Windows 11 のノート PC では、
- Wi-Fi
- 有線 LAN
- Thunderbolt Dock の LAN
- USB LAN アダプタ
- VPN
- Hyper-V / WSL2 の仮想 NIC
など、複数のネットワークインターフェースが同時に存在することがあります。
このとき、
「実際にどのネットワークが優先されているのか?」
を確認したくなることがあります。
本記事では、Windows 11 におけるネットワーク優先順位の確認方法と変更方法をまとめます。
ネットワーク優先順位は何で決まるのか
Windows では、主に以下で通信経路が決まります。
- Interface Metric(インターフェースメトリック)
- Route Metric
- デフォルトゲートウェイ
- 接続状態
- リンク速度
特に重要なのが:
Interface Metric
です。
数値が小さいほど優先されます。
PowerShell で確認する
まずは現在の状態を確認します。
Get-NetIPInterface
例:
ifIndex InterfaceAlias AddressFamily InterfaceMetric ConnectionState
------- -------------- ------------- --------------- ---------------
15 イーサネット IPv4 5 Connected
22 Wi-Fi IPv4 10 Connected
36 vEthernet IPv4 5000 Connected
この場合:
| インターフェース | Metric | 優先 |
|---|---|---|
| イーサネット | 5 | 高 |
| Wi-Fi | 10 | 中 |
| vEthernet | 5000 | 低 |
つまり:
有線 LAN が優先
です。
実際の通信経路を確認する
route print
route print
または:
Get-NetRoute -DestinationPrefix 0.0.0.0/0
を見ると、
- どの NIC
- どのゲートウェイ
が実際に利用されるか確認できます。
特に:
0.0.0.0/0
のデフォルトルートが重要です。
Wi-Fi と有線 LAN の優先順位を変更する
現在の Metric を確認
Get-NetIPInterface | Sort-Object InterfaceMetric
Wi-Fi を低優先にする
Set-NetIPInterface -InterfaceAlias "Wi-Fi" -InterfaceMetric 50
有線 LAN を高優先にする
Set-NetIPInterface -InterfaceAlias "イーサネット" -InterfaceMetric 10
GUI から設定する方法
1. ネットワークアダプタ一覧を開く
設定
→ ネットワークとインターネット
→ ネットワークの詳細設定
→ その他のネットワーク アダプター オプション
2. 対象アダプタを右クリック
プロパティ
→ Internet Protocol Version 4 (TCP/IPv4)
→ プロパティ
→ 詳細設定
3. 自動メトリック
以下があります。
□ 自動メトリック
ON:
- Windows が自動決定
OFF:
- 手動設定可能
Thunderbolt Dock / USB LAN 使用時の注意
ThinkPad + Thunderbolt Dock などでは:
イーサネット
イーサネット 2
イーサネット 6
のように NIC 名が増殖することがあります。
これは:
- Dock
- USB LAN
- 仮想 NIC
- VPN
などを Windows が別 NIC と認識するためです。
特に企業 PC では:
- Lenovo Dock
- Hyper-V
- Docker Desktop
- WSL2
- VPN
などが組み合わさり、複雑なルーティングになることがあります。
Hyper-V / WSL2 の仮想 NIC
以下のような NIC はよく見かけます。
vEthernet (Default Switch)
これは Hyper-V / WSL2 用の仮想スイッチです。
通常:
Metric 5000
など非常に大きい値になっており、
通常通信には使われない
ようになっています。
VPN 利用時の注意
OpenVPN や Cisco AnyConnect などでは、
VPN 接続時に:
- ルーティングテーブル
- Interface Metric
が変更されることがあります。
例えば:
OpenVPN Connect DCO Adapter
などが追加されます。
VPN 接続後に通信経路が変わる場合は、
route print
を確認すると分かりやすいです。
よくある構成例
Dock 接続時は有線 LAN を優先したい
Set-NetIPInterface -InterfaceAlias "Wi-Fi" -InterfaceMetric 50
Set-NetIPInterface -InterfaceAlias "イーサネット 6" -InterfaceMetric 10
まとめ
Windows 11 のネットワーク優先順位は、
Interface Metric
によって決まることが多いです。
確認コマンド:
Get-NetIPInterface
実際の通信経路確認:
route print
優先順位変更:
Set-NetIPInterface
を利用します。
特に:
- ThinkPad
- Thunderbolt Dock
- VPN
- Hyper-V
- WSL2
などを使う環境では、意図せず優先順位が変わることがあるため、Metric を明示設定すると安定しやすいです。