はじめに
2021年7月20日にOpenFOAM Foundationより、OpenFOAM 9 がリリースされました。
ここではOpenFOAM Foundationのホームページの内容に従って、OpenFOAM 9 のインストール手順を記載します。
ubuntuのバージョン
OpenFOAM 9 は、openfoam9 パックにより提供された OpenFOAM の新しいメジャーリリースです。これには paraviewopenfoam56 パックにより提供された公式な OpenFOAM のリーダモジュールでコンパイルされた、ParaView 5.6.3 が同梱されています。これらのパックは次の Ubuntu のバージョンで利用可能です。
- 18.04 LTS, コード名称 bionic
- 20.04 LTS, コード名称 focal
- 21.10, コード名称 hirsute
本稿では、20.04.2 LTS を使用します。
インストール
OpenFOAM および ParaView は、apt パッケージ管理ツールを使用してインストールされます。sudo を伴う次のコマンドを実行するとき、ユーザは特権ユーザのパスワード認証を行う必要があります。
- dl.openfoam.org を apt の検索のためのソフトウェアリポジトリのリストに追加し、パッケージの署名の検証を有効にするリポジトリ向けの公開鍵 (gpg.key) を追加するために、端末プロンプトへ次のコマンドをコピー&ペーストします。
sudo sh -c "wget -O - https://dl.openfoam.org/gpg.key | apt-key add -“
sudo add-apt-repository http://dl.openfoam.org/ubuntu
注意1:これは与えられたシステムに対して1回だけ行います。
注意2:セキュアな転送を行うために、公開鍵に対してセキュアな https:// を使用しますが、リポジトリに対しては http:// を使用します。これは、https:// がサポートされていない可能性があり、鍵がパッケージファイルのセキュア認証を提供するので、https:// を使用する必要がないためです。
- 新しいダウンロードリポジトリの場所を考慮して、apt パッケージリストを更新します。
sudo apt update
アップグレードできるパッケージがある場合はアップグレードします。
sudo apt upgrade
- OpenFOAM 9 をインストールします。
sudo apt install openfoam9
OpenFOAM 9 および ParaView 5.6.3 が /opt ディレクトリにインストールされます。
ユーザ構成
インストールされた OpenFOAM パッケージを使用するために、次の操作を行います。
- ユーザのホームディレクトリにある .bashrc ファイルをエディタで開きます。
gedit ~/.bashrc
- .bashrc ファイルの最後に次の行を追加してファイルを保存します。
alias of9='source /opt/openfoam9/etc/bashrc’
of9
- 新しい端末ウィンドウを開き、OpenFOAM パッケージの simpleFoam アプリケーションが機能していることを入力してテストします。
simpleFoam -help
- “Usage” メッセージが表示されれば、インストールおよびユーザ構成は完了です。
入門
userName-9 という名前のディレクトリを $HOME/OpenFOAM 内に作成し、そのディレクトリ内に run という名前のディレクトリを作成します。
mkdir -p $FOAM_RUN
バックステップ流れのチュートリアルケースをコピーして、blockMesh でメッシュを生成し、非圧縮性流れのソルバ simpleFoam で定常流の計算を行います。最後に paraFoam で ParaView 5.6.3 を起動して計算結果を確認します。
run
cp -r $FOAM_TUTORIALS/incompressible/simpleFoam/pitzDaily .
cd pitzDaily
blockMesh
simpleFoam
paraFoam