2024年3月25日更新
SAP on AWS認定試験は2024年4月29日に廃止されることがAWS公式から発表されています。
つまり、本記事も2024年4月29日にはお役御免となるわけですが、勉強方法という観点ではSAP on AWS認定試験に限らず有効だと思うので、汎用的な内容とした“時間がないけどAWS認定試験に合格したい人に贈る効率の良い勉強法”という記事を投稿しました。
よろしければ、こちらの記事もご覧ください。
まえがき
つい先日、 AWS Certified SAP on AWS - Specialty (PAS-C01) に合格し、なんとか AWS ALL Certifications Engineer を維持することができました。
私はSAPに関する知識や実務経験はほとんどなかったため、しっかりと勉強してから試験に臨みたかったのですが、業務やプライベートが多忙で十分な勉強時間が確保できず、 いかに効率良く勉強するか が課題でした。
本記事では、私と同様に、限られた時間の中でSAP on AWS - Specialtyに合格しなければならない人に向けて、 効率の良い勉強法 を紹介します。
AWS ALL Certifications Engineer とは?
AWS JapanがAWSパートナー企業を対象として実施しているAWS認定試験資格を全て保持しているエンジニアを表彰するプログラムです。
2022年度は11種類でしたが、2023年度は2023年4月から新設された「SAP on AWS - Specialty」が追加され、12種類の資格を保持していることが求められます。
前提
本記事の勉強法は以下の方を対象としています。
- 目安としてSolution Architect - Professional相当以上のAWSに関する知識・スキルを有している人
- SAPに関する知識・スキルはほとんどないが、SAP on AWS - Specialtyの合格を目指している人
Solution Architect - Professionalに合格していない方は、SAP on AWS - Specialtyよりも先にSolution Architect - Professionalの合格を目指すことをおすすめします。
なお、本記事は「SAP on AWS - Specialtyの合格に特化した勉強法」です。
実務において、AWS上でSAPを設計、実装、移行、運用する場合、さらなる勉強・スキルアップが必要である点はご留意ください。
結論
時間がない人のための勉強法なので、先に結論を言います。
以下のコンテンツを順番に学習しましょう。
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AWS公式試験ガイドで試験範囲を確認する
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NRI Netcom 小西さんのブログの「SAP関連用語」だけを覚える
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AWS Skill Builder「SAP on AWS (Technical) (Japanese) (Sub) 日本語字幕版」をやる
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AWS Skill Builder「AWS Certified: SAP on AWS - Specialty Official Practice Question Set (PAS-C01 - Japanese)」をやる
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Udemy「PAS-C01: AWS Certified SAP on AWS | Real Exam Questions 98%+」の問題を解かずに先に解説を読んで理解してから再試験を受ける
詳細
ここからは、各コンテンツの学習法を詳しく解説していきます。
1. AWS公式試験ガイドで試験範囲を確認する
まずは公式の試験ガイドで試験範囲を確認しましょう。
SAPに関する用語は次の段階で学習するので、この段階ではわからなくても問題ありません。
むしろ、あまり時間をかけず、読み飛ばしていきましょう。
ただし、AWSに関する用語でわからないものがあれば、この段階で復習しておきましょう。
試験ガイドの後半に「試験の対象となる主要なツール、テクノロジー、概念」があるので、ここに記載されているAWSサービスの少なくとも概要は理解しておく必要があります。
例えば、「AWS XXXXってどんなサービスだったかな・・・?」という感じだと、問題文の意味が分からない、または誤解してしまうので、最低限、試験範囲に含まれるAWSサービスの概要は把握しておきましょう。
2. NRI Netcom 小西さんのブログの「SAP関連用語」だけを覚える
NRI Netcom 小西さんのブログは、SAP on AWSに限らず、AWS認定試験全般で非常に有用です。
私は他の試験でも活用させていただきました。(小西さん、ありがとうございます!)
ただし、このブログの内容をリンク先も含めてすべて読破するには、相当な時間を要します。
そのため、 この段階では、ブログの後半に書かれている「SAP関連用語」だけを読んで、 SAP on AWS試験で登場するSAP関連用語を理解するまでに留めておきましょう。
※ この後に紹介する学習コンテンツを終えた後、時間に余裕があれば、このブログを熟読することをおすすめします。
3. SCSK 大口さんのブログを読む
SCSK 大口さんのブログでは、SAP on AWS - Specialty の試験範囲・要点が非常にわかりやすくまとめられています。(大口さん、ありがとうございます!)
その1~8までありますが、 その2~6が必須 です。
その1は学習コンテンツの解説、その7は受験報告とまとめ、その8は補足なので優先度を下げています。
こちらのブログでも、AWSやSAPの公式情報が多数リンクされていますが、そこまで目を通していると、やはりかなりの時間を要してしまうため、 リンク先は割愛して、ブログに書かれている内容に絞って読んでいく のがよいと思います。
※ この後に紹介する学習コンテンツを終えた後、時間に余裕があれば、リンク先も含めて熟読することをおすすめします。
4. AWS Skill Builder「SAP on AWS (Technical) (Japanese) (Sub) 日本語字幕版」をやる
AWS Skill BuilderはAWS公式が無償提供しているオンデマンドの学習コンテンツです。
「SAP on AWS (Technical) (Japanese) (Sub) 日本語字幕版」では、認定試験の試験範囲・要点がわかりやすく解説されています。
本コンテンツは、以下の内容で構成されています。
- AWSとSAPの概要
- ネットワークサービス
- コンピューティングサービス
- ストレージサービス
- アーキテクチャの設計
- SAP HANA on AWS
- 応用プロジェクト
- オペレーション
- 移行
- BEYOIND INFRASTRUCTURE
- 結論
1~4はAWSサービスの基礎的な内容なので、Solution Architect - Professional合格者または相当の知識を有する人であれば、時間節約のため、スキップしてもよいと思います。
5. AWS Skill Builder「AWS Certified: SAP on AWS - Specialty Official Practice Question Set (PAS-C01 - Japanese)」をやる
AWS Skill Builderでは、模擬試験も無償提供されています。
20問だけですが、1問毎に正解/不正解と問題の解説が表示されるので、解説を読んで理解を深めていきましょう。
6. Udemy「PAS-C01: AWS Certified SAP on AWS | Real Exam Questions 98%+」の問題を解かずに先に解説を読んで理解してから再試験を受ける
仕上げはUdemyの模擬試験です。
SAP on AWS - Specialtyは2022年4月に新設された試験なので、まだまだ模擬試験等のコンテンツも少ないですが、Udemyでは以下の模擬試験が提供されています。
こちらのコンテンツは有料で定価8,800円と安くはありません。
ただし、Udemyは頻繁に割引キャンペーンを実施しており、キャンペーン中であれば2,000円程度で購入することができます。
※ というか、定価で販売されているほうが珍しい気が・・・。私が購入した時は1,800円でした。(2023年3月時点)
また、こちらのコンテンツは英語版ですが、ブラウザの翻訳機能を使うことで、英語が苦手な方でも支障なく、学習を進めることが可能です。
2023/3/26追記
残念ながら、こちらのコースは削除されてしまったようです。
Udemyの模擬試験で学習する際のポイント
Udemyの模擬試験で学習する際、最初は問題を解かず、解説から読んでください。
効率良く学習するには、これが重要です。
知識・学習が不十分な状態で模擬試験を受けても分からないことが多く、悩んでしまうため、必要以上に時間を使ってしまいます。
また、その状態で多くの問題を解くのは苦痛であり、学習のモチベーションが下がってしまうリスクもあります。
そのため、最初は問題を解かず、解説から読みましょう。
解説から読むと答えを覚えてしまうのではないか?という懸念を持たれるかもしれませんが、答えを覚えてしまっても問題はありません。
ただし、再試験を受ける際、丸暗記した答えを回答するのではなく、 「なぜ、この選択肢が正解なのか?」「なぜ、他の選択肢は間違いなのか?」を頭の中で説明できること を意識しましょう。
すべての問題でこれが出来るようになるまで、解説を読む(必要に応じて他の学習コンテンツで補完する)→再試験を繰り返します。
- 最初は問題を解かず、解説から読む
- 各選択肢の正解・不正解の理由を説明できるようになるまで繰り返す
これが重要です。
あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
本記事が、多忙な中、新たな資格取得やスキルアップを目指しているエンジニアの方々の一助になれば幸いです。