導入
ネットワーク技術は、現代の情報社会において不可欠な要素です。
ネットワークを構成する基本的なデバイスについて学び、ネットワークの理解を深めてもらえたらと思い、記事にしました。
コンピュータから始まり、ルーター、スイッチ、ハブ、アクセスポイント、ファイアウォールといった各デバイスの役割や機能を紹介します。
コンピュータ
コンピュータとは
はじめがコンピュータの話?と疑問が浮かぶかもしれませんが、コンピュータも立派なネットワーク機器になります。
ご存知の通り、コンピュータは、情報を処理し、データを保存し、様々なタスクを実行する電子機器です。
一般的に、デスクトップ、ノートパソコン、タブレット、サーバなどが含まれます。
ネットワーク内で通信するために、各コンピュータにはネットワークインターフェイスが必要です。
ネットワーク内での役割と機能
ネットワークに接続されたコンピュータは、データの送受信、共有、及びリソースの利用などの役割を担います。これらのコンピュータは、通常、クライアントまたはサーバのいずれかの役割を果たします。
クライアントとサーバの違い
- クライアント
- ネットワーク上でサービスを要求するコンピュータです。
- 例えば、ウェブブラウザを通じてウェブサイトにアクセスする際のPCはクライアントとして機能します。
- サーバ
- クライアントの要求に応じてサービスを提供するコンピュータです。
- ウェブサイトをホスティングするウェブサーバや、ファイルを保管するファイルサーバなどが例です。
ルーター
ルーターとは
ルーターは、異なるネットワーク間でデータを転送するためのデバイスです。
ルーターは、ネットワーク間の通信を管理し、データの適切な経路を決定する機能を持っています。
家庭用のルーターには後述のWi-Fiの機能を有しているものが多いかと思いますが、その機能がないルーターも存在します。
役割
パケットのルーティングとネットワーク間の接続
ルーターは、ネットワークパケットを目的地に向けて送る際に最適な経路を決定します。
これはルーティングと呼ばれるプロセスで、IPアドレスに基づいて行われます。
ルーターは、ローカルネットワーク(LAN)とインターネットなどの広域ネットワーク(WAN)を接続する役割も果たします。
NAT(ネットワークアドレス変換)
NAT(Network Address Translation)は、プライベートIPアドレスをパブリックIPアドレスに変換する技術です。
これにより、内部ネットワークのデバイスがインターネットにアクセスできるようになります。
また、NATはセキュリティの一環として、外部からの直接アクセスを防ぐ役割も果たします。
スイッチ
スイッチとは
スイッチは、ネットワーク内でデータを送受信するデバイスで、複数のコンピュータを接続する役割を持ちます。スイッチは、ネットワークの各デバイスにユニークな接続を提供し、データフレームを宛先に転送します。
一般的にスイッチというとレイヤ2スイッチ(L2SW)の事を指すことが多いです。
ただ、レイヤ3SWという、ルーターと似た役割のデバイスもあるので、注意です。
役割
データフレームの転送とネットワークのセグメント化
スイッチは、MACアドレス(物理アドレス)を使用して、データフレームをネットワーク内の正しいデバイスに送ります。
スイッチは、データを正確に転送することで、ネットワークのセグメント化(分割)を行い、各セグメントが互いに干渉しないようにします。
VLAN(仮想LAN)の構成
VLAN(Virtual LAN)は、ネットワークを論理的に分割する技術です。
これにより、同じ物理ネットワーク上で異なるセキュリティレベルやアクセス権を持つ複数の論理ネットワークを構成できます。
VLANは、ネットワーク管理の柔軟性を高め、セキュリティを強化します。
ハブ
ハブとは
ハブは、ネットワーク内のデバイスを接続するための単純なデバイスです。
データがハブに到達すると、そのデータをすべてのポートにブロードキャスト(送信)します。
ハブは、受信した信号をネットワーク全体にブロードキャストしますが、これは効率が悪く、ネットワークの帯域幅を無駄にします。
さらに、全てのデバイスが同じネットワークセグメント上にいるため、衝突が発生しやすくなります。
ハブとスイッチの違い
ハブ
受信したデータをすべてのポートに送信します。
簡単で安価ですが、効率が低く、ネットワーク負荷が高くなります。
スイッチ
受信したデータを宛先MACアドレスに基づいて特定のポートに送信します。
効率的で、ネットワークパフォーマンスが向上します。
アクセスポイント
アクセスポイントとは
アクセスポイント(AP)は、無線LAN(Wi-Fi)ネットワークへの接続ポイントです。
これにより、ワイヤレスデバイスがネットワークに接続できるようになります。
アクセスポイントは、無線デバイス(ノートパソコン、スマートフォンなど)と有線ネットワーク(LAN)を接続します。APは、SSID(Service Set Identifier)と呼ばれる識別子を使用して、無線ネットワークを識別し、接続します。
無線ネットワークは、有線ネットワークに比べてセキュリティリスクが高いため、アクセスポイントのセキュリティ設定は非常に重要です。WPA3(Wi-Fi Protected Access 3)などの暗号化プロトコルを使用し、不正アクセスを防ぐことが推奨されます。
ファイアウォール
ファイアウォールとは
ファイアウォールは、ネットワークのセキュリティを強化するためのデバイスまたはソフトウェアです。ファイアウォールは、ネットワークトラフィックを監視し、不正なアクセスや攻撃を防ぎます。
ファイアウォールは、トラフィックをフィルタリングして、許可されたトラフィックのみがネットワークに入るようにします。これにより、外部からの攻撃や内部からのデータ漏洩を防止できます。
ハードウェア型とソフトウェア型の違い
ハードウェア型ファイアウォール
専用のデバイスとしてネットワークに設置され、高速で信頼性の高いセキュリティを提供します。通常、企業ネットワークで使用されます。
ソフトウェア型ファイアウォール
コンピュータ上のソフトウェアとして動作し、個々のデバイスを保護します。主に個人や小規模オフィスで利用されます。
最後に
各デバイスの役割や機能を理解することで、ネットワークの設計やトラブルシューティングに役立つと思います。
この記事が、ネットワークデバイスの理解に役立つことを願っています。