オープンソースソフトウェアへのコミット方法には様々なものがある。コードを書くだけでなく、ドキュメントを書いたり、ソフトウェアの配布サイトを管理したり、といったことがあります。翻訳もその一つです。
今日は、「ソフトウェアにコミットするときに翻訳から取りかかる」ことのメリットとして、以下の2つを紹介します。
- 少しずつ取りかかれる
- 翻訳のコミットは歓迎され易い
少しずつ取りかかれる
コードでのコミットの場合、ある程度まとまった量になることが多いです。追加するコード自体は少なくても、テストコードが結構な量になることもあります。
翻訳の場合は、一文から取りかかることができます。なので、「大量のリソースは割けないが、少しコミットしたい」という場合には作業しやすいです。
翻訳のコミットは歓迎され易い
「翻訳のコミットは歓迎され易い」と私は思います。理由は以下の2点です。
翻訳は、ほぼ確実に改善につながる
コードでコミットする場合、コミットする側はコミットする機能が重要だ、と考えています。コミットを貰う側も同じ判断なら良いですが、必ずしもそうではありません。「このソフトウェアには不要な機能だ」という判断かもしれません。
一方、翻訳をコミットする場合、ほぼ確実に改善につながります。このため、ほぼ確実に翻訳を受け入れてもらえます。本体に組み込んでもらえるのが理想ですが、最悪でも「翻訳されたものがここにあります」ぐらいは紹介してもらえるでしょう。
一人で様々な言語に翻訳するのは難しい
コードの場合は、一人の天才がほとんど書いてしまう、というケースが結構ありそうです。そういう場合、他からコミットしてもらうことがあまりメリットにならないかもしれません。
翻訳は、理論上は一人で様々な言語に訳すことが可能ですが、そんなスーパーマンは滅多にいないでしょう。会社組織が中心の場合でも、かなり大変でしょう。なので、自分では難しい(or不可能な)翻訳をコミットすると、歓迎されやすいでしょう。
私個人のコミット方法
私個人は、いきなり多くのコードをコミットするのではなく、少しずつコミットするようにしています。少しずつコミットするうちに、そのソフトウェアの開発体制が少しずつ分かってくるからです。
「少しずつのコミット」に丁度いいのが翻訳ですね。一度に全部翻訳するのは大変ですが、「30分〜1時間作業する×週2〜3回」ぐらいでも結構進みます。
そうやって少しずつコミットしてから、大きな提案を行うようにしています。もちろんオープンソースソフトウェアなら、理論上は最初から大きな提案をしても良いのですが、私は少しずつコミットした上で行うようにしています。
まとめ
ソフトウェアの翻訳は、コミットするときの取りかかりとして良いのではないかな、というお話でした。