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Python パッケージ管理ツール比較: Poetry vs Pipenv vs Rye

Last updated at Posted at 2024-07-06

Pythonの開発環境を整えるうえで、パッケージ管理ツールの選択は非常に重要です。
今回は、3つのツール - Poetry、Pipenv、Ryeを比較してみます。

比較表

項目 Poetry Pipenv Rye
実装言語 Python Python Rust
依存関係の管理
ビルドツール ✅ (poetry build) ✅ (rye build)
ライブラリのアップデート ✅ (poetry update) ✅ (pipenv update) ✅ (rye sync --update-all)
フォーマッタ ❌ (外部ツール統合可) ❌ (外部ツール統合可) ✅ (ruffでのrye fmt)
Linter ❌ (外部ツール統合可) ❌ (外部ツール統合可) ✅ (ruffでのrye lint)
仮想環境管理
ロックファイル poetry.lock Pipfile.lock requirements.lock
パッケージング ✅ (poetry build) ✅ (rye build)
パブリッシング ✅ (poetry publish) ✅ (rye publish)
ツール自身のアップデート ✅ (poetry self update) ✅ (pip install --upgrade pipenv) ✅ (rye self update)
最終リリース 1.8.3 (2024-05-08) 2023.9.1 (2023-09-01) 0.35.0 (2024-06-24)

詳細比較

実装言語

PoetryとPipenvはPythonで書かれていますが、Ryeは高速な実行を目指してRustで開発されています。

依存関係の管理

3つのツールすべてが依存関係の管理を行います。
Poetryはpyproject.tomlファイルを使用し、PipenvはPipfileを使用します。
Ryeもpyproject.tomlを使用しますが、より柔軟な設定が可能です。

ビルドツール

PoetryとRyeはパッケージのビルド機能を内蔵していますが、Pipenvにはこの機能がありません。
Poetryはpoetry buildコマンドを使用し、Ryeもrye buildコマンドを提供します。

ライブラリのアップデート

すべてのツールがライブラリのアップデート機能を提供しています。
Poetryはpoetry updateコマンドを使用し、Pipenvはpipenv updateコマンド、Ryeはrye syncコマンドを持っています。

フォーマッタとLinter

PoetryとPipenvは直接フォーマッタやLinterを内蔵していませんが、外部ツールとの統合が可能です。
一方、Ryeはruffによるフォーマッタ、Linterが標準で統合されています。

その他の特徴

  • 仮想環境管理:3つのツールすべてが仮想環境の管理が可能です。
  • ロックファイル:依存関係の正確なバージョンを記録するためのロックファイルを生成します。
  • パッケージング:PoetryとRyeはパッケージングとPyPIへの公開機能を提供しますが、Pipenvにはこの機能がありません。
  • ツール自身のアップデート:3つのツールすべてが自身のアップデート機能を持っています。(pipenvのみpipでアップデート)
  • 最終リリース日:Ryeは新しいツールということもあり開発が活発です。Poetryも定期的に更新されています。

まとめ

どのツールが最適かは、プロジェクトのニーズや開発スタイルによって異なります。
Poetry、Ryeは依存関係管理からパッケージング、パブリッシングまで幅広くカバーしており、特にPyPIへの公開を考えている場合に便利です。
Pipenvはシンプルな依存関係管理と仮想環境の統合に強みがありますが、ビルドやパブリッシング機能はありません。

RyeはRustで書かれているため、高速な動作が期待でき、さらにフォーマッタやLinterの統合も魅力です。

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