この記事は「Elixir Advent Calendar 2019」の25日目です
昨日は、@hidetaka-f-matsumoto さんの「Elixir/Phoenix + Neo4j でお手軽!高速!経路探索」でした
piacereです、ご覧いただいてありがとございます
Merry Xmas!(半日遅れではありますが…)
fukuoka.ex Elixir/Phoenix Advent Calendar 2019、Xmasまでの25日間を走り切りました
多くの執筆していただいた方々、そしてたくさんの応援をいただいた皆さまに感謝を込めて、今回のコラムをお届けします
テーマとしては、今年を軽く振り返りつつ、来年以降のロードマップを描くためのネタを妄想する…という感じにしようと思います
ちなみに、ここら辺に関連したコラムとして、以下を既にリリースしていますので、よろしければ、これらもご覧ください
内容が、面白かったり、役に立ったら、「いいね」よろしくお願いします
お知らせ:明日12/27(金)19時、FM KITAQ& YouTubeライブで「量子コンピュータ」回生放送
私のラジオ番組「Technology Cruising Night」で、海外進出し、世界の量子コンピュータプレイヤー達と渡り合い、「いちばんやさしい量子コンピューターの教本」という本も書く湊 雄一郎さんがゲスト出演します
FM KITAQは、78.5 MHzでラジオ放送しているだけで無く、サイマルラジオやTuneInアプリでも視聴できますし、YouTube「FM KITAQ」チャンネルからも見ることができます
Elixirコミュニティの活況とリモート参加率の高さ |> 「寛容」と「卓越」の両立
今年は、国内Elixirコミュニティの発足や活性化のお手伝いをする機会が、とても多かったのですが、改めて数えてみると、ナント全国で、20箇所もあるのです
うち半数がリモート参加可能となっており、これだけの規模/頻度で開催されているプログラミング言語コミュニティ群は、Elixir以外に無い状況では無いかと思います
今年のElixir関連Advent Calendarでも、幾つかのElixirコミュニティが、現在の活動内容をシェアしてくれていますので、ぜひご覧ください
- 小倉Elixirコミュニティ「kokura.ex」(オーガナイザ @im_miolab さん)
- 「プログラミング言語Elixirの北九州コミュニティ「kokura.ex」についてお話します!」
- 愛知Elixirコミュニティ「清流elixir」(オーガナイザ @takamizawa46 さん)
- 「よわよわな新卒が運営する勉強会の開催までの経緯と得られた知見」
- Elixir女子部「エリジョ」(オーガナイザ @gkumi5638 さん)
- 「エリジョ(Elixir女子部)を始めてみて」
なお、毎月MeetUpやもくもく会を開催しているコミュニティ(中には週単位で開催されているものも…)は、下記の通りです(開催回数の多い順に上から並べています)
- 札幌Elixirコミュニティ「Sapporo.beam」…ナント302回を突破!(いつ発足なんだろう?@niku さん)
- 福岡Elixirコミュニティ「fukuoka.ex」…2017年6月発足で34回開催(月平均すると1.1回)
- 愛知Elixirコミュニティ「清流elixir」…2019年3月発足で16回開催(月平均すると1.6回)
- 小倉Elixirコミュニティ「kokura.ex」…2019年10月発足で4回開催(月平均すると1回)
- Elixir女子部「エリジョ」…2019年11月発足で3回開催(月平均すると2回)
こうした活発で強力なコミュニティがたくさんあり、そこに集まる参加者が未来志向で前向き、でもあまりガツガツしておらず、どちらかと言えば「のほほん」としているところが、Elixirの1つの魅力だと感じています
そして、このテイストは、今、日本が失いつつある、大事な以下2つを体現するものでもあると思っています
1.寛容であること = 「厳密さ」「正しさ」より「受け入れ幅」「器の大きさ」を基礎とし、挑戦や失敗を認める
2.卓越していること = 寛容さを保ちつつも、世界と渡り合う強さや「引き籠もらない明るさ」で挑戦し続ける
福岡はもはや概念でしか無いw…外に出ていくfukuoka.ex
fukuoka.exとしても、インタビューに答えたり、福岡以外の場所に出向いたり、Elixirコミュニティ以外での登壇でElixirを紹介することが多数あり、相当なハイペースでした
かなり多いので、ElixirConf JP 2019開催前後で、前半戦/後半戦と分けてみました
■前半戦(ElixirConf JP 2019開催前)
- Fukuoka.LT【2018年12月】
- 学生エンジニアがElixirとfukuoka.exにハマる理由
- fukuoka.exインタビューコラム「純粋に、プログラミングの楽しさを伝えたい」【2018年12月】
- Lonestar ElixirConf 2019【2019年3月】
- Hastega: Challenge for GPGPU on Elixir
- fukuoka.ex#21:Lonestar Elixir Conf 2019報告+世界デビュー祝【2019年4月】
- オースティンから見えてきた「ElixirでIoT」の世界 ~「Nerves」が拓くElixirでのデバイスコントロールを総レビュー~
- Lonestar ElixirConf 2019から知る世界のElixir事情
- Shinjuku.ex #12【2019年5月】
- Erlang & Elixir Fest 2019【2019年6月】 ※fukuoka.exから7名参戦
- japan.ex #1【2019年6月】
- e-ZUKA Tech Night vol.48 - fukuoka.exにハイジャックされちゃう会 -【2019年7月】
- FUKUOKA Engineers Day 2019 ~Summer~【2019年7月】
- Why Elixir? ~今この時代に、なぜElixirを選ぶのか?必要とするのか?~
- ElixirConf US 2019【2019年9月】
- Return of Wabi-Sabi: Computational Power for Elixir
- Cockatrice: A Hardware Design Environment with Elixir
- SWEST21「組込みシステム技術に関するサマーワークショップ」【2019年9月】
- fukuoka.exは「ベストプロジェクト賞 ブロンズ」を受賞しました(下図)
コチラが、SWEST21でfukuoka.exが受賞した、「ベストプロジェクト賞 ブロンズ」の表彰状です
- ElixirConf JP 2019 Kokurajo【2019年9月】 ※fukuoka.exから7名参戦
- 今、ElixirConf JP を小倉城で開催する歴史的な背景と価値とは?超並列高速処理系「Hastega」とNerves、そしてElixirが作る未来 Historical Background & Value of Venue of ElixirConf JP, Kokura-jo The Future Created by Hastega, Nerves and Elixir
- 並列ライブラリ「Flow」の破壊的パラダイムシフトとデータ処理の未来 The destructive paradigm shift by "Flow" and future data processing
- 再生可能エネルギー発電所でIoT!? Elixir で叶える「仮想発電所」技術 -リアルワールドも Elixir のごとく地域分散・協調社会へ- Towards a technology for Virtual Power Plants in Elixir To enhance the sustainability of rural areas with renewable energy
- 登山プラットフォームYAMAPでの Elixir 導入事例 -2.5年間の Elixir 運用で実感した安定性、高速レスポンス、省メモリ- Elixir case study on mountaineering platform YAMAP Stability, high-speed response, and memory saving realized through 2.5 years operation
- Cockatrice: A Hardware Design Environment with Elixir [JP edition]
- 「ElixirでIoT」が描いている未来予想図 ~Nerves PJを受けて~ A Suggestion for the Future Direction of “Elixir for IoT”
- Elixir、そしてあなたと共に歩む道 ~世界へ進出し、産業を変革する3年間~ Way with Elixir and YOU
-We will advance to the world and transform the industry within 3 years-
Lonestar ElixirConf 2019への参戦を皮切りに、海外との交流も始まり、まだナイショですが、来年のElixirConf JP 2020では、恐らく世界で最も大規模にElixirを担いで事業展開している企業が来日する方向で進んでいます
■後半戦(ElixirConf JP 2019開催後)
- Fukuoka.dev #3 - やっぱりクラウドネイティブ -【2019年9月】
- 昨年12月から、AWSでElixirが使えてた(Lambdaもね)ってご存知ですか? (Do you know that you can use Elixir on AWS (and Lambda) since December last year?)
- 「tokyo.ex」とコラボ、Elixir本体ソースコードもくもくリード会【2019年9月】
- 新・北九州を考える会
- 北九州とアジア、そして世界のITを変革するIoT/AI/Web技術を小倉城で発表しました (We declarated IoT/AI/Web techs on Kokura Castle that will change IT in Kitakyu, Asia, and the World)
- @kikuyuta さんの[高知Elixirコミュニティ「kochi.ex」] (https://kochi-ex.connpass.com/)【2019年10月】
- kochi.ex 発足会・記念講演会 #2で「招待講演: Elixirでインダストリー4.0」
- fukuoka.ex#32:秋のElixir LT大会
- 北九州でやっているElixir事業展開 ~5,000億円持っていたら何をしますか?~ (The Elixir business development in Kitakyu - What you can do if you had 5,000 billion yen? -)
- 関数型プログラミングカンファレンス2019 in Japan【2019年11月】
- ElixirとHaskellの根底にある同じものそして、Elixirが辿った道(The same thing that underlies Elixir & HaskellAnd the road Elixir would have followed)
現在、fukuoka.exには、福岡だけで無く、全国各地および外国人まで含む、総勢55名の運営者/協力者がジョインしており、上記のような福岡以外への遠征/コラボも多いため、「fukuoka.exの『福岡』はもはや概念でしか無いw」と言うのが、最近のfukuoka.ex内の通念になっています
Elixir専門学校「Elixir |> College」を開校
恐らく日本初の関数型プログラミング言語に特化した専門学校「Elixir |> College」を開校しました(もし違っていたら教えてください)
2019年11月から、福岡(北九州校)での第1期開催を皮切りに、全国各地のElixirコミュニティの協力/サポートも受けながら、全国展開していく予定です
Elixir |> Collegeは、ただのプログラミングスクールでは無く、以下のようなミッションを帯びています
- 欧米から10~15年遅れている国内のプログラミングリテラシーを一気に引き上げ、海外と対等に並ぶ
- Elixir/Phoenixの習得に限らない、AI・ML/データサイエンス、GraphQLといった応用技術も教える
- プログラミングだけで無く、PJマネジメントやアジャイル開発手法も教える
- エンジニアだけで無く、起業家や事業オーナーも受講できるシリーズを提供する
- 「事業は強いけどITは弱い起業家/実業家」「ITは強いけど事業は弱いエンジニア起業希望者」の両方をフォローする
- ITスタートアップが陥る「想定外のグロースによるシステム破綻」に対し、Elixirの特性でクリアする
- Elixir採用企業の求人/求職に有利になるようなシリーズも提供していく
- 当初は国内企業向けだが、こなれてきたら海外企業へのパスも提供する
- 既存プログラミングスクールが抱える「質に見合わない業界常識としての高価格帯」の徹底的破壊
こうした、ただならぬ特徴を持った「Elixir |> College」に、どうぞご期待ください
「Digitalization Dock」というコンセプト
2017年6月からスタートしたfukuoka.exの活動コンセプトは、以下のようなものでした
福岡におけるElixir人口を増やし、Elixir+Phoenixをプロダクション採用してもらう
このコンセプトを体現すべく、福岡/北九州での様々な企業のWeb+DB開発現場に、Elixir/Phoenixを投入し続けてきました
その結果、「fukuoka.exがあるから安心してElixirを採用できる」とまで企業で決済権ある方々から言ってもらう存在となりました
そして現在、通常のWeb+DB開発に限定されない技術(AI・ML/データサイエンスやIoTなど)とElixirを結びつける活動に邁進しています
その先には、「Nerves/Elixir/Phoenixによるエッジコンピューティングの可能性+α」でも書いた通り、Society 5.0/インダストリー 4.0と言った、次世代のコンピューティングをElixir中心で実現していく構想も当然、視野に入れています
そして、これらを実現する上で欠かせないのは、「起業家/事業家の存在です」
Elixir |> Collegeで挙げた通り、「事業は強いけどITは弱い起業家/実業家」「ITは強いけど事業は弱いエンジニア起業希望者」の両方に、教育を授けることは、実現フェーズに入っていますが、同時に、「事業プレイヤーとしてElixirで活躍できる場」の提供をどうにかできないか、この2年半、ずっと考えていました
ご存知の通り、国内IT人材流通市場では、Elixir求人は、ほとんで出回っていません
そんな中、世界のプログラマ年収ランキングでElixirが5位に入るような、海外の求人事情の様を見るたび、もしくは、Twitterで国内の方が「Elixirの仕事が無い」と嘆く様を見るたび、私はずっと、モヤモヤした気持ちを抱え続けてきました
こうした状況を少しでも改善すべく、以下4つのような活動を推進してきました
- 海外の状況と比べても、他言語と比べても、群を抜いた活発さの国内Elixirコミュニティの活況の実況
- 現在、水面下で行っている、Elixir入門書籍の執筆
- 自社へのElixirプレイヤーのリクルート
- ElixirConf JP開催を出発点とし、九州/アジアへのElixir展開を担う一般社団法人「九州国際Elixir連盟」
こうした活動をしても、直接的にElixirの仕事を増やすことには至っていない現実に、ある意味、打ちのめされていました
しかし先月、もっと直接的な答えのようなものが、ようやく見つかり、来年早々、新たなElixir専業の事業会社を設立する運びとなりました(詳細はTwitter/Facebookで追って報告します)
この企業のコンセプトである「Digitalization Dock」は、「Elixirと先端テクノロジーによるデジタル化を担う『港』としての業務」として、以下を行います
- 起業家/事業家支援サービス
- Elixirや先端技術を採用する起業家/事業家に対し、「事業プランのコンサルティング」と「新規事業のための資金調達」を提供(Elixir/先端技術専門のYコンビネータみたいなものとイメージしていただければ)
- 自社内もしくは既存Elixir採用企業と提携し、Elixir開発チームを用立てる
- 市/国の助成金のアレンジ
- ITに強い士業家(司法書士/会計士、弁護士など)の斡旋
- 先端IT企業との業務提携や技術提携、M&A
- 教育サービス
- 国内全国とアジア一帯の「教育事業者」および「コワーキングスペース」と提携し、Elixir教材流通チャンネルを構築
- Elixir教材プロバイダの組織化とリクルート支援
- 「九州国際Elixir連盟」との協業で、まだElixirが浸透していないシンガポール/インドに進出し、Elixirを拡める
この活動が、およそ半年程度で軌道に乗ったとき、私たち既存Elixirプレイヤー達だけでは、到底、収容できないボリュームのElixir事業案件やシステム開発案件が出ていきます
なんだかワクワクしませんか?
こういったワクワクも、今、日本が失いつつあることなんだと思います
ここからは完全にポエムw
これら活動の結果、「3~5年で、2兆円の市場規模を生み出そう」と妄想しています
2兆円といえば、イオンや野村ホールディングスの時価総額とだいたい同じ額です
これは、こないだのヤフー+LINE統合後の時価総額、もしくは国内IT市場の売上総額の1/10に相当します
途方も無い額に見えますか?
でも、世界に目を向ければ、Facebookが50兆円で、AmazonとGoogleが90兆円、MicrosoftとAppleが110兆円
これらと比べたら、いかに小さな単位か … ということです
ちなみに日本の国家予算(一般会計)は、98兆円弱です
まもなく、Amazon/Googleに抜かれてしまうとはいえ、これほど莫大な予算を持つこの日本で、かつ現代の進化したITが目の前にあるにも関わらず、発展が停滞したように見えるのは、何故なのでしょう?
その答えは、各人にお任せするとして、私なりのヒントは、「自分(≒思考と感情)の使い方次第」と「ひとりで無い」の2点です
思い描いたものを期限付きのイメージとして残し、ひとりで無ければ、実現する
約2年前に開催した「fukuoka.ex#5 ~福岡におけるElixirの進化~」で、2年後までのfukuoka.exが歩むロードマップを共有しました
このロードマップに描いた大半は、時期ズレはあるものの、実現しています
ここで言えることは、「思い描いたものを期限付きのイメージとして残し、ひとりで無ければ、実現する」という、とてもシンプルで分かりやすい原理原則が働いていると捉えています
この中でも、ポイントとなるのが、「ひとりで無ければ」のところです
逆に ”あるある” なのが、「思い描いたものを期限付きのイメージとして残したが、誰にも共有しなかったから、約束もチェックも無く、気付いたら期限は過ぎ、実現しなかった」ということでは無いでしょうか?(これは清流elixirのコラムでも書かれていたところです)
fukuoka.exの信じられないような躍進は、fukuoka.exアドバイザーズ/ビルダー/キャストといった運営メンバーの類まれなる貢献と、その熱や勢いに刺激を受けた1,300名を超える参加者の皆さまが寄せる、前向きな期待やワクワク感によって成り立つ現象だと、常々感じています
今年のお正月は、このコラムに書いた散文的なネタをロードマップとしてまとめ、今後3年の新たな躍進をイメージしていきたいと思います
そして、年明けにMeetUpを開催し、皆さまとこの「実現をしていく厨二病的ポエム」をまた共有し、新たなワクワクに向けた歩みをスタートしたいと思います
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ここの数字が増えると、書き手としては「ウケている」という感覚が得られ、連載を更に進化させていくモチベーションになりますので、もっとElixirネタを見たいというあなた、私達と一緒に盛り上げてください!