俺は35歳エンジニア。童帝だ。
この称号は俺には荷が重すぎるので、一年前から本格的に婚活を始めた。
マチアプ・街コン・友人からの紹介、全戦全敗。
このまま戦い続けても、一生負け続けるのだろうと悟った。
だが、どうやって練習する? AIで女性を作ることにした。
達成したいことは以下の三つ。
- 現実にいるような女性の人格を作ること
- 失敗を学べるようにフィードバック機能を作ること
- 作ったアプリで俺のスキルを上げて、童帝を退位すること
人格は「設定」じゃなくて「記憶」だった
名前、年齢、職業、性格、口調、趣味、恋愛観。システムプロンプトを書いた。
会話は成立する。でも10往復もすると「あ、AIと話してるな」と分かる。何度書き直しても同じだった。
「猫好き」と書いても、AIは「猫いいですよね!」としか言えない。
人間なら、子供の頃に猫を飼っていた記憶とか、猫カフェで癒された体験とか、そういうのが自然と出てくる。
人格は設定じゃなくて記憶だった。
女性の人格設計を童帝がやっても意味がない。既婚者エンジニアの友人に全部任せた。
800個の記憶。生い立ち、トラウマ、好きだった人の名前。全部。
800個を全部渡すと自分語りが止まらなくなる。だから記憶を数値化して、会話の内容と近い記憶だけを引き出す仕組みを作った。
Gemini Embeddingで800個の記憶を数値に変換してDBに入れておき、ユーザーの発言と意味が近い記憶だけを検索して返す。
意味の検索と文字の検索を組み合わせて精度を上げている。
ブロックされた理由は永遠に分からない
マッチングアプリでブロックされた回数は、もう数えていない。理由は1回も教えてもらえなかった。
このAIは、チャットの後に答え合わせができる。
「この質問で警戒しました」
「ここで距離を詰めすぎたので、好感度が下がりました」
「この話題には好意的でした。もう少し掘り下げてよかったです」
友達は気を遣って言わない。マッチングアプリの相手は黙って消える。

内心ではめちゃくちゃ嫌がられていた
俺は今までチャットを3往復くらいしたら、タメ口に切り替えていた。
このAIにも同じことをした。返答は普通だった。話も盛り上がってると思った。
内心を開いた。
「馴れ馴れしい」「嫌い」「好感度 -8」。
表面では笑ってくれてたのに、内心ではこう思われていた。
現実のブロックってこれだったのか。相手は何も言わずに笑って、限界が来たら消える。
マッチングアプリで何十回とブロックされた理由が、初めて見えた。
好感度とストレスを内部で数値管理していて、発言ごとにAIが更新する。信頼度が上がると口調が崩れていき、ストレスが限界を超えるとブロックされる。
俺は今年、童帝を退位する。そのためにアプリも作った。
悩みを抱える諸君、俺と共にこの戦いに終止符を打とう。
出来立てほやほやのアプリ:▶ MINE(Google Playは近日リリース)

