初投稿です。温かく見守ってください。
統計検定準一級(以下、統計準一級)に一発合格することができました!
記録の一環として、体験記を書かせて頂きます。
合格最低点からまさかの1点差で本当にギリギリでの合格でした。点数が表示された瞬間は脳汁が止まりませんでした笑
もし仮に、61点と60点との有意差検定(n数はいい感じに調整)の問題が出てきたとしたら、「合格点との有意差なし」の選択肢を選ぶことになるでしょう。(厳密には「有意差があるとは言えない」かな?)
つまり、主催者の「一般社団法人日本統計学会」が、準一級の能力があるとギリギリ許容できる学習をしていたのが、この私です!
ということで、私が統計準一級に合格するまでに行った勉強方法や参考にしたサイトについてご紹介いたします。
ギリギリでもいいからとにかく合格したいという方はぜひ参考にしてみてください(この通りにすれば合格できると保障するものではございません)。
もう少し余裕を持って合格したい方や一回で確実に受かりたい方は、私が妥協している部分をもっと詰めて勉強してみてください。
※統計学が機械学習にどのように役立つかなどの解説は行いません。他の方の記事等を参考にしてください。
1. ざっくりとしたスペック
- 年齢:27歳
- 学歴:大学院卒(専攻は高分子物性)
- 新卒で化学系メーカーに入社するも、転職してエンジニアへ
- 学生時代の数学レベル:恐らく普通の理系学生と同程度
- 大学で線形代数は軽く扱ったが、統計学は社会人になってから
- 大学4年間で唯一落とした授業が、数学関係の何かだった
- 1年くらい前に統計検定二級へ合格し、期間が空いてから学習開始
- 統計二級の範囲の復習は適宜行った
- 学習時間:約200~300時間(正確にはわからない)
特別優れた人間ではありません。統計二級を取得できた人であれば、統計学に関する基礎スペックは同等以上あると思います。
2. 統計準一級の学習をするメリット
何よりも、統計学を体系的に学べることがメリットだと考えています。
統計準一級は、広く浅くが特徴になっており、他の受験者の話を聞いたり合格体験記を見たりしても、「とにかく分量が多い」と言っている人が多い印象です。
統計準一級の学習は、私のように数学や統計学などを専攻していない人にはかなり大変です。しかし、時系列分析やベイズなど、単独でも重く取り扱われることの多い分野等を含めてまとめてざっと学習できます。
確か資格マスターのK野玄人さんが、「勉強する際は先に全体像の理解をしておくと良い」と言っていました。彼の言うように、統計準一級の勉強を通して統計学の全体像を把握しておくことは、特定の分野を深掘りしていく際にかなり役立ちそうだと感じています。
3. 学習の進め方
- 公式問題集(以下、ワークブック)を2周(例題のみ)
- 過去問4年分(2019~2016年)を1周
- ワークブックを追加で2周(例題+例)
- 過去問をもう1周
理解できないことが出てきたら、その都度GoogleやYouTubeで検索して色々見漁っていました。特にワークブックの一周目は分からないことだらけだったので、ざっくりとした理解で許容し、先へ進むことを優先しました。
準一級は本当に分量が多いので、最初から完璧を求めると進捗が遅すぎてモチベが死んでいきます(途中、モチベがなくなり勉強を辞めた期間が何度もありました)。ですので、特に最初の1周目は結構大雑把に進めて、「1周終わらせられた」という達成感を一旦得るのがいいんじゃないかと考えています。何より、ワークブックの例題を多く周回して、確実に解けるようすることを優先するのが大切かなと思っています。
過去問について、2019~2016年のものを解いて2021年を排除した理由は、難易度が非常に高いと噂に聞き、まずは他の年度のものを解けるようになろうと考えたためです。結果として、2021年の問題は解かずに合格できたので、最悪解かなくても何とかなるかもしれません。
4. 妥協したポイント
恐らく、これと「5. 参考にしたサイト」がこの記事の目玉(?)です。
以下に私の自覚している妥協ポイントを書き連ねます。
- ワークブック
- 解説:例題や例に関係ないところは読まなかった
- 解説が非常に分かりにくい(後述の「5. 参考にしたサイト」の解説の方が分かりやすい)
- 例題が解けるようになることが最優先と判断
- 例題:9割近くは多分解けるようになっていた
- 理解はできても本番で解ける気のしない以下の問題は捨てた
- 8章
- 8-2([3]以降)
- 19章
- 19-3, 19-4
- 23章
- 23-3(次項で紹介している"Yuya Kawaguchi"氏曰く、ワークブック中最難関)
- 26章
- 26-1:本番でミスなく計算できる気がしなかった
- 30章
- 30-1, 30-2(電卓ありでも計算が面倒すぎる)
- 8章
- 理解はできても本番で解ける気のしない以下の問題は捨てた
- 例:6, 7割は解けるようにした
- 過去問や例題で似たような問題があったものや、そこまで難しくないものは解けるようにした
- 難解で覚えるのが厳しい公式を利用するものは捨てた
- 一例をあげると、13章の例4で出てくるクラスカルウォリス検定は比較的覚えやすかったので一応覚えたが、スピアマン、ケンドール、データ数の多い場合の順位和・符号付き順位和などはややこしかったので捨てた
- 一例をあげると、13章の例4で出てくるクラスカルウォリス検定は比較的覚えやすかったので一応覚えたが、スピアマン、ケンドール、データ数の多い場合の順位和・符号付き順位和などはややこしかったので捨てた
- 解説:例題や例に関係ないところは読まなかった
- 過去問本
- 2021年はスルーした
- 先述のように、難しいと聞いてびびった
- 時間をちゃんと計って解く練習はしなかった
- 速度よりも理解することを優先すべきと判断した
- 本番でも特に時間には困らず、20分くらい見直せた
- 個人的には統計二級より時間には余裕があった
- 2021年はスルーした
この程度の妥協であれば、合格ボーダーの60点以上をとる力は十分つくと思います。
本番では、全く見たことのないような問題や、基本的な内容なのに嫌らしい捻り方をしているせいで難解な問題などが出てきます。そのため、数学・統計の未経験者がいきなり満点近くを狙うのはかなり厳しいです(試験本番特有の緊張などの精神的な要素等の影響も鑑みると尚更)。しかし、ちゃんと例題を解ける力があれば、非常に平易な問題も結構混ざってくれてます。それらを確実に答えられるようしておくことが最優先だと思っています。
問題との相性もあるでしょう。隅々まで完璧に理解できていないと自分を責め過ぎず、例題やオーソドックスな過去問の問題が解けるようになった段階で、「問題ガチャを引く」みたいな感覚で、何度か受験してみるのも良いかもしれません(金銭的に問題がなければですが)。
5. 参考にしたサイト
- ワークブック
- 内容理解
-
統計検定準1級 リンク集
- 1周目のお供
- これに載っている各章のサイトの内容をざっと理解し、下記の例題+例の解説を見ながら解いていけばOK
-
統計検定準1級 リンク集
- 例題+例の解説
- Yuya Kawaguchi
- えびかずき
-
あつまれ統計の森
- 一番下のサイトは、過去問の解説に重宝していた
- 各サイト、微妙に数値や記号などが間違っていることもあるので、違和感がある際や分かりにくいと感じた際は、他のサイトも参照すると良い
- 大半の問題ではワークブックの解説よりも上記サイト等の方が分かりやすいが、一部の問題はワークブックの方が分かりやすい内容もあるので、ワークブックの解説も一応確認しておくと良い
- 内容理解
- Qiita
-
チートシート
- 「こんなのワークブックの例題は勿論、例でも使ってないよな?」って式もあるが、それも含めてざっと全体を把握するのに有用
-
統計検定準1級のモチベーションの保ち方
- 統計準一級に待ち受ける「5つの壁」に関する解説がしっくりくる
- ワークブックで周回速度を意識したきっかけ
-
チートシート
- YouTube
- 3Blue1BrownJapan
-
AIcia Solid Project
- 統計準一級の範囲だと、主成分分析と因子分析の違いに関する動画が滅茶苦茶分かりやすく、参考になる
-
田中嘉博
- 統計学の全体像を掴むのに有用
- 特に統計二級の範囲の復習に良かった
-
よびのり
- 特に固有ベクトルの解説が分かりやすく、いい復習になった
最後に
統計検定準一級の勉強は大変でしたが、合格するまでの過程で統計学の基本的な部分を効率よく勉強できたと実感しています。今後の学習に役に立ってくれるんじゃないかと期待しています。
以後は、エンジニアとしての勉強に加え、TOEICの勉強を進めていこうかなと考えています。
先述の翻訳前のYouTubeチャンネル3Blue1Brownのように、英語が得意であれば情報の取得効率が一気に上がるだろうな、と感じるサイトが数多くあり、それらを使いこなすためにも、英語力は重要かなと考えています。エンジニアとしてまだまだ先は長いので、焦らず土台を固めていきます。
ここまで拙い文章を読んで頂き、ありがとうございました。
少しでも学習の参考になれば幸いです。