はじめに
2026年6月5日、Anthropic が Claude Code の新バージョン v2.1.163 および v2.1.165 をリリースしました。
今回の目玉は、組織での運用管理を強化するバージョン強制機能の追加です。requiredMinimumVersion / requiredMaximumVersion を使うことで、エンジニアが古いまたは新しすぎるバージョンで Claude Code を起動することをブロックできるようになりました。加えて、/plugin list コマンドの追加、Stop/SubagentStop フックの改善、そして claude -p ハングや $TMPDIR 退行を含む多数のバグ修正が含まれています。
📌 影響を受ける人
- Claude Code を組織・チームで運用している管理者
- CI/CD パイプラインで
claude -pを使っている開発者- Bedrock / Vertex AI / Azure AI Foundry 経由で Claude を利用している開発者
- MCP サーバーやカスタムフックを実装している開発者
変更の全体像
変更内容
1. バージョン強制(requiredMinimumVersion / requiredMaximumVersion)
⚠️ Breaking Change(組織管理者向け)
マネージド設定でバージョン範囲を設定すると、範囲外の Claude Code は起動を拒否されます。既存の設定に追加する場合は、現在チームで使用しているバージョンを事前に確認してください。
| 設定キー | 説明 |
|---|---|
requiredMinimumVersion |
この値より古いバージョンの起動を拒否する |
requiredMaximumVersion |
この値より新しいバージョンの起動を拒否する |
組織で特定バージョンの Claude Code を強制展開したい場合や、セキュリティ審査済みのバージョン以外の使用を禁止したい場合に活用できます。
2. /plugin list コマンド
インストール済みプラグインを一覧表示できる /plugin list コマンドが追加されました。--enabled / --disabled フラグでフィルタリングが可能です。
3. Stop/SubagentStop フックの additionalContext 対応
Stop および SubagentStop フックが hookSpecificOutput.additionalContext を返すことで、フックエラー扱いにならずに Claude へフィードバックを渡しつつターンを継続できるようになりました。
4. 主なバグ修正一覧
| 修正内容 | 影響範囲 |
|---|---|
claude -p がバックグラウンドコマンド終了後に無限ハングする問題 |
CI/CD 利用者 |
$TMPDIR が全コマンドで /tmp/claude-{uid} に上書きされる退行(v2.1.154 で混入) |
bazel・EDR 保護環境の利用者 |
CI=true かつ API キー未設定時に Bedrock/Vertex/Foundry で誤エラーが発生する問題 |
クラウドプロバイダー経由の利用者 |
Windows で OneDrive 配下などで EEXIST エラーが発生する問題 |
Windows 利用者 |
| 組織の権限ルールが新規 config ディレクトリ起動中に適用されない問題 | マネージド設定利用者 |
claude agents バックグラウンドセッションが再アタッチ後にタスクを失う問題 |
エージェント利用者 |
フックの if: "Bash(...)" 条件が $() や $VAR を含むコマンドで誤発火する問題 |
フック実装者 |
$HOME 経由の deny ルール(例: Read(~/Desktop/**) )が Bash コマンドをブロックしない問題 |
権限設定利用者 |
stdio MCP サーバーが --resume 時に CLAUDE_CODE_SESSION_ID を受け取れない問題 |
MCP サーバー開発者 |
影響と対応
管理者向け:バージョン強制の設定手順
CI/CD 利用者向け
claude -p のハング問題が修正されました(stdin クローズ後、約5秒でバックグラウンドシェルを停止)。v2.1.154〜v2.1.162 を使用しており CI が不安定だった場合は v2.1.163 以降へのアップデートを推奨します。
Bedrock / Vertex / Foundry 利用者向け
CI=true 環境で ANTHROPIC_API_KEY を設定していないにも関わらず ANTHROPIC_API_KEY required エラーが出ていた場合、v2.1.163 で修正されています。
コード例
Before/After:Stop フックの additionalContext
Before(v2.1.162 以前)
// hookSpecificOutput に additionalContext を返しても無視される
// フックがフィードバックを返すには exit code を使うしかなかった
{
"exit_code": 1,
"message": "処理を停止します"
}
After(v2.1.163 以降)
// additionalContext を返すとフックエラーなしで Claude へフィードバックを渡せる
{
"hookSpecificOutput": {
"additionalContext": "デプロイ前にテストが失敗しています。修正してから再実行してください。"
}
}
💡 Tips
additionalContextを使うと、フックを「エラー」として扱わず Claude のターンを継続させながら追加情報を渡せます。ポストプロセス的なチェックや、条件に応じた追加指示の注入に活用できます。
バージョン強制の managed settings 設定例
{
"requiredMinimumVersion": "2.1.163",
"requiredMaximumVersion": "2.1.165"
}
この設定を managed settings に追加すると、v2.1.163 〜 v2.1.165 の範囲外のバージョンでは Claude Code が起動時に拒否メッセージを表示し、承認済みバージョンへのアップデートを案内します。
Skills の \$ エスケープ構文
# v2.1.163 以前:数字の前にリテラルの $ を書けなかった
# v2.1.163 以降:\$ でエスケープできる
echo "バージョン: \$1.2.3"
# → バージョン: $1.2.3
まとめ
| リリース | 主な内容 | 対応優先度 |
|---|---|---|
| v2.1.165 | バグ修正・信頼性向上(詳細非公開) | 低(随時アップデート推奨) |
| v2.1.163 | バージョン強制機能追加・多数のバグ修正 | 高(CI/CD・組織利用者は早期対応推奨) |
v2.1.163 は組織ガバナンスの観点で重要な新機能を含みつつ、claude -p ハングや $TMPDIR 退行など実害の出ていたバグを多数修正しています。特に CI/CD で Claude Code を使っている環境や、Bedrock/Vertex/Foundry 経由で利用している場合は早めのアップデートをお勧めします。