はじめに
「勉強しなさい」
子供の頃、誰もが親や先生から言われた言葉だと思う。
でも「どう勉強するか」「どう計画を立てるか」については、誰も教えてくれなかった。
私は勉強が大嫌いだった。というか、今でも好きじゃない。
大学受験のとき、ストレスで頭や耳を血が出るほど掻きむしって、皮膚科のお世話になったこともある。
そんな私が約2年間で、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、データベーススペシャリスト試験の3つを取得した。
別に急に勉強好きになったわけじゃない。むしろ今も勉強は嫌いだ。
ただ、大学時代にボーっと見てたYoutube動画からヒントを得て、編み出した方法がうまくいっただけだ。
この記事では、勉強嫌いの私がどうやって計画を立て、管理し、資格を取ったのかを紹介する。この方法は勉強以外にも活用できるが、今回は説明がしやすいため、勉強を例としていく。
もしあなたが「勉強しなきゃいけないけど、続かない」「計画を立ててもいつも挫折する」と悩んでいるなら、少しは参考になるかもしれない。
方法について
まず、無計画に勉強していないだろうか?
かくいう私もよくしていた。
だが、全体像を把握せずに勉強を開始することは、地図もなしに山道を歩くことに等しい。
自分の現在位置や最終的なゴールを把握していなければ、目標達成なんて夢のまた夢だ。
目標の計画・管理の方法は以下のように進めていく。
- 調査
- 最終目標の設定
- 週ごとのゴールの設定
- 週のタスクの作成
- 日ごとの予定決め
- 1週間の振り返り・修正
流れとしては、
「最終目標」→「週ごとのゴール」→「日ごとのタスク」
と、大きな目標から分解して予定を決めていく。
調査
最終目標を具体化するための情報を集める。次に説明する「最終目標の設定」と並行して行っても構わない。
例えば、資格取得が最終目標の場合、以下の内容を調べる。
- 試験の日程(通年か?試験日があるのか?)
- 合格ライン
- 勉強リソース(公式、Udemy、Ping-t、Youtubeなど)
勉強リソースを調べる際には、自分の現在位置が分かる指標を必ず見つけておく。
計画の段階で週ごとのゴールを具体化できるからだ。また、数値が上がっていくのはモチベーションの維持にもなる。
最終目標の設定
最初の計画段階で明確にするのは以下の通りだ。
- 最終目標
- 目標開始日
- 目標達成期限(受験日など)
- 達成することによるメリット
最終目標
具体的に書くことが重要だ。ゴールが具体的でなければ、そこまでの経路なんて決められない。学校の成績を例に挙げると以下のようになる。
良い例 ) 中間テストで全教科平均80点以上取る。
悪い例 ) 成績を上げる。
目標開始日と目標達成期限
これについては、「1月上旬」とかではなく「2026/1/5」としっかり日程を決めてほしい。忙しくて予定が分からなくても、仮で設定しておくべきだ。
達成することによるメリット
達成した際のメリットを思いつく限り書いてほしい。数字などで具体的にし、断定口調で書くのをおすすめする。
この際の注意として、建前みたいなものを書くのはダメだ。誰かに見せる予定はないだろうから、己の欲望に従って書いてほしい。
また、誰かに言われて達成しなけらばならない場合も、出来るだけ自分本位なメリットを書いてほしい。
良い例 ) 資格合格の祝金2万円でHUNTER×HUNTERを全巻買う。
悪い例 ) 資格で習得した知識を業務に生かしたい。
週ごとのゴールの設定
この方法の一番の肝だ。
週間目標では、目標開始日から目標達成期限までを週ごとに分け、週ごとにゴールを作る。
例えば、資格取得が最終目標の場合はこんな感じで設定する。
【1週目】Udemyの動画をチャプター4まで見終える
【2週目】Udemyの動画を最後まで見る
︙
【4週目】模擬試験で7割取る
【5週目】模擬試験で8割取る・試験合格
この際、目標達成期限の週から逆算して作成することをおすすめする。
1週目から作っていくと、期限からズレる可能性があるからだ。
週のタスクの作成
ここからの手順は、毎週行う。
「週のタスクの作成」と「日ごとの予定決め」については、1週目は「週ごとのゴールの設定」の後に行う。2週目以降は1週目の「振り返り・修正」を行ってから、進めていく。
週のタスク設定は、週のゴールを達成するためのタスクを作成する。
粒度については、30分~2時間ぐらいまで分解するのがベストだ。
例えば、先ほど1週目に設定した「Udemyの動画をチャプター4まで見終える」なら、動画の長さごとにタスクを設定する。以下は1時間に分解したイメージだ。
- チャプター1と2を見る
- チャプター3(~1時間)を見る
- チャプター3の残りを見る
- チャプター4(~1時間)を見る
- チャプター4(~2時間)を見る
- チャプター4の残りを見る
日ごとの予定決め
分解したタスクをいつやるか日付を決める。
例えば、以下のような感じだ。
【月曜日】チャプター1と2を見る
【火曜日】チャプター3(~1時間)を見る
【水曜日】チャプター3の残りを見る
【木曜日】チャプター4(~1時間)を見る
【金曜日】チャプター4(~2時間)を見る
【土曜日】チャプター4の残りを見る
次に、タスクを行う時間を設定する。この作業はNotionカレンダーで行うのが楽だ。
【月曜日 20:00~21:00】チャプター1と2を見る
【火曜日 20:00~21:00】チャプター3(~1時間)を見る
【水曜日 20:00~21:00】チャプター3の残りを見る
【木曜日 20:00~21:00】チャプター4(~1時間)を見る
【金曜日 20:00~21:00】チャプター4(~2時間)を見る
【土曜日 10:00~11:00】チャプター4の残りを見る
ここでは、1週間の区切りを"月曜始め・日曜終わり"としている。
ポイントは終わりである日曜には予定を設定しないことだ。私の場合、するとしても10分程度の軽い復習しか行わない。
日曜は勉強ではなく、1週間の振り返り、目標の修正、次の週のタスク作成・予定決めに時間を使う。
1週間の振り返り・修正
週の終わりに、1週間の使い方を振り返る。
振り返る際の指標として、タイムトラッキングを行うことをおすすめする。公開するテンプレートにタスクのタイムトラッキング機能を付けている。これをNotionカレンダーで見て、どういった時間の使い方をしているか振り返ってほしい。
振り返ることは自由に決めてもらって構わない。私は以下のように振り返っている。
- タスクは予定通りに進めたか?
- 例)予定より開始時間が遅れている
- 時間の使い方に無駄はないか?
- 例)朝起きて、そのままスマホを操作している
- 1週間の中に無駄なタスクはないか?
- 例)参考書を読んだが、ほとんど頭に入っていない
- 先週から改善できたことは?
- 例)スクリーンタイムを30分減らせた
- 今週の行動で改善したいことは?
- 例)夜遅くまでアニメを見るのをやめたい。SNSを開く頻度を減らしたい
- 改善したいことの中で来週、最も直すべきことは何か?どうやって改善するのか?
- 例)SNSを開く頻度を減らす。one secというブロックアプリをインストールする
大体反省点ばかりだが、直すことは1つにしている。急激に変化させると大抵は継続できないからだ。
修正については、週の終わりに限らず、必要になればいつ行っても構わない。
例えば、私はUdemyを見ていて「コレ全部見る必要あるか?」となったら、すぐ修正する。逆に1週間で出来ないと判断したら、すぐに計画を見直す。
最初の計画通りに行くことなんて、まずない。大事なのは、最初の計画を守ることではなく、最終目標が達成できる計画を作っていくことだ。
テンプレートについて
Notionテンプレートを以下のリンク先に公開している。
このテンプレートには、以下のデータベースが入っている。なお、例として基本情報技術者試験の取得の計画を記載している。
- (一番上・水色)タスクデータベース
- (真ん中・黄緑)週間目標データベース
- (左下・赤)タイムトラッキングデータベース
- (右下・オレンジ)目標データベース
目標データベース
ここでは「最終目標の設定」で決める内容を記載する。
プロパティ
- 最終目標(タイトル)
- 進捗状況(ステータス)
- 目標開始日(日付)
- 目標達成期限(日付)
- 現在の週(数式)
「達成することによるメリット」はコンテンツ内に書く場所を用意している。箇条書きリストにたくさん書いてほしい。
「進捗状況」は、最終目標全体のステータスだ。資格であれば合格したら「達成」、不合格であれば「未達成」のように変更する。テンプレート内のビューではフィルターをかけており、「進行中」の目標のみを表示する。
「現在の週」は、この最終目標が何週目かを表す。特に不必要であれば、非表示で構わない。ただ、このプロパティを削除する際は注意してほしい。週間目標データベースで、現在の週を青く表示するために参照しているからだ。
ビュー
- 最終目標:「進捗状況」が「進行中」の目標のみ表示される
- ALL:すべての目標が表示される
週間目標データベース
ここでは「週ごとのゴールの設定」で決める内容と「1週間の振り返り」を記載する。
フィルターで「最終目標データベース」から設定したい目標を選択して、使ってほしい。
プロパティ
- 今週のゴール(タイトル)
- 週(数値)
- 期間(数式)
- 最終目標データベース(リレーション)
- Status(数式)
「1週間の振り返り」はコンテンツ内に記載する。計画を修正した等のメモもここに記載するといい。
「最終目標データベース」はクリックすると最終目標データベースに記載済みの目標を選択できる。
「週」には1週目であれば「1」と入力する。リレーション先の最終目標データベースの開始日が入力されている状態で、入力すると「期間」に日付が表示される。
「Status」は、現在の週にチェックが入るだけだ。特に操作する必要はない。
タスクデータベース
「週のタスクの作成」「日ごとの予定決め」の内容を記録し、実行タスクの管理を行う。このデータベースをNotionカレンダーで連携しておくと、時間単位の管理が楽になる。
プロパティ
- 名前(タイトル)
- 予定(日付)
- ステータス(ステータス)
- スタート(ボタン)
- ストップ(ボタン)
- タイムトラッキングデータベース(リレーション)
タスクのタイムトラッキングは、以下のような動きになっている。
- スタートを押す
(ステータスが「作業中」になり、タイムトラッキングデータベースにページが追加、リレーションが設定される) - ストップを押す
(ステータスが「進行中」になり、1で追加されたページが編集される)
「ステータス」はタスクの進捗状況を管理する。タスクが完了したら「完了」。修正時にやらなくてもいいと判断したタスクは「断念」にする。
ビュー
- 今日のタスク:「予定」が今日のタスクが表示される
- 1週間のタスク:カレンダービューが表示される
- ALL:すべてのタスクが表示される
タイムトラッキングデータベース
Notionカレンダーで連携すると、目標に使った時間が可視化される。「1週間の振り返り」を行う際に活用してほしい。
プロパティ
- 名前(タイトル)
- タスクデータベース(リレーション)
- 計測時間(数式)
- 時(数式)
- 分(数式)
- isTracked(チェックボックス)
ビュー
- タイムトラッキング:タイムトラッキングのログが10件表示される
- カレンダービュー:タイムトラッキングのログがカレンダービューで表示される
ここについては、特に触る必要がない。
「名前」には、スタート押したタスクの名前が設定される。
「時」「分」については、グラフビューで集計する際に使ってほしい。これだけ頑張ったんだという達成感が得られる。ただ、Notionの無料プランではグラフは1つしか設定できない。注意してほしい。
補足
最終目標の設定
目標の並行について
1つの目標を進行しているときに、他の目標を同時に進めてはいけない。
管理や振り返りに必要な時間が増えて、予定が取りづらくなるからだ。また、人は変化を本能的に避ける傾向があるため、急激な変化は達成しにくい。最悪、どちらの目標も達成できない結果に終わる。
目標達成期限について
開始日から目標達成期限までは1~3ヶ月ぐらいをおすすめする。厳密に守る必要はないが、半年以上の場合は目標を分割した方がいい。
理由としては、今回紹介した方法は「締め切り効果」を狙っているからだ。
期間が長くなると、効果が半減することを頭に入れておいてほしい。
メリットを記載する理由
最終目標を設定する際に、メリットを記載する理由は、行動を始めるための強力なきっかけを作りたいためである。
例えば、モテることを目的に筋トレをしていたのに、いつしか筋トレ自体が目的になっていたというのはよく聞く話だろう。
最初の「モテたい」という動機がなければ、そもそも筋トレを始めることすらなかったはずだ。つまり、最初の一歩を踏み出させる動機が何より重要なのである。
この「モテたい」という動機は三大欲求の性欲から来るものなので、行動を開始させる力としてはかなり強い。
したがって、これに匹敵するほどの強力なメリットをここでは作ってほしい。
終わりに
ここまで読んで目新しい方法なんて、何もなければ申し訳ない。
ただ、昔の私のように目標の計画・管理が出来ていない人の助けになれたらと思う。
参考書籍
- ブライアン・P・モラン 他「12週間の使い方 ──実行サイクルの4倍速化プログラム」パンローリング株式会社, 2018年
- 尾石晴「やめる時間術: 24時間を自由に使えない全ての人へ」実業之日本社, 2021年
