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Standard Editionでも利用できるOCI Database Management活用のススメ

Last updated at Posted at 2024-05-01

Oracle Cloud Infrastructure で利用可能なデータベースの監視サービスであるOCI Database Managementは、ブラウザでアクセスできるOCIの管理コンソール上で監視対象であるデータベースの稼働状況を一元的に監視することが可能な監視サービスです。

Enterprise Managerのセットアップが不要でオンプレミス/クラウド関係なく利用でき、Enterprise Edition
を監視対象に有償である「完全管理」を利用すれば、従来であればオプションライセンスが必要であったAWRレポートの取得やSQLチューニングを実行可能なフルマネージドの監視サービスとなっています。監視対象がEnterprise EditionであればDatabase Managementの「完全管理」を利用するメリットは明確なのですが、Base Database Service Standard Editionを監視対象とした場合に有償の「完全管理」を使う理由は何なのか、無償である「基本管理」との違いから調査を行いました。

1. 監視メトリックの違い

「基本管理」ではBase Database Serviceのデータベースの詳細画面でのみOCI Monitoringメトリックを確認可能となっており、「データベース」の詳細画面で参照可能な監視メトリックは、
「CPU使用率」、「ストレージの使用状況」、「実行数」、「ブロック変更」、「解析数(合計)」、「現在のログオン数」のみとなっています。(OCI Monitoringでは「ファイルシステムの使用率」などストレージの利用状況を確認可能)
一方で、「完全管理」を利用した場合は、「バックアップ期間」や「バックアップ・サイズ」といったバックアップの監視、「DB時間」や「CPU時間」といったCPUボトルネックの確認、「待機時間」や「生成済REDO」、「IOPS」といったIOボトルネックの確認などパフォーマンスボトルネックの分析に利用可能なメトリックが追加されDatabase ManagementのデータベースOCI Monitoringのメトリック・エクスプローラから参照が可能です。

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また、「完全管理」を利用した場合は、PDBをDatabase Managementに登録して、PDB単位の監視メトリックを確認することが可能になっています。「完全管理」を利用した場合に利用可能な監視メトリックについてはこちらのドキュメントを参照ください。

Oracle Cloud Infrastructureドキュメント
Database Management Oracle Cloudデータベース・メトリック

2. Oracle Database Fleetによる統合監視

「完全管理」を利用し、PDBをDatabase Managementに登録することで、Oracle Database Fleetによる統合監視が可能になる。Enterprise Editionと同じように現在の稼働状況を確認でき、オンプレミスで稼働する外部データベースについてもフリート・サマリーの画面で一元監視することが可能です。

下記のようなリスト形式だけでなく、CPU使用率、割当CPUの使用率、IOスループット(MB/s) 、レートIO (IO/秒、使用されているメモリー(GB)、使用済ストレージ容量(TB)、割当ストレージ容量(TB)の項目をタイルの面積に、使用率や期間ごとの比較の変更割合で色付けされたヒートマップによる表現も可能になっています。複数のStadard Editionの監視のリソースの利用状況を監視することや、オンプレミスで稼働する統合データベースの監視ツールとして魅力的な選択肢になると思います。

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3. 管理対象データベースの詳細画面を利用した稼働状況の確認と管理操作

「管理対象データベースの詳細」画面からはパフォーマンス・ハブやAWRエクスプローラは利用できないものの、アクティビティ・クラス(平均アクティブ・セッション) を利用したCPUやユーザーIO、待機イベントの時系列チャートを確認することができ、簡易的ではあるがパフォーマンス問題の切り分けに必要な情報を参照できます。とはいえStandard Editionなので詳細な情報を得る必要がある場合はStatspackレポートの取得が必要となります。

また、「管理対象データベースの詳細」ではアラート・ログの確認や初期化パラメータの確認と変更、表領域の管理、アラームの設定などEnterprise Manager程ではないにしろ、一部の簡易的な管理操作が可能になっています。なお、SQLチューニング・アドバイザやSQL チューニングセットは当然ながらEnterprise Editionでなければ利用できません。

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まとめ

Base Database Service Standard Editionを監視対象とした場合、OCI Database Managementの目玉機能であるパフォーマンス・ハブは利用できないものの、「完全管理」を利用することで複数のOracle Databaseの統合監視や、簡易的なデータベースのボトルネック分析を監視サーバーの構築なしに実現できることがわかりました。

Standard Editionの利用ユーザーであっても、OCIの管理コンソールで完結するセキュアな運用基盤を構築したい場合、複数のデータベースを効率的に監視したい場合、OSにアクセスすることなくGUIで簡易的な管理操作を行いたい場合に有用なツールであることがわかりました。従量課金で始められるサービスなのでお手軽に始められることも魅力です。

#参考情報
https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/database-management/home.htm
https://qiita.com/western24/items/bac8190ee08a8b1cf339

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