はじめに
Eclipseの「Ctrl + T」で型階層を素早く確認できます。
Javaの学習で役立ったエピソードを交えて解説します。
株式会社ライトハウスラボの太田と申します。エンジニア歴4年で、Webアプリケーション開発(Django/Spring)やSQLが得意です。新人研修インストラクターも担当。QiitaではフレームワークやIDEの便利機能を投稿していきます。
Ctrl + T とは?
Eclipseにおける 「型階層の一覧表示」ショートカット です。
開いているクラスやインターフェースの継承関係・実装関係を一瞬で表示できるため、クラス設計やフレームワークの理解に役立ちます。
研修で役立った「Ctrl + T」と「Ctrl+クリック」のエピソード
新人エンジニア研修で、Javaのオブジェクト指向(継承とインターフェース)の講義をしていたときのことです。
題材にしていたのは、研修用に用意した下記のサンプルコード(シンプル継承関係の階層構造)。
受講生からは、「Shiba の play() メソッドはどこで定義されているのですか?」 という質問が出ました。
// サンプルコード
java.lang.Object
│
└─ (interface) Animal // 動物の基本的な振る舞いを定義(例: speak)
│
└─ (interface) Pet // Animal を継承。ペット特有の振る舞いを追加(例: play)
│
└─ (abstract class) Dog // Pet を実装。speak を共通実装し、play を未実装
│
└─ (class) Shiba // Dog を継承。play を具体的に実装
まず私は Ctrl+クリック
を使い、play() メソッドの宣言元である Pet インターフェースにジャンプして見せました。しかしそれだけでは「Shiba と Dog、さらに Pet や Animal がどうつながっているのか」が直感的に分かりづらい様子でした。
そこで Ctrl + T
を実演しました。Shiba にカーソルを置いてショートカットを押すと、インターフェースから抽象クラス、具象クラスまでの階層が一覧表示され、継承と実装の関係が一目で把握できました。受講生たちは「Ctrl+クリック
で宣言を追えて、Ctrl + T
で全体像が見えるんですね!」と理解が一気に深まりました。
Ctrl + T | 再度 Ctrl + T で切り替え |
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また私は補足として「この方法は研修用のサンプルコードだけでなく、標準ライブラリやSpringのようなフレームワークを理解するときにも非常に有効です」と伝えました。実際、大規模なライブラリを学ぶときには、型階層をサッと俯瞰できるだけで理解のスピードが大きく変わります。
この体験を通じて、IDEのショートカットは学習ツールとしても強力であり、オブジェクト指向の理解から現場のフレームワーク解析まで幅広く役立つことを実感しました。
使い方(手順)
- Javaファイルを開く
- 継承関係(及び実装しているインターフェース)を確認したい 型, **クラス, インターフェース にマウスカーソルを置く(ホバー)する
- 「
Ctrl + T
」 を押す → (親クラスから順に表示) - さらに「
Ctrl + T
」 を押す → (子クラスから順に表示、インターフェースも表示される)
例えば ArrayList 上で Ctrl + T
を押すと、AbstractList → List → Collection という上位インターフェースや、関連するクラス階層が表示されます。
表示される情報 | |
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活用シーンの例
-
継承関係を一目で把握したいとき
複数階層にまたがるクラス構造をサッと確認できます。 -
実装クラスを探したいとき
インターフェースから具体的な実装にすぐジャンプできます。 -
フレームワーク理解に役立てたいとき
Springなど大規模フレームワークの構造把握に効果的です。
まとめ
- 「
Ctrl + T
」は型階層を一覧表示するショートカット - 継承関係や実装クラスを即座に把握できる
- 他のショートカットと組み合わせるとさらに効率的
Java開発において、コードを素早く理解する力は大きな武器になります。ぜひ明日から「Ctrl + T
」を使ってみてください。