はじめに
2026年7月25日、Anthropic の Claude API に関する複数のアップデートが発表されました。中でも最も注意が必要なのが Claude Opus 4.7 の fast mode 廃止 です。
これまで claude-opus-4-7 に speed: "fast" を指定すると高速応答が得られていましたが、この機能が削除され、該当リクエストは フォールバックなしでエラー を返すようになりました。前バージョンの Claude Opus 4.6 では速度指定が無効でも標準速度に自動フォールバックしていたため、同じ感覚でアップグレードや運用を続けていると、本番環境で突然エラーが発生する可能性があります。
あわせて、会話途中でツールを追加・削除してもプロンプトキャッシュを維持できるベータ機能の対象モデルが拡大されたことと、effort パラメータに関するドキュメント文言の明確化についても紹介します。
📌 影響を受ける人
claude-opus-4-7をspeed: "fast"付きで呼び出しているアプリケーション・エージェントの開発者- Claude Opus 4.6 からの移行を予定している、またはすでに移行済みのチーム
- 動的にツールセットを切り替えるエージェントを Claude Fable 5 / Mythos 5 / Opus 4.8 で構築している開発者
変更の全体像
fast mode のサポート状況をモデル世代ごとに整理すると、次のようになります。
もう一つの変更である「会話途中のツール変更ベータ」の対象拡大は、キャッシュ維持の仕組みとして次のように動作します。
変更内容
今回のアップデートに含まれる変更をまとめます。
| ID | 変更内容 | severity | 対応要否 |
|---|---|---|---|
| change-001 | Claude Opus 4.7 の fast mode 廃止(speed: "fast" がエラー) |
🔴 critical | 必須 |
| change-002 | 会話途中のツール変更ベータの対象モデル拡大 | 🟡 medium | 任意(該当者のみ) |
| change-003 |
effort パラメータに関するドキュメント文言の更新 |
🟢 low | 不要 |
change-001: Claude Opus 4.7 の fast mode 廃止(Critical)
⚠️ Breaking Change
claude-opus-4-7に対してspeed: "fast"を指定したリクエストは、これまでのように標準速度へフォールバックせず 即エラー になります。claude-opus-4-7自体は標準速度であれば引き続き利用可能です。
対象モデルと挙動の違いは以下の通りです。
| モデル |
speed: "fast" 指定時の挙動 |
|---|---|
| Claude Opus 4.6 | 未対応時は標準速度に自動フォールバック |
| Claude Opus 4.7 | エラー(フォールバックなし) |
| Claude Opus 5 | fast mode 対応、正常動作 |
| Claude Opus 4.8 | fast mode 対応、正常動作 |
fast mode を使い続けたい場合は、Claude Opus 5 または Claude Opus 4.8 への移行が必要です。
change-002: 会話途中のツール変更ベータの対象拡大(Medium)
従来 Claude Opus 5 限定でベータ提供されていた「会話ターン間でのツール追加・削除時にプロンプトキャッシュを維持する」機能が、以下のモデルでも利用可能になりました。
- Claude Fable 5
- Claude Mythos 5
- Claude Opus 4.8
- Claude Opus 5
利用にはリクエストにベータヘッダー mid-conversation-tool-changes-2026-07-01 を含める必要があります。動的にツールを切り替えるエージェント(例: ユーザーの権限やタスク内容に応じてツールセットを変える設計)では、キャッシュ再利用によるコスト・レイテンシ改善が期待できます。
change-003: effort パラメータの位置づけ明確化(Low)
機能自体の変更はありませんが、ドキュメント上で「effort は Claude Opus 5 を制御する 主要な手段(primary control) である」と明記されました。low / medium / high / xhigh / max の全段階をサポートし、capability が重要なタスクには max を使うことが推奨されています。
影響と対応
-
必須対応(change-001)
- コードベース全体で
claude-opus-4-7とspeed: "fast"の組み合わせを検索し、洗い出す - fast mode を維持したい箇所は、モデル指定を
claude-opus-5またはclaude-opus-4-8に変更する - fast mode が不要であれば
speedパラメータ自体を削除し、claude-opus-4-7を標準速度で使い続ける - CI やステージング環境で
speed: "fast"+claude-opus-4-7のリクエストが通っていないか事前に確認する
- コードベース全体で
💡 Tips
Claude Opus 4.6 で「speed指定が効かなくても動いていた」場合、Opus 4.7 へのアップグレード時にこのエラーへ初めて気づくケースが多いです。モデル移行時は必ずspeedパラメータの組み合わせをリグレッションテストに含めましょう。
-
任意対応(change-002)
- 動的にツールセットを切り替えるエージェントを Claude Fable 5 / Mythos 5 / Opus 4.8 / Opus 5 で運用している場合、ベータヘッダー
mid-conversation-tool-changes-2026-07-01を追加してキャッシュ維持の恩恵を検証する
- 動的にツールセットを切り替えるエージェントを Claude Fable 5 / Mythos 5 / Opus 4.8 / Opus 5 で運用している場合、ベータヘッダー
-
対応不要(change-003)
- ドキュメントの文言変更のみのため、既存の
effort設定を変更する必要はありません
- ドキュメントの文言変更のみのため、既存の
コード例
Before(Claude Opus 4.7 + fast mode)
import anthropic
client = anthropic.Anthropic()
# これまでは動いていた想定のリクエスト
response = client.messages.create(
model="claude-opus-4-7",
speed="fast", # 廃止対象
max_tokens=1024,
messages=[{"role": "user", "content": "こんにちは"}],
)
このリクエストは今後 エラー になります。
After(推奨: モデルを移行)
import anthropic
client = anthropic.Anthropic()
# fast mode を維持したい場合は Opus 5 / Opus 4.8 へ移行
response = client.messages.create(
model="claude-opus-5", # または "claude-opus-4-8"
speed="fast",
max_tokens=1024,
messages=[{"role": "user", "content": "こんにちは"}],
)
After(代替: 標準速度のまま Opus 4.7 を継続利用)
import anthropic
client = anthropic.Anthropic()
# speed パラメータを外して標準速度で利用
response = client.messages.create(
model="claude-opus-4-7",
max_tokens=1024,
messages=[{"role": "user", "content": "こんにちは"}],
)
会話途中のツール変更ベータを利用する場合
response = client.messages.create(
model="claude-fable-5", # Fable 5 / Mythos 5 / Opus 4.8 / Opus 5 で利用可能
max_tokens=1024,
extra_headers={
"anthropic-beta": "mid-conversation-tool-changes-2026-07-01"
},
tools=[...], # ターンごとにツール構成を変更してもキャッシュを維持
messages=[...],
)
まとめ
-
Claude Opus 4.7 の fast mode は廃止され、
speed: "fast"指定のリクエストはフォールバックなしでエラーになります。fast mode を継続したい場合は Claude Opus 5 または Opus 4.8 への移行が必須です - Claude Opus 4.7 自体は標準速度であれば引き続き利用可能なので、
speedパラメータを外すだけで解決するケースもあります - 会話途中のツール変更を伴うプロンプトキャッシュ維持ベータが Claude Fable 5・Mythos 5・Opus 4.8・Opus 5 に拡大され、ベータヘッダーを付与するだけで利用できます
-
effortパラメータについては機能変更はなく、ドキュメント上の位置づけが明確化されたのみです
特に fast mode の破壊的変更は、モデル移行時にエラーとして初めて顕在化しやすいため、リリース前にリクエストの組み合わせを必ず確認しておきましょう。