執筆している2026年9月16日時点の情報です。Cowork は更新が速い機能のため、最新情報は必ず公開情報(本記事末尾の参考リンク)もあわせてご確認ください。
「Microsoft 365を契約していれば、Copilotは使えるのでしょうか」
「有料のCopilotライセンスがあれば、エージェントも追加料金なしでしょうか」
「Copilot Business、E7、Copilot Creditsは何が違うのでしょうか」
Microsoft 365のCopilotは、基本契約に含まれる機能、ユーザー単位の有料ライセンス、利用量に応じた課金が組み合わされています。
そのため、製品名と月額料金だけを比較すると、必要な契約を見落としたり、実行コストを過小評価したりしがちです。
この記事では、法人・教育機関のMicrosoft 365を中心に、導入担当者や管理者が理解しておきたいライセンスの全体像を整理します。個人向けCopilotやGitHub Copilotなどの独立した製品は対象外とします。
1. 最初に結論 ― ライセンスは「4つの層」で考える
Microsoft 365 Copilotの費用は、次のように分けると理解しやすくなります。
| 層 | 何に対する契約・費用か | 代表例 |
|---|---|---|
| ① 基盤サービス | メール、ファイル、Officeアプリ、Teamsなどを利用する権利 | Microsoft 365 Business、E3、E5など |
| ② Copilotのユーザーライセンス | 業務データを横断するAIや、アプリ内の高度なCopilot機能 | Microsoft 365 Copilot、Copilot Business、E7に含まれるCopilot |
| ③ AIの実行量 | 対象エージェントやCoworkなどが実際に処理した量 | Copilot Credits |
| ④ 関連サービス | 接続先、外部サービス、高度な管理機能など | 業務システム、別途必要なPower Platformライセンスなど |
Copilot Chatは①の対象契約に追加料金なしで含まれますが、②の有料Copilotと同じ利用範囲ではありません。
また、②を購入しても③と④がすべて無料になるわけではありません。
費用の考え方は、次の式です。
総費用
= 基盤サービスの費用
+ Copilotユーザーライセンスの費用
+ 対象機能の従量課金
+ 必要な関連サービスの費用
ただし、E7やCopilot込みのセットプランでは、含まれているライセンスを二重計上しないことが重要です。
出典:ライセンスの選択肢、Copilot Creditsと従量課金
2. 主要な選択肢を一覧で比較する
| 選択肢 | 主な対象・役割 | 契約・課金の考え方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Microsoft 365 Copilot Chat | 安全なAIチャットを業務で利用する | 対象のMicrosoft 365契約に追加料金なしで含まれる | エージェントの利用などは別途課金される場合がある |
| Microsoft 365 Copilot Business | 対象の中小企業向けプランに高度なCopilotを追加する | 対象基本契約+ユーザー単位のアドオン | 1テナント最大300席。契約条件の確認が必要 |
| Microsoft 365 Copilot | 業務データを横断したAI活用やアプリ内の高度な機能を利用する | 対象基本契約+ユーザー単位のアドオン | 基本契約や利用先アプリの権利は別途必要 |
| Microsoft 365 E7 | 生産性、Copilot、ID・エージェント統制をまとめる | Copilotを含む統合スイート | Coworkなどの実行量まで無制限に含むわけではない |
| Copilot Cowork | 複数段階の作業をAIに実行させる | Copilotユーザーライセンス+従量課金 | 利用許可と課金設定も必要 |
| Copilot Studio関連の利用 | エージェントを作成・公開・実行する | Copilotに含まれる範囲、従量課金、前払い容量など | 利用者、認証、処理内容、公開先で扱いが変わる |
公式ドキュメントや画面では「Microsoft Copilot」「Microsoft 365 Copilot」「Basic」「Premium」「Pro」などの表記が混在しています。
画面のラベルだけで新しい契約プランと判断せず、管理センターで割り当てられている製品・サービスプランを確認してください。 Copilot Chatの公式概要では、これらの一部を利用体験の区別として説明しています。
出典:Copilot Chat概要、Copilot Business FAQ
3. Copilot Chat――「追加料金なし」で何ができるのか
対象契約と職場・学校アカウントが必要
Copilot Chatは、対象のMicrosoft 365ライセンスを持つMicrosoft Entraアカウントで利用できます。
代表例には、Business Basic/Standard/Premium、Microsoft 365 E3/E5、Office 365 E1/E3/E5、対象のF・A・Gプランなどがあります。Teamsを含まない対象プランも含まれます。
ここでいう追加料金なしとは、Copilot Chatの基本体験に追加のCopilotライセンス料金が不要という意味です。基盤のMicrosoft 365契約自体が無料になるわけではありません。
「無料側はWeb検索しかできない」は正確ではない
Copilot Chatでは、Web情報の調査に加えて、文章の生成・書き換え、アップロードしたファイルの分析、画像生成、対応するアプリ内の情報を使った支援などが可能です。
特に注意したいのが、Outlook内での業務データ参照です。
2026年9月更新の公式概要では、有料のMicrosoft 365 Copilotライセンスがなくても、対応するOutlook環境でメール、予定、会議、チャット、限定された関連ファイルなどを参照できると説明されています。
一方で、有料CopilotはWork IQとセマンティックインデックスなどを通じて、より広範なMicrosoft 365の業務情報を横断します。
| 比較点 | Copilot Chat | 有料Copilot |
|---|---|---|
| Web情報を使った回答 | 利用可能 | 利用可能 |
| 利用者が渡したファイルの分析 | 利用可能 | 利用可能 |
| Outlook内の業務情報参照 | 対応環境・範囲内で可能 | より広い業務データ活用と組み合わせ可能 |
| Microsoft 365全体を横断する業務情報の活用 | 限定的 | Work IQなどによる広範な参照 |
| モデル・対象機能へのアクセス | 標準アクセス | 優先アクセス |
| 高度なエージェント体験 | 限定的 | 利用範囲が拡大。ただし個別の条件あり |
違いは「社内データを使えるかどうか」の二択ではなく、どの場所から、どの範囲の情報を、どの機能で利用できるかです。
なお、アクセス権限のない情報まで参照できるようになるわけではありません。
Officeアプリにボタンがあるだけでは判定できない
WordやExcelにCopilotボタンが表示されても、それだけでは有料ライセンスの有無を判断できません。
アプリ内チャットの提供状況は、ライセンス、市場、テナント設定などで異なります。追加ライセンスなしの標準アクセスと、有料ライセンスによるフル体験・優先アクセスを区別する必要があります。
また、日本向け公式価格ページでは、Copilot ChatユーザーへのNotebooksの展開開始と限定的な機能が案内されています。そのため、古い比較表の「Notebooksは有料のみ」を、そのまま現在の全ユーザーに当てはめるのも避けるべきです。
4. Microsoft 365 Copilot――有料ライセンスで追加される価値
有料Copilotの中心的な価値は、日常業務の文脈を使って、複数の情報源とアプリを横断できることです。
例えば、次のような業務が対象になります。
「この案件について、メール、Teamsの議論、会議、関連資料から現状を整理し、次回会議の説明資料を作成したい」
公式資料では、業務データを使ったCopilot Chat、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・TeamsなどのCopilot、ResearcherやAnalyst、対象のカスタムエージェントなどが説明されています。
ただし、以下の点は別です。
有料ライセンスがあることと、全機能が無制限であることは同じではありません。 優先アクセス、フェアユース、機能ごとの制限、提供状況、追加課金はそれぞれ確認します。
また、Copilotライセンスを付けても、利用先サービスの契約が自動的にすべて付くわけではありません。
| 利用したい機能 | 併せて確認するもの |
|---|---|
| デスクトップ版Word・Excelなど | デスクトップアプリを利用できる基本契約 |
| Teams内のCopilot | Teamsのライセンス |
| メールを使ったCopilot | 対応するExchange OnlineメールボックスとOutlook環境 |
| 会議後に会議内容を参照する機能 | 文字起こし・録画など、対象機能の条件とポリシー |
| Teams PhoneのPSTN通話でのCopilot | Teams Phone、通話プラン、Copilotなどの条件 |
| 業務システムとの連携 | 接続先の権利、認証、コネクタ、関連ライセンス |
例えば、Business BasicにCopilotを追加しても、Business Standard相当のデスクトップOffice利用権を購入したことにはなりません。
5. Copilot Businessと通常のCopilotの違い
Businessは「機能を大きく削った廉価版」ではない
MicrosoftのFAQでは、Copilot Businessは通常のMicrosoft Copilotと同じ機能を提供すると説明されています。
主な違いは、対象顧客、購入条件、席数上限、価格です。
| 項目 | Copilot Business |
|---|---|
| 主な対象 | Microsoft 365の対象Businessプランを利用する中小企業 |
| 機能 | 通常のCopilotと同じ機能を提供 |
| 席数上限 | 1テナント最大300席 |
| 基本契約 | 対象の基本ライセンスが別途必要 |
| 契約期間 | FAQでは年間コミットメント |
| 支払い | FAQでは月払いまたは年払い |
| 既存契約からの移行 | 自動変換されない。既存コミットメントの満了などを確認 |
「月払い」と「1か月単位で解約できる契約」は別物です。
また、FAQでは既存CopilotからBusinessへの変更は年間コミットメントの終了を待つ必要があると説明されています。料金が安くなったからといって、契約途中で自動的に切り替わるわけではありません。
対象基本プランは契約条件まで確認する
代表的な対象はBusiness Basic/Standard/Premiumです。
ただし、確認時点で公式資料の記載範囲に差があります。
| 公式資料 | Copilot Businessの前提として掲載されているもの |
|---|---|
| Business FAQ | Business Basic/Standard/Premium |
| ライセンス概要 | 上記に加えてApps for business |
| Product TermsのMCA表示 | 上記に加えてTeams Essentials |
したがって、Apps for businessやTeams Essentialsを前提に購入する場合は、適用される契約プログラムのProduct Termsと、実際の販売チャネルでの購入資格を確認してください。
ライセンス概要に記載があることと、すべての販売経路で同じ商品を購入できることは同義ではありません。
出典:ライセンス概要、Product Terms:Microsoft 365/MCA
6. 日本向け価格――アドオン価格とセット価格を混同しない
以下は、2026年9月16日に日本向け公式ページで確認した表示価格です。
いずれも表に示す契約条件でのユーザー当たり月額相当・税別です。実際の価格は購入経路、契約、地域、キャンペーンなどによって異なります。
| 製品・構成 | 月額相当 | 表示条件・注意点 |
|---|---|---|
| Copilot Chat | 追加料金なし | 対象基本契約が必要。対象エージェントの実行費用は別 |
| Microsoft 365 Copilot Business | 通常表示 3,148円 | 年払い・年間サブスクリプション。基本契約は別 |
| 同Businessのキャンペーン表示 | 2,698円 | 対象条件あり。初年度の割引 |
| Microsoft 365 Copilot | 4,497円 | 年払い・年間サブスクリプション。基本契約は別 |
| Business Standard+Copilot Business | 3,523円 | Teamsを含むセットの表示価格。年払い |
| Business Premium+Copilot Business | 4,797円 | Teamsを含むセットの表示価格。年払い |
| Microsoft 365 E7 | 14,842円 | Teamsを含む構成。年払い・年間契約。Copilotを含む |
Businessアドオンのキャンペーンは、公式ページに2026年7月1日~12月31日、年間契約、初年度のみなどの条件が記載されています。
セット商品の価格は独自のオファー条件があるため、アドオンの通常価格と単純に足し引きして契約価格を決めないようにしてください。
7. E3・E5・E7――E5なら有料Copilotも含まれるのか
結論は、Microsoft 365 E3・E5では有料Copilotはアドオン、E7では含まれるという整理です。
| 項目 | Microsoft 365 E3 | Microsoft 365 E5 | Microsoft 365 E7 |
|---|---|---|---|
| 基盤の生産性アプリ・サービス | 含む | 含む | 含む |
| 対象のCopilot Chat | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
| 有料Copilot | 別途アドオン | 別途アドオン | 含む |
| セキュリティ・コンプライアンス | 基本機能 | 高度な機能 | E5を基盤に拡張 |
| Microsoft Entra Suite | スイートとしては別途 | スイートとしては別途 | 含む |
| Microsoft Agent 365 | スイートには含まれない | スイートには含まれない | 含む |
公式資料では、E7は次の構成と説明されています。
Microsoft 365 E7
= Microsoft 365 E5
+ Microsoft 365 Copilot
+ Microsoft Entra Suite
+ Microsoft Agent 365
Agent 365は、エージェントの管理・統制・保護を担う仕組みです。エージェントを管理できる権利と、そのエージェントを実行するためのCopilot Creditsは別に考えます。
E5+CopilotとE7の価格差を見る例
同じく日本向け・Teamsを含む年払いの表示価格で単純比較すると、次のようになります。
E5+Copilot
= 8,995円+4,497円
= 13,492円/ユーザー/月相当
E7
= 14,842円/ユーザー/月相当
差額
= 1,350円/ユーザー/月相当
これは表示価格同士の算術比較であり、契約見積もりではありません。
判断するのは「E7のほうが高いか」だけでなく、Entra SuiteやAgent 365が必要か、既に別契約しているものと重複しないかです。
8. エージェント課金――「作れる」と「全員が無料で使える」は違う
エージェントとは、特定の知識や処理に特化して動くAIです。
例えば、社内規程に回答するエージェントや、問い合わせ情報を整理してシステムに登録するエージェントが考えられます。
課金を判断するときは、少なくとも次の点を確認します。
| 確認点 | なぜ必要か |
|---|---|
| 誰が利用するか | 利用者に有料Copilotライセンスがあるかで扱いが変わる |
| どのIDで実行するか | ライセンスを持つ利用者の認証済みIDで動くことが包含条件になる |
| 何を実行するか | 回答、業務データ検索、アクションなどで消費量が異なる |
| 何をきっかけに動くか | 利用者との対話か、自律・イベント起動かで扱いが変わる |
| どこで提供するか | Microsoft 365内と外部Webサイトなどでは契約範囲が異なる |
有料Copilotに含まれるエージェント利用
Copilot StudioのStandard harness向け課金表では、従業員向けの利用で、利用者がMicrosoft 365 Copilotのライセンスを持ち、その認証済みIDでエージェントが動作する場合の対象処理が追加課金なしとされています。
対象には、回答、アクション、テナントのGraphを使った検索、条件を満たすエージェントフローなどが含まれます。ただし、フェアユースが適用されます。
特に次の例外が重要です。
- エージェントフローの包含は、ライセンスを持つ認証済み利用者との対話から、**「When an agent calls the flow」**で起動する場合が対象です。
- 他のトリガーで起動するエージェントフローは、標準のクレジットを消費します。
- Computer-Using Agentsの利用は、Microsoft 365 Copilot USLの包含対象外です。
- 独自に用意したモデルなどは、別の課金が発生する場合があります。
作成者がライセンスを持っているだけで、全利用者・全処理が追加料金なしになるわけではありません。
有料Copilotを持たない利用者
Copilot Chatの対象利用者でも、組織が課金設定を行うことで、対象のカスタムエージェントを従量課金で利用できます。
これは、全員に有料ライセンスを配布する以外の選択肢になります。
例えば「社内規程の問い合わせを月に数回だけ使う人」と「毎日、メール・会議・文書を横断してCopilotを使う人」では、適切な構成が異なります。
ただし、エージェント課金を設定しても、有料Copilotのアプリ内機能一式がその利用者に付与されるわけではありません。
出典:Copilot Chat公式説明、Copilot Studioライセンス
9. Copilot Credits――1回の質問が1クレジットとは限らない
Copilot Creditsは、対象AI機能の処理量を測る単位です。
Standard harness向けの代表的な課金レートは、次のとおりです。有料Copilotに含まれる条件を満たさない課金対象利用を考えるための表です。
| 処理 | クレジット消費 |
|---|---|
| 定義済みの回答 | 1 |
| 生成AIによる回答 | 2 |
| エージェントのアクション | 5 |
| テナントのGraphを使ったグラウンディング | 10 |
| エージェントフローのアクション | 100アクション当たり13 |
1回の応答で、複数の処理が発生する場合があります。
生成AIによる回答:2クレジット
+ テナントのGraphを使った検索:10クレジット
= 合計12クレジット
推論モデルなどを使うと、対象処理のレートに加えてトークン使用量に基づく課金が発生する場合もあります。
したがって、利用者数×質問回数だけでは見積もれません。エージェントの設計も費用を左右します。
出典:公式課金表と計算例
支払い方法は3種類を区別する
| 方法 | 仕組み | 注意点 |
|---|---|---|
| Pay-as-you-go | 実際に使用した分を課金 | 対応するAzureサブスクリプションや課金設定が必要 |
| 月次の容量パック | 1パック当たり月25,000 Copilot Credits | 未使用分は翌月に繰り越されない |
| Pre-Purchase Plan:P3 | 1年の前払いコミットメントで対象利用を精算 | 月次容量パックとは別商品。取消・交換不可などの条件あり |
P3で購入するCopilot Credit Commit Unitsと、実行量を表すCopilot Creditsは同じ数値単位ではありません。
公式説明では、対象利用の小売価格が100米ドルなら、100 Commit Unitsを消費する例が示されています。これを「100回分のAI実行」と解釈してはいけません。
また、P3は従量課金の上に適用される仕組みで、前払い分を使い切ると従量課金に移行します。前払い購入だけで支出上限が設定されるわけではありません。
出典:容量パック、P3の仕組みと契約条件
10. Cowork――有料Copilotとは別に実行コストを見積もる
Copilot Coworkは、調査、文書作成、メール、予定調整など、複数段階の作業を実行する仕組みです。
職場・学校向けCoworkは一般提供されていますが、有料Copilotの固定料金だけで使い放題になる機能ではありません。
基本構成は次のとおりです。
対象の基本ライセンス
+ Microsoft 365 Copilotのユーザーライセンス
+ Coworkの従量課金
E7やCopilot込みのプランを利用している場合は、含まれるCopilotライセンスを再購入する必要はありません。ただし、Coworkの課金設定は別途必要です。
利用開始に必要なもの
2026年9月更新の開始手順では、主な前提条件として、次の事項が挙げられています。
- 利用者に有効なMicrosoft 365 Copilotライセンスが割り当てられている。
- 対応する利用環境がある。
- Coworkが有効になっている。
- Usage-based billingとCoworkの課金が有効になっている。
Cowork自体の一般提供と、個別のFrontier機能は区別します。例えば、確認時点のApp skillにはFrontier参加が必要です。
なお、最新の開始手順ではAnthropicモデルの利用はオプションとして説明されています。過去の案内にあるモデル前提を、現在の必須条件として固定しないことも重要です。
出典:Coworkの開始要件
何に対して課金されるのか
Microsoftの一般提供発表では、Coworkのタスク費用は次の4要素で計算されると説明されています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| モデル利用 | 使用するAIモデルとその処理量 |
| コンテキスト取得 | 業務情報の検索・取得 |
| ツール呼び出し | 作業に必要な機能や接続先の実行 |
| ランタイム | タスクを実行・調整する処理 |
PayGoの公表単価は1 Copilot Credit当たり0.01米ドルです。これは米ドルでの公表単価であり、日本円の実際の請求単価を固定するものではありません。
また、前節のStandard harness向け処理単価を、Coworkのすべての動作にそのまま当てはめることはできません。
仮の費用計算
以下は計算方法を示す仮定であり、実測値や標準単価ではありません。
利用者:10人
1人当たりの月間タスク:20件
1タスク当たりの平均消費:200クレジットと仮定
10 × 20 × 200
= 40,000クレジット/月
米ドルPayGo公表単価で換算:
40,000 × 0.01米ドル
= 400米ドル/月
この実行費用に、必要な基本契約とCopilotユーザーライセンスの費用が加わります。
実際には代表的な業務を少人数で実行し、消費量の分布を見て見積もりを調整します。Coworkの/costではタスクの概算クレジット使用量を確認できますが、確定請求額と同一視しないようにします。
出典:使用量と費用の管理
11. 管理者が見落としやすい追加条件
課金画面はすべて共通ではない
確認時点のMicrosoft 365管理センターのCopilot → Cost managementでは、Cowork、Coworkで作成したアプリ、Work IQ APIなどを管理します。
Copilot Chatのエージェント、SharePointエージェント、Copilot Studioには、それぞれ対応する課金設定やPower Platform管理センターの管理領域もあります。
「Cost managementを設定したから、すべてのエージェント課金を統制できた」とは限りません。
予算上限・通知・前払い容量は別物
前払いクレジットの購入は、予算の上限設定そのものではありません。通知も、支出を停止する制御とは異なります。
特にCoworkなどの支出ポリシーでは、公式資料に次の注意点があります。
| 注意点 | 管理上の意味 |
|---|---|
| 追加ポリシーは独立した上限を持つ | 既定ポリシーの上限を、全ポリシー合計の絶対上限だと思わない |
| 新サービスの自動適用が既定で有効 | 将来追加されるサービスに既存ポリシーを適用するか判断する |
| 利用者別上限を設定できる | 1人で多くのクレジットを消費することへの対策になる |
| 容量パックは管理領域をまたいで使われる | Power Platform側の割り当て・消費も確認する |
| ダッシュボードには更新間隔がある | 常に瞬時の請求状況を示すとは考えない |
出典:支出ポリシーと課金管理
管理機能まで全部含まれるわけではない
Copilot Chatと有料Copilotには、対象アカウント向けのエンタープライズデータ保護があります。ただし、高度なPurview機能やPower Platformの全利用権がCopilotだけでそろうわけではありません。
SharePoint Advanced Managementにも、Copilot導入を支援する機能の包含がありますが、一部機能には別途SAM Plan 1が必要です。
「Copilotを1席購入したら、全従業員が有料Copilotを使える」「SAMの全機能が無条件に使える」と解釈しないことが重要です。
12. どの構成を選ぶべきか
| 主な用途 | 検討の起点 |
|---|---|
| Web調査、文章作成、渡したファイルの要約 | 対象契約に含まれるCopilot Chat |
| 毎日、メール・会議・Teams・文書を横断する | 有料Copilot |
| 対象Businessプランで300席以内の導入 | Copilot Business |
| E5に加えてID・エージェント統制もまとめたい | E7と個別契約の比較 |
| 低頻度で特定の社内エージェントだけ使いたい | Copilot Chat+対象エージェントの従量課金 |
| 複数段階の業務をCoworkに実行させたい | 有料Copilot+Cowork予算 |
| 外部Webサイトなどにエージェントを公開したい | スタンドアロンCopilot Studioの契約範囲 |
これは利用頻度だけで価格の優劣を保証する表ではありません。対象機能、データ参照範囲、管理要件も含めて比較します。
教育機関ではMicrosoft 365/Office 365 A1・A3・A5などの対象契約と教育向け条件を確認します。米国政府向けクラウドではGCC・GCC High・DoDによる機能差もあるため、商用環境の比較表をそのまま適用しないようにしてください。
13. 導入前の確認リスト
- 現在の契約を確認する。 基本プラン、Teams有無、アプリ利用権、更新日を整理します。
- 必要な利用体験を決める。 チャットだけか、業務情報横断か、Coworkによる実行かを分けます。
- 有料ライセンスを割り当てる対象者を決める。 作成者だけでなく、エージェントの利用者も確認します。
- 従量課金の対象を洗い出す。 Cowork、自律起動、外部公開、対象外の実行機能などを確認します。
- 課金元と上限を設定する。 Azure、容量パック、P3、支出ポリシーを混同しないようにします。
- 権限とガバナンスを確認する。 データの過剰共有、アプリの許可、必要な管理ライセンスを確認します。
- 少人数で消費量と業務効果を把握する。 席数だけでなく、処理単位の実行費用を見ます。
- 適用契約で最終確認する。 Product Terms、注文条件、販売チャネルの見積もりを照合します。
まとめ
Microsoft 365 Copilotのライセンスは、基本契約・ユーザーライセンス・実行量課金・関連サービスに分けて理解することが重要です。
Copilot Chatは対象契約に追加料金なしで含まれますが、有料Copilotと参照範囲や機能が同じではありません。一方で、追加ライセンスなしでもOutlookなどの対応環境で業務情報を参照できるため、「無料はWebだけ」という古い説明にも注意が必要です。
Copilot Businessは対象条件に合う組織向けの選択肢、E7はCopilotと管理・保護機能をまとめる選択肢です。そして、Coworkや対象エージェントの実行コストは、固定のライセンス料金とは別に見積もる必要があります。
導入時は「Copilotを何席買うか」だけでなく、誰が、どのデータを使って、どの処理を、どれくらい実行するかまで設計しましょう。
参考リンク
以下はいずれも2026年9月16日確認の公開資料です。価格・利用条件は変更されるため、購入時は適用される契約と最新情報を確認してください。
| 分類 | Microsoft公式資料 |
|---|---|
| ライセンス全般 | License Options for Microsoft Copilot |
| 契約条件 | Product Terms:Microsoft 365/MCA |
| Chatの機能・差異 | Overview of Microsoft Copilot Chat |
| Chatの利用資格 | Manage Microsoft Copilot Chat |
| Businessの条件 | Microsoft Copilot Business FAQ |
| 日本向け価格 | 一般法人向け・大企業向け・Copilot Studio |
| E7 | 日本向けE7製品ページ・E3/E5/E7比較 |
| 利用条件 | サービス説明・アプリとネットワークの要件 |
| エージェント課金 | Standard harness licensing・Billing rates and management |
| 前払い | 容量パック・Copilot Credit P3 |
| Cowork | 開始要件・一般提供と価格モデル |
| 費用管理 | 従量課金の概要・設定と支出ポリシー |
| SharePoint管理 | SAMの前提条件 |
関連解説として、LicenseQのライセンス解説とA Guide to CloudのCowork費用解説も参照しました。本文の仕様・条件はMicrosoft公式資料を根拠としています。
本記事について
本記事は、公開情報をもとに内容を整理し、できるだけ分かりやすく解説することを目的として作成しています。記載内容は個人の見解であり、所属組織の公式見解を示すものではありません。少しでもお役に立てればうれしいです。
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