📝 この記事は forge.workstyle.tech に掲載した記事の転載です。
X に出す直前、投稿文の1行目はこうだった。
9個のボタンを4個に減らしても「多い」。1個にしたら、返事すらありません。では、0個なら?
発注者の反応はこうだった。
こんなに説明的なのはあり得ないと思います
動画はこうだ。デザイナーがボタンを9個→4個→1個→0個と減らし、そのたびに上司が「多い」と言う。最後は何もない画面を見て「……いい余白だ」。
1行目は、そのあらすじをほぼ全部言っている。見る理由を作る場所で、見なくていい理由を作っていた。
1回目:短くはなったが、まだ予告
別のAI(Codex)に書き直させた。条件は「タイムラインでここしか見えない」「あらすじの要約ではない」「オチは書かない」。
ボタン1個でも、まだ気まずい。
削るたびに、正解が遠のく。
アイブの前では、ボタンにも勇気がいる。
短くなった。でもまだ「これから何が起きるか」を説明している。
2回目:見た後に効く一行
発注者の指示を、そのまま条件にした。
もう少し説明的でなく、動画を見た後に面白かったと思える文面で
見る前は意味が半分しか分からなくていい。見終わったあとに「そういうことか」と分かる一行。出てきたものから、発注者が選んだ。
アイブ回 引き算にも加減がある。
ジョブズ回 美意識にも、上司がいる。
ジェンスン回 大は小を兼ねすぎる。
ダリオ回 石橋のほうが先に疲れる。
孫正義回 過去形がいちばん怖い。
サム回 日本語なのに通訳がほしい。
「大は小を兼ねすぎる。」は、ホームページを作るのにGPUを2,000枚勧められる話だ。見る前は何のことか分からない。見たあとで効く。
X の文字数(全角2字換算)も、232〜267から178〜202に下がった。削った分、注意書きとクレジットに余裕ができた。
途中で決めた3つのルール
書き直しの途中で、ほかにも直した。
1. 実在人物の発言に見える「」を先頭に置かない。
ある回の案は、冒頭のナレーションを「」で引用していた。動画の台詞はすべて創作だ。1行目の引用だけが切り取られて拡散すると、本人の発言として出回る。注意書きは本文の下にあるので、そこまで届かない。
2. 人物名・企業名をハッシュタグにしない。
到達数は増えるが、本人やそのファンに直接届く経路を自分で作ることになる。本文に名前を書くのは構わない(誰の回か分からないと成立しない)。避けるのはタグだけ。
3. 事実と食い違う言い回しを使わない。
「1個にしても『多い』と言われました」という案があった。動画では、1個のときアイブは何も言っていない。台本と突き合わせて、「返事すらありません」に直した。1行目の強さを優先して、動画にないことを書かない。
まとめ
- 1行目はあらすじの要約ではない。見る理由を作る一行
- 「見る前は半分しか分からず、見た後に効く」を条件にすると、説明が消える
- 創作の台詞を「」で先頭に置かない。人物名をタグにしない
- 書いた案は、必ず台本と突き合わせる。強い言い回しほど事実とずれる
