はじめに
12/6に続いて、再び投稿させていただく大和田です。本日は、Open Source Summit Japan 2023の2日目に行われたパネルディスカッション "The OSPO Panel of JAPAN 2023: How to Accelerate OSPO?"について簡単に報告します。
概要
Open Source SummitはThe Linux Foundationが開催するLinuxをはじめとするOSSに関わる人々が集まるイベントで、世界各地で行われています。12/5-6に日本の有明セントラルタワーホール&カンファレンスで開催されました。12/19の投稿にその概要が紹介されています。
ご紹介するパネルディスカッション "The OSPO Panel of JAPAN 2023: How to Accelerate OSPO?"は、TODO GroupのAnaさんにモデレーターをしていただき、Open Chain Japan Work GroupのOSPO SWGのメンバーで行いました。
日本でもOSPOを設置する企業が増えてきていますが、OSPOについてよくご存じない方も多く、OSSコミュニティ活動の重要性やOSPO設置の有益性についてお伝えしたいと行ったものです。
日本でのOSPOの理解を広める活動例として、OSPOを紹介する漫画1や、OpenChain Japan Work GroupのOSPO SubWGの活動2を紹介したのち、ディスカッションを行っています。
ディスカッションやその後のQ&Aの内容については、Open Source Summit Japan 2023のスケジュールサイトにリンクのあるビデオをご覧いただくと良いと思います。
The Linux Foundation / CC BY-NC 2.0 DEED
https://www.flickr.com/photos/linuxfoundation/53381004123/in/album-72177720312540604/
なぜ、このパネルディスカッションを行ったのか
それぞれの企業内の取り組みであるはずのOSPOについて、なぜ、このようなOpenな場で話をしているのかと思われるかもしれません。
実は、これもOSPOの活動の一つだからです。
OSPOにはいろいろな側面があり、OSPOが何かを端的に表現するのはむずかしいのですが、一つの説明として「OSPOはOSSコミュニティ活動を企業活動で有効活用する状態を目指すもの」ということができると思います。
今日、OSSは企業活動に必須となっています。そのOSSの開発、発展を支えているのはOSSコミュニティです。そのOSSコミュニティは、多くの企業からの貢献によって成り立っています。つまり、多くの企業の貢献が個々の企業活動に必須という状態になっているのです。
Openな場で、話をすることで、OSS、および、OSSコミュニティについて理解が広がり、OSSコミュニティ活動と企業活動の効果的な連携が他社に広がれば、自社にもその恩恵がもたらされる、と考えています。
一方で、OSSコミュニティとの効果的な連携とはどんなものかは、それぞれの企業の状況によって様々です。また、OSSコミュニティの状態は常に変化するので、絶対的な正解はありません。
常に、よりよい関係を追い続けるものだと思います。
そのために、自分の取り組みをOpenにして、周囲に働きかけるとともに、フィードバックを得て自身も変化することを繰り返して、正解に近づくという活動が最適な戦略なのだと考えています。
おわりに
パネルディスカッションの報告のつもりが、自身のOSPOについての考えを書かせていただきました。これもOSPOの活動の一つになっていると思います。フィードバックをいただけると大変うれしいです。
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OSPO紹介漫画
by みらくるちゃん(@miraclelinux) CC BY-SA 4.0
https://www.miraclelinux.com/miracle110/miracle-chan/miracle-chan#------------ ↩