ReactとNext.jsは、両者とも現代のフロントエンド開発において非常に人気のあるライブラリ・フレームワークです。
しかし、それぞれの目的と機能は異なります。この記事では、その違いについて、具体的なコードの例を交えてご説明します。
1. 基本的な違い
👉 ポイント: Reactはライブラリ、Next.jsはReactのためのフレームワークです。
ReactはFacebookが開発したユーザーインターフェースを構築するためのライブラリです。
一方、Next.jsはReactをベースにしたサーバーサイドレンダリングや静的サイト生成を容易にするフレームワークです。
// Reactの基本的なコンポーネント
function App() {
return <div>Hello React!</div>;
}
// Next.jsの基本的なページコンポーネント
function HomePage() {
return <div>Hello Next.js!</div>;
}
2. 開発環境のセットアップ
👉 ポイント: Next.jsは開発環境のセットアップが簡単です。
Reactアプリをゼロからセットアップする場合、WebpackやBabelの設定が必要です。
一方、Next.jsではこれらの設定がデフォルトで組み込まれており、開発サーバーをすぐに起動できます。
# Reactアプリのセットアップ
npx create-react-app my-app
# Next.jsアプリのセットアップ
npx create-next-app my-next-app
3. ルーティング
👉 ポイント: Next.jsはファイルベースのルーティングを採用しています。
React自体にはルーティング機能は含まれていません。そのため、例えばreact-router-dom
などのライブラリを使ってルーティングを実装します。
一方、Next.jsではpages
ディレクトリ内のファイル構造に基づいて自動的にルーティングが生成されます。
// Reactでのルーティング例
<Route path="/about" component={About} />
// Next.jsでのルーティング
// pages/about.jsファイルを作成するだけで、/aboutルートが自動的に生成される。
4. サーバーサイドレンダリング(SSR)と静的サイト生成(SSG)
👉 ポイント: Next.jsはSSRとSSGを簡単に実装できます。
Reactはクライアントサイドレンダリング(CSR)が主ですが、Next.jsではSSRやSSGを容易に取り入れることができます。これにより、SEO対策やパフォーマンス向上に貢献します。
// Next.jsでのSSR例
export async function getServerSideProps() {
// データのフェッチやDBへのアクセスなど
return { props: { data: fetchedData } };
}
// Next.jsでのSSG例
export async function getStaticProps() {
// データのフェッチやDBへのアクセスなど
return { props: { data: fetchedData } };
}
まとめると、ReactとNext.jsは、それぞれ異なる目的と特徴を持っています。どちらを選択するかは、プロジェクトの要件や目的に応じて選んでください。