クラウド移行戦略をPD試験形式で整理する
クラウド移行戦略の選定はPD試験(システム区分)の頻出テーマです。
適切な移行パターンを選ぶ判断力が問われます。
3つの主要移行戦略
Lift and Shift(リフトアンドシフト)
概要: アプリケーションをそのままクラウドに移行する。コードの変更は最小限。
- 利点: 移行コストが低い、スピードが速い
- 欠点: クラウドの機能を最大限に活かせない
- 適用場面: コード改修が困難な旧システム、移行リスクを最小化したい場合
Re-platform(リプラットフォーム)
概要: アーキテクチャを大きく変えずに、部分的にマネージドサービスを活用する。
- 利点: 一定のクラウド最適化が可能
- 欠点: Lift and Shiftより工数がかかる
- 適用場面: データベースをRDSに変更、S3でストレージ最適化など
Re-architect(リアーキテクト)
概要: クラウドネイティブに再設計する。コンテナ化・マイクロサービス化など。
- 利点: スケーラビリティ・コスト効率を最大化できる
- 欠点: 移行コスト・時間が大きい
- 適用場面: 疎結合なアーキテクチャ、スケールが重要なサービス
PD試験形式の演習問題
問題
A社は自社データセンターで運用している複数のシステムをパブリッククラウドに移行する。
- ①基幹システム: 10年以上稼働、コード改修が困難
- ②分析基盤: 3年前に導入、疎結合なマイクロサービス構成
- ③文書管理システム: アクセスが少ない社内ツール
各システムへの移行戦略の組合せとして最も適切なものはどれか。
| ① | ② | ③ | |
|---|---|---|---|
| ア | Re-architect | Re-architect | Lift and Shift |
| イ | Lift and Shift | Re-architect | Re-platform |
| ウ | Re-platform | Lift and Shift | Re-architect |
| エ | Lift and Shift | Lift and Shift | Lift and Shift |
正解:イ
解説
①基幹システム(10年以上、改修困難)
→ コード改修ができないため Lift and Shift が現実的な唯一の選択肢
②分析基盤(疎結合なマイクロサービス)
→ すでに疎結合であるため Re-architect(コンテナ化・フルマネージドサービス活用)で最大効果
③文書管理システム(アクセスが少ない)
→ アクセス頻度が低いためオブジェクトストレージ活用の Re-platform でコスト最適化
クラウド移行で押さえるべき追加ポイント
マルチクラウド・ハイブリッドクラウド
- オンプレミスとクラウドを組み合わせるハイブリッド構成
- 複数クラウドベンダーを使うマルチクラウド構成のメリット・デメリット
Well-Architectedフレームワーク
AWSのWell-Architectedフレームワークでは以下の5つの柱を定義:
- 運用上の優秀性
- セキュリティ
- 信頼性
- パフォーマンス効率
- コスト最適化
演習問題で実力を確認
クラウド移行戦略を含むPD試験システム区分演習問題20問: