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最近流行り(?)のIDaaSについてまとめます

Last updated at Posted at 2019-03-29

IDaaSとは

Identity as a Serviceの略称で、
アイデンティティ(Identity)の管理をSaaSやIaaSなどと同じく
クラウドにて管理するサービスのこと

簡単に言うと、
「アプリケーションで必要とする認証まわりの機能(ユーザー管理・権限管理など)を提供してくれる」
クラウドサービス。

使うと何がいい?

サーバーサイドの認証基盤を作らなくていい

アプリ開発者は、お客様に価値を提供するためにアプリを開発します。
しかし、価値がある機能だけ作ればよいわけではないのが現状。

ユーザー管理やセキュリティなど、一般的に必要とされる機能も毎回作らなければなりません。
最近は、「個人情報をできるだけ持たない」という意識も強くなってきているので、
IDaaSに依存すれば、個人情報を扱うことの負荷も軽減されます。

クライアントサイド(アプリ)はライブラリをいれるだけ

認証の種類に合わせたライブラリを使う
※各IDaaSから提供されます

  • SAML
    • 企業内やより高いセキュリティを求められるシステムで利用する
  • OpenIDconnect
    • facebookやtwitterなどの"世の中に広まっている"アカウントを利用して認証する時によく使われる仕組み
    • 不特定多数のコンシューマ(一般消費者)が使うアプリなどでよく利用される  
  • OAuth
    • WebAPIなどに利用

など

サーバー管理をしなくていい

データのバックアップやサーバ・ハード保守、脆弱性への対応などすべてIDaaS側で対応してくれるため、
運用コストが少ない。

シングルサインオンできる

複数のアプリがある場合、同じIDaaSを利用すれば、
一回のログインで、すべてのアプリへの遷移が可能

不利益はある?

下記にポイントだけ記載しますが、どれも自分達で認証基盤を作って、
担保するほうが負荷が高い要件だと思われます。
短所であり、長所でもあります。

可用性

IDaaSが落ちると、アプリにログインできなくなります。
自分で開発してもそうですが、クラウドサービスなので可用性は100%ではないですし、
復旧の速度もそのサービスの品質次第になります。

各クラウドサービスのSLA・SLOは要チェック

保守性

バグがあったとしても、
直してくれるのを待つしかありません。

安全性

セキュリティ面は基本IDaaS側で担保してくれますが、
IDaaS側で情報漏えい等があった場合、無傷ではいられません。

機能性

IDaaS側でカバーしていない機能がある場合、
最悪自分で作らないといけないケースも。

各IDaaSひとこと説明 ※かなり私見がはいります

Okta

IDaaS最大手とされているが、日本ではあまり広まっていない印象。
日本語対応されているという情報もあったが、設定で日本語に変えても、
管理画面は英語のままだった。利用者向け画面だけ対応されている?
UIは綺麗。日本向けに提供できるのであれば使ってみたい。

Azure Active Directory

名前で勘違いしてしまうことが多い。
従来のActiveDirectoryを想像してしまうが、
他のIDaaSと同じようなポータル機能・ActiveDirectory連携機能などを持つもの。
名前がまぎらわしい、かつAzureのUIが好きになれない。

Oracle Identity Cloud Service

仕事で一年ほど利用している。
WebAPIが充実しているので、利用者側で開発することが可能。さすがOracle。
サポート品質は悪い。さすがOracle。 ※日本が窓口、開発は米国なので、非常にレスポンスが悪い。
他のIDaaSと比較すると好きなところも多い。
日本語化対応はちゃんとされている。

※2019-08-30追記
Oracle Identity Cloud ServiceはOracleCloudInfrastructureに吸収された。
Oracleからは自分で移行しろとのお達し。
営業の発言も多々間違いがあり、oracle内部で統制がとれていない状態。
今はまだ使うべきではない。

※2019-11-13追記
OracleCloudInfrastructure契約するも、、デプロイ途中なんじゃないかという環境 
※見るたびに画面表示が変わる
あるサービス(OracleIntegrationCloud)のインスタンスを作ろうとしても、
何日たっても作成が完了しない など...
もうダメだ....

※2021-12-21追記
最近は安定していますが、サービス移行する模様です。
Oracle Identity Cloud Service → OCI IAM

OneLogin

AWSのサポートからも紹介される程度に知名度が高い。
UIは非常に綺麗。
だが、WebAPIの作りが弱い印象。
他のシステムとの連携や、ワークフローの自動化を自分で作り込むのが難しそう。

AWS Single Sign-On

AWSのサービスの中では非常に敷居が高い。
ActiveDirectoryが必須かつ、企業の子アカウントになっている場合は利用できない。
AWSなので、最高のサービスであることは想像できる。
敷居がさがると嬉しい。

TrustLogin(元SKUID)

最近名前がTrustLoginに変わった。アイコンはダサくなった。
対応機能があげられているが"実装予定"で、現在実装されていないものが多すぎる。
UIは非常に綺麗。
公式ブログは情報量が多く勉強になるが、宣伝が激しい。

Auth0

まだ試してはいないが、APIの質が良さそうなので期待大。
今選ぶならコレにチャレンジしたい。

2021-01-17 追記
使ってみたところ今の所不満はないです。
無料でも7000ユーザーまで利用できたりと便利。

※ガートナーのIDaaS調査結果(2017)
https://www.americabu.com/okta
image.png

IDaaSのデータ構造

どのIDaaSもだいたいこの構造です。
※グループorロールだったり、グループとロールが両方あったりはあります。

各ユーザーはグループやロールに属し、
各グループやロールはアプリケーションに紐づく形で
権限管理をしています。

image.png

※用語説明
IdP:IdP(Identity Provider)とは、認証情報の提供者のこと。この記事ではIDaaSを指しています。
SP:SP(Service Provider)とは、認証情報の利用者のこと。この記事ではIDaaSを利用するアプリを指しています。

Oracle Identity Cloud Serviceについて

ここからは、仕事で利用している「Oracle Identity Cloud Service」(IDCS)について簡単にまとめます。

機能

  • 管理画面
    • ダッシュボード
      • 保持しているデータの数が確認できる(ユーザー数、アプリケーション数など)
    • アプリケーション管理
      • カタログからの簡単アプリ登録や、Oauth・SAMLアプリケーションの細かい設定を自分でしたりできる
    • グループ管理
      • アプリケーションやユーザーに紐付けるグループが作成できる
    • ユーザー管理
      • IDaaSの利用者を登録できる
    • レポート
      • ログイン履歴の確認・ダウンロードができる
      • 誰がどのアプリケーションを利用しているかの履歴などもとれる
    • セキュリティ
      • パスワードポリシーやMFA設定、アクセスできるネットワーク制限など、多岐にわたるセキュリティ機能がある
      • 管理者権限の委任機能もある
      • 外部IdPとの連携
  • ログイン画面
    • 一般的なID・パスワードを入力する画面
    • デザインのカスタマイズは可能
    • 外部IdPを利用したログインの追加などのカスタマイズもできる
  • ポータル画面
    • ログインした後、自分の利用できるアプリケーションの一覧がアイコンで表示される
    • リンクを押すと、SAMLなりでセキュアなSPへの遷移ができる

コスト

以下を参照ください。
https://cloud.oracle.com/ja_JP/identity/pricing

Oracle Identity Cloud Service と OneLoginの比較

※2018/11時点での確認できた内容。
 内容の不備や現在の仕様と異なる点はご承知ください。
image.png

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