はじめに
2026年9月、Claude Code v2.1.280 がリリースされました。今回の目玉は新モデル Claude Opus 5.5 の追加と、それに伴う各プランのデフォルトモデル変更です。あわせて、シンボリックリンク(symlink)を悪用した書き込みで権限チェックがすり抜けてしまう重大な不具合(severity: critical) が修正されており、acceptEdits や allow ルール、auto mode を使っている開発者は特に確認が必要です。
本記事では、この2点を中心に、effort(思考努力レベル)の適用ルール変更やダイアログ操作の破壊的変更など、実務上インパクトのある変更をまとめます。
📌 影響を受ける人
- Pro / Team Standard プランで Claude Code を使っている人
acceptEditsや allow ルール、auto mode でファイル書き込みを自動承認している人(CI・自動化パイプライン含む)- Agent SDK や
claude -pで/effort・effortLevelを明示指定している人
変更の全体像
デフォルトモデルの統一
これまで Pro / Team Standard だけ Sonnet がデフォルトでしたが、今回全プランのデフォルトが Opus(Opus 5.5)にそろいました。
symlink 権限バイパスの修正フロー
より深刻なのはこちらです。シンボリックリンクを経由した書き込みが「表記上のパス」で判定されていたため、実際にはリポジトリ外に書き込まれる操作でも自動承認されてしまうケースがありました。
変更内容
1. Claude Opus 5.5 の追加(新機能・severity: high)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデルID | claude-opus-5-5 |
| コンテキストウィンドウ | 1M トークン |
| 入力料金 | $4 / 100万トークン |
| 出力料金 | $20 / 100万トークン |
| プロンプトキャッシュ読み取り | $0.20 / 100万トークン |
Claude Code のデフォルト Opus モデルとして採用され、Messages API 経由でも利用可能です。
2. Pro・Team Standard のデフォルトが Opus に(announcement・severity: high)
| プラン | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| Pro | Sonnet | Opus 5.5 |
| Team Standard | Sonnet | Opus 5.5 |
| Max | Opus | Opus 5.5 |
| Team Premium | Opus | Opus 5.5 |
| Enterprise | Opus | Opus 5.5 |
全プランのデフォルトが統一されたことで、利用量・上限の消費ペースが変わる可能性があります。
3. symlink 経由の権限バイパス修正(bugfix・severity: critical)
⚠️ Breaking Change
acceptEdits・allow ルール・auto mode は、symlink を経由してリポジトリ外に着地する書き込みを、今後は自動承認しません。これまで「自動承認されていた」自動化フローが、確認待ちに変わる可能性があります。
確認プロンプトには、これまでの表記上のパスではなく 実際の書き込み先 が表示されるようになります。
4. effort レベルの適用ルール変更(breaking_change・severity: medium)
-
/effortがモデルごとの設定になる前に保存された effort レベルは、Opus 5.5 のような新モデルには引き継がれません。新モデルは選び直すまでデフォルト値で動作します。 - Opus 4.7・Opus 4.8・Fable 5 は、これまで発売時のデフォルト effort を優先していましたが、今後は
-p・Agent SDK の/effort、プロジェクト設定、--settingsのeffortLevel、モデルごとのレベル指定が優先されます。
その他の注目変更
| 変更 | 概要 | action_required |
|---|---|---|
| y/n キー廃止 | ダイアログの確定/キャンセルが Enter / Esc に統一。y/n が効かなくなる | ○ |
| PermissionRequest フック |
agent タイプのフックが実行されなくなり、command/http フックへの移行が必要 |
○ |
| セルフホストランナー | ライフサイクルフック内の git がランナー共有設定を無視。GIT_ALLOW_PROTOCOL の指定が必要な場合あり |
○ |
| MCP 説明文の上限変更 |
CLAUDE_CODE_MAX_MCP_DESCRIPTION_LENGTH でMCPツール説明文の上限(デフォルト2,048文字)を変更可能に |
- |
影響と対応
- Pro / Team Standard ユーザー: デフォルトが Opus に変わったことで、想定より早く利用上限に達する可能性があります。コスト・利用量を抑えたい場合は明示的に Sonnet を指定してください。
-
自動化パイプライン・CI で symlink を扱っている人:
acceptEdits・allow ルール・auto mode に依存した自動承認フローが、今回の修正で確認待ちに変わる場合があります。symlink 経由の書き込みを含む運用は事前に洗い出しておきましょう。 -
SDK や
claude -pで effort を指定している人: Opus 4.7/4.8/Fable 5 では指定した effort が確実に反映されるようになったため、これまで「指定していたのに効いていなかった」ケースでは挙動が変わります。逆に Opus 5.5 など新モデルでは effort を明示的に選び直す必要があります。 -
PermissionRequest フックを
agentタイプで組んでいる人: 今後は動作しないため、commandフックかhttpフックへの移行が必要です。
コード例
symlink 権限判定の Before/After
# 修正前:シンボリックリンクの「見た目のパス」で判定していた
ln -s /etc/important-config ./project/config.json
# acceptEdits が「project/config.json への書き込み」として自動承認
# → 実際には /etc/important-config に書き込まれてしまう
# 修正後:symlink の解決先(実際の書き込み先)で判定
# → 確認プロンプトに /etc/important-config が表示され、
# ツリー外への書き込みとして自動承認されない
effort 指定の挙動変化(Opus 4.7 / 4.8 / Fable 5)
# 修正前: 発売時のデフォルト effort が優先され、
# --effort high を指定しても無視されることがあった
claude -p "リファクタリングして" --effort high
# 修正後: 指定した high が確実に優先される
claude -p "リファクタリングして" --effort high
まとめ
- Claude Opus 5.5 が追加され、Claude Code のデフォルト Opus モデルに。1M コンテキスト、入力 $4/出力 $20(100万トークンあたり)。
- Pro・Team Standard のデフォルトも Opus 5.5 に統一され、全プランでデフォルトモデルがそろった。
- symlink 経由の権限バイパスを修正(severity: critical)。acceptEdits・allow ルール・auto mode を使う自動化フローは挙動変化の確認が必須。
- effort の適用ルールが変更され、Opus 4.7/4.8/Fable 5 では指定通りに動くようになった一方、新モデルには旧設定が引き継がれない。
- そのほか y/n キー廃止、PermissionRequest の agent フック停止など、破壊的変更が複数含まれるため、自動化・CI 環境を運用している場合はリリースノート全体の確認をおすすめします。