はじめに
この記事は DENSO アドベントカレンダー 2025 の5日目の記事です。
ここ数年、マルチエージェントの「連携方法」が爆発的に増えました。
API連結、ワークフロー、メタエージェント、分散推論…
どれも便利そうに見える一方で、どこか複雑で、作り手によって実装も思想もバラバラ。
そこで一度立ち止まり、根本的な問いを投げました。
「人間ってそもそもどう協働しているんだろう?」
自らの日々の業務を観察してみると、だいたいこんな感じでした。
- グループチャットに集まり
- 会話し
- メンションでタスクを依頼し
- その場で仕事を進めていく
結局、人間のチームは「チャットルーム」を中心に協働している。
それなら、
人間もエージェントも区別せず、みんな同じチームメンバとして、チャットルームで協働すればいいのでは??
この気付きから、人間とエージェントが同じメンバとして自然にコラボレーションできる、 普通のチャットアプリ を作ってみることにしました。
コンセプト:人間もAIも全員「Collaborator」
このプロジェクトでは、ユーザーもAIエージェントも区別しません。
全員が Collaborator として統一された存在です。
つまりこういう感じ↓
こういうモデルを前提としておけば、
エージェントをチャットルームへ「招待」するだけで、
人間の新メンバーが入ってくるのと同じ扱いで働き始める、そんな体験が作れるはず。
すべてはのエージェント連携は チャットアプリを介して成立する仕組み
このプロジェクトの本質的なアイデアは、
エージェントとユーザーの連携をすべてチャットアプリを経由させる点です。
エージェントは、
-
chat_get_contextで会話を読む -
chat_get_membersでメンバー一覧を取得 -
chat_post_messageでタスク依頼(メンション付き)
という 3 つのツールだけに制限しています。
これにより、
- エージェントは人間か他エージェントかを意識しなくていい
- メンションするだけで自然にタスクが流れる
- バックエンド側で適切に処理対象が判断される
という、人間の協働とほぼ同じUXが成立しました。
技術構成(簡易)
- フロント:React
- バックエンド:FastAPI(Python)
- エージェント:Strands + Agent Core Toolkit
- 通信:WebSocket + REST API
ツールはたった3つ:
chat_get_contextchat_get_memberschat_post_message
やってみて感じたこと
AIエージェントは “複数体で” 協働してこそ真価を発揮する。
ただし、それを成立させるには複雑なワークフローや独自DSLは不要でした。
- 人間がもともと使っている「チームのコラボレーションルール」をそのまま借りる
- その中心にある「チャットルーム」の仕組みに乗せる
これだけで、エージェントのポテンシャルが一気に引き出される感覚があります。
おわりに
AIとの「対話」から、
これからは AIとの「チーム活動」 へ。
その未来に向けて、
人間とエージェントを同じ Collaborator として扱う 普通のチャットアプリ
を開発しています。
もしフィードバックやアイデアがあれば、ぜひコメントで教えてください。