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モチベーションクラウドシリーズAdvent Calendar 2019

Day 24

10年後、仕事がなくなっていそうなアイコン

Last updated at Posted at 2019-12-24

YoutubeのアプリアイコンがTVじゃなくなっている....!?だと....!?

iPhone OS 2のホーム画面現在のiphoneのホーム画面

もし、「10年前にiPhoneを手に入れて喜んでいた人」がタイムスリップして、2019年のiPhoneを触ったら、きっとそう驚くんだろうと思います。

この時、いつも僕が気にしているのは、
書き換えられて、解雇されたTVアイコンの気持ちです。

リニューアルだ!と新しいアイコンばかりが世間では脚光を浴びますが、
その裏側ではサービスに尽くしてきた功労者達が首を切られているわけです。

「採用した当時は適切な表現だったが時代遅れになった」 / 「その概念が十分に知れ渡り、比喩表現はもういらない。お役御免」

様々な理由で、アイコンは突然、解雇されていくのだと思います。

みなさんには、聞こえませんか?

アプリをアップデートしている最中、
**「次は、自分の番なのではないか?」**と震えるアイコンたちの声が。
image.png
アプリアイコンだけではありません。タブバーなど、アプリ内部で使われているアイコンたちの声もです。
image.png

僕が注目しているアイコンたちは、10年後まで仕事があるのか?
この記事では、その分析結果をつらつらと述べていきます。

1.カメラアイコン(撮影アプリ)


間違いなく、仕事がなくなってそうですね。
昔は「撮影」を表す仕事があれば、まず間違いなく、このカメラアイコンが採用されていました。

アイコン業界では、そろそろ保護した方が良いのではないか?と心配の声が挙がっているのではないでしょうか?

カメラを使う人が少なくなっていて、「撮影=カメラ」でなくなってきていることと、
兄弟分の「写真」アイコンの仕事は、抽象的なイケメン風アイコンたちによって見事になくなりました。
そんな状況もあって周りも彼を心配していることでしょう。

最近は、"カメラ"という物体でなく、"撮影"という動きの一コマを切り出した
「シャッターをきるアイコン」というスター候補も出てきており、彼に仕事を奪われそうです。

近年の潮流として、
「ハードウェアの外観」を表現したベテランが***「ソフトウェアの動き」を表現した若手***に仕事を奪われるケースがしばしば見られており、新しい時代を感じます。
特に、「シャッターをきるアイコン」はその先導役としても期待されているかなと思っていて、業界全体で注目の存在です。

話を戻して、カメラアイコンの僕の中での評価は下記の通りです。

浸透度(これまでの) :★★★★★
普遍性(時を超えた) :★☆☆☆☆
整合性(比喩表現の) :★★☆☆☆

10年後の生存判定:C

2.地球アイコン(Webサイト)

アイコン業界の中堅です。
個人的に好きなアイコンなので、ひいきしてしまいそうです。
地球アイコンは、Webサイトを表す仕事を受けることが多いわけですが、WorldWideWebをこれ以上ない形で表現しています。

地球アイコンがはじめて採用されたときは、***君なら、「世界中の人と繋がる」という規模感(WorldWide)を伝えられる。頼んだぞ。***と告げられていそうです。

10年くらい前は、こんな感じでした。

注目すべきは、直近のフラット化の流れを受けて***「蜘蛛の糸(Web)」っぽさを追加で表現***している点です。

よく見てください。蜘蛛の糸でできた地球に見えませんか?
これすごくないですか?
自分こそが、World Wide Webを表すのにふさわしい。という強い意思表明に見えますし、こんな姿勢をみたら継続的に採用したくなります。(時代の変化を自分の成長に還元できる画材はやはり強い)

「Webを表す仕事は地球アイコン。お前にふさわしいよ」と言いたくなります。

数十年に渡り業界内で生き残っている実績はあるものの、
この地球アイコンを見て「あーWebサイトね」と即答できる人が少なそうではあり、あんまり浸透してなさそうだなとは思います。
地球アイコンの僕の中での評価は下記の通りです。

浸透度(これまでの) :★★☆☆☆
普遍性(時を超えた) :★★★★★
整合性(比喩表現の) :★★★★★

10年後の生存判定:B+

3.一軒家アイコン(ホーム画面)


非常に評価が難しい存在です。
***「みんなが帰ってくる場所」「サービス起動したらまず迎え入れる場所」***を表す仕事が多い印象です。
いわゆる、ホーム画面のアイコンとして採用されることが多いです。

しかし、本人も驚いていることでしょう。

ホーム画面は***「とりあえずいろんなコンテンツが雑多にぶち込まれた、なんでもありな場所」という扱いが多く、どちらかというと「激安生活雑貨」的な印象***をもたれるからです。
仕事を受けるときには気づきにくく、働き始めてわかる実態です。

家感、皆無です。

また、***「悩んだらとりあえず戻ってくる場所」「サービス起動したらまず迎え入れる場所」と聞いてみんなが思い出す光景はもはや一軒家じゃないのでは?***という懸念もあったりします。

「私にとって、家=マンションの一室です。」など、住居の多様性という論点はもちろんですが、
「私にとって、戻る場所=家でなくて2chです。」など、現代人の心のふるさとはどこなんだろう?という論点もあるからです。

なので、このような評価にしたいと思います。
浸透度(これまでの) :★★★★☆
普遍性(時を超えた) :★☆☆☆☆
整合性(比喩表現の) :★☆☆☆☆

10年後の生存判定:C

4.右向き三角形アイコン(再生ボタン)

アイコン界の月見草ですね。
かなり普及しているもののこれまで紹介したアイコン達と比べると、決してキャッチーではない地味な存在、
それが「右向き三角形アイコン」です。
「コンテンツの再生」を表す仕事をよく引き受けています。

彼の仕事は古く、1960年代にも遡ります。
キャリアのはじまりは、インターネット、ソフトウェアが生まれる前、テープレコーダーの操作ボタン。
テープレコーダーは、左から右にテープを流すことで動画の再生がはじまる機械だったため、彼の採用が決まりました。

同時に、弟分である「右向き三角形2連続」の採用も決まりました。「倍速再生」を表現する仕事です。

「右向き三角形」が「再生」を表現する仕事を受け続けてはや60年。歴史を感じます。

現在では、左から右に進んでいくプログレスバーとタッグを組むことでわかりやすさを保っています

image.png
右側にバーが動けば、音楽・動画が再生するということが直感的にわかる。
時代に合わせて周りを巻き込んでわかりやすさを追求する姿勢に感動します(時代の変化をチームで乗り切れる画材は強い。仕事を任せ続けたくなります)。

余談ですが、時代に合わせた適応の努力をしていないのに、仕事がなくならない老害もいます。
それが「縦2本線」アイコン(一時停止)です。


たしかに、音楽の譜面時代から仕事を受けているという点はリスペクトすべきでしょう。
譜面は進行方向が左→右。
平行な5線が支配する横方向の世界において、「縦2本線」のアイコンはたしかに「止まる」という印象を与えられます
当時、採用される理由はわかります。

しかし、音楽・動画再生はプログレスバーが支配する世界に変わりました。

正直、「縦2本線」って意味不明じゃないですか?
「一時停止」ボタンなどに、彼が未だに採用される理由がわかりません(癒着...?)。

「縦2本線」という身近な存在が楽をしている中、努力を惜しまない「右向き三角形」。
そんな彼が「Youtubeのアプリアイコンに採用される」というビックニュースが届いたとき、アイコン業界全体が感動に包まれまれたことでしょう。
あの地味な存在が、花形の仕事であるアプリアイコン(しかも、Youtube)に抜擢された。努力は報われる的な感動エピソード。

僕の中での評価は下記の通りです。

浸透度(これまでの) :★★★★★
普遍性(時を超えた) :★★★★☆
整合性(比喩表現の) :★★★★★

10年後の生存判定:A

5.ゴミ箱アイコン(不要なファイルを一時的に退避する場所)

来ましたね、アイコン界の重鎮です。
「不要なファイルを一時的に退避する場所」を表す仕事を一手に引き受けています。
イラストだけでなく、機能にも比喩表現が組み込まれているので、このような独占的な地位を築いているのでしょう。
「移動してから、n日間経過するとファイルが削除される」機能性は、
「部屋にある不要なモノを一時的に集めるカゴ。一定期間経つと、中のものが焼却炉に持っていかれる。」というゴミ箱そのもの。

ソフトウェアの比喩表現の第一人者でもあります(比喩表現としては、デスクトップと肩を並べるほど)。

しかし、「ドライブなどファイル容量を気にしなくても良い環境が当たり前になって以降、活躍の機会が減った」という悩みを抱えているようです。
また、メールアプリなどで使われているアーカイブというライバルも気になっているはず(似たような使い方をされている意味合いで)。

いろんな不安材料はありますが、一度削除したモノを復旧させたいという要求がある限り、彼の活躍の場は保たれると個人的には思っています。
これまでもそうでしたし。
(この文脈で、彼の仕事を奪うのは、履歴など「操作単位の取り消しができる機能」だと思っています。トランザクション単位での操作が可能になる機能がすべてのアプリケーションで普及した場合、消したオブジェクトが一時的に集約されている場所が不要になりそうです。)

このような評価にしたいと思います。

浸透度(これまでの) :★★★★★
普遍性(時を超えた) :★★★★☆
整合性(比喩表現の) :★★★★★

10年後の生存判定:A

その他

受信トレイ、Wifi、ラジオボタン、設定などに使われているアイコンなど話題にあげたいものは多いのですが、
この記事ではここまでにしたいと思います(すみません)

最後に

偉そうに書いてしまいすみません...
今後、アイコンを選ぶときの参考になればと嬉しいですし、みなさんの好きなアイコンやその表現が今後生き残れそうか?などの意見についてもぜひお聞かせ下さい!

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