(
model="gemini-2.0-flash",
contents="タスクを分解して実行計画を立ててください: 市場調査レポートの作成",
config=types.GenerateContentConfig(
system_instruction="You are a helpful planning assistant."
)
)
print(response.text)
⚠️ Breaking Change
v1beta においてtotal_reasoning_tokensフィールドがリネームされています。このフィールドを参照しているコードは、GA 版の公式ドキュメントで正式なフィールド名を確認のうえ修正してください。
モデル・API の比較
| 比較項目 | 従来の個別 API | Interactions API(GA) |
|---|---|---|
| 対応スコープ | モデルごとに個別 | Gemini 全モデル+エージェント統一 |
| 最新機能へのアクセス | 機能によって API が分散 | 単一エンドポイントで最新機能に対応 |
| エージェント連携 | 別途実装が必要 | ネイティブサポート |
| MCP サポート | 限定的 | 対応(Deep Research 等) |
| Google の推奨度 | 移行推奨 | 公式推奨 |
| ステータス | レガシー化の可能性 | GA(正式版) |
まとめ
今回の発表のポイントを整理します。
- Interactions API が GA(一般提供)に — Gemini モデルおよびエージェントと対話する統一インターフェースとして正式リリース
- Google が最新機能・モデルへのアクセス経路として Interactions API を推奨 — 新規開発は Interactions API を基本とすべき
-
v1beta の破壊的変更(
total_reasoning_tokensリネーム)は GA 版に引き継がれる — 既存コードの確認が必要 - Gemini Deep Research の機能(MCP・協調的プランニング・可視化)は引き続き利用可能 — トップ告知の差し替えは機能廃止ではない
Gemini を使った開発の「標準的なアクセス経路」が Interactions API に集約された今が、既存実装を見直す絶好のタイミングです。GA 化により API の安定性も向上しているため、プロダクション環境への採用も積極的に検討できるフェーズに入りました。